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2×4住宅も無料診断対応になるようです

昨日、大井川町役場に顔を出したら、今年度から枠組在来軸組工法(2×4住宅)にもTOUKAI-0無料診断が受けられるという情報を手に入れました。

これまで、昭和56年5月31日以前に着工の在来軸組工法のみ対象だったので、対象工法が1つ増えたことになります。

ただ、もし2×4工法の住宅を診断するとなると新診断法(平成16年に改訂された診断方法)を使う必要があります。
現在、使用されているTOUKAI-0無料診断は、改訂前の診断法です。改訂前は、在来軸組工法のみ対象なので、2×4工法の住宅には使用できません。

全国的には、改訂された診断法が普及していくと思われますので、いつ静岡県もTOUKAI-0無料診断を改訂された新診断とするのか気になるところです。

例えば、来年度から改訂された新しい診断法を採用すると県が決めたとします。大変なのは、診断する人間でしょう。これまで慣れ親しんだ診断方法から新しい診断に変えろといわれて素直に対応できる人がほとんどとは思えません。
また、改訂された診断法は、チェックする側にも負担がかかります。正直、ミスがないか調べるだけでも相当大変ですし、診断の仕組みをよく理解していないとどこがどう間違っているか分かりません。それこそソフトに頼り切る形になります。

加えて、改訂前の診断と改訂後の診断では、結果が違う場合は、これまで診断した住宅に対してどのような説明をするべきかといった問題もあります。発行している日本防災協会は、どちらの診断でも結果はそれほど変わらないと主張していますが、それならば別に改訂する意味がないのではないかという指摘が生まれます。おそらく、このあたりの指摘は、診断方法発行元である日本建築防災協会も返答が困るところだと思われます。

一方で、診断対象が増えるというメリットも否定できません。
2×4工法でも耐震性に不安を感じている方は多いと思いますので、そういったメリットも考慮する必要があります。
個人的な意見としては、改訂された診断法に変わるのはやむをえないところではないかといったところです。

それでは、改正前と改正後の違いを簡単にまとめてみます。

(A)改訂前(木造住宅の耐震精密診断と補強方法 日本建築防災協会発行)
※TOUKAI-0無料耐震診断は、この診断法を少々改良した形で使用

メリット
(1)比較的診断が簡単である。(下手をすると高校生でも可能、これをメリットと判断するかは人によって異なる。)
(2)診断のチェックも改正後に比べると簡単である。
(3)現地診断については、主に壁の位置を調べる。精密診断の場合は、壁の種類も調べる。ただし、無料診断は一般診断なので調べない。
(4)平成13年度から静岡県では採用されているため、診断に馴れている人が多い。
(5)診断結果を依頼者に説明しやすい。

デメリット
(1)地盤や基礎の判定によって、診断結果がかなり左右されてしまう。
(2)診断結果に反映されない部分が多い。
(3)あくまで個人的な考えだが、診断結果そのものの信頼性は低い。(このあたりについてはまた別の機会に書きます。)

(B)改訂後(平成16年に改訂、改訂前の診断法と根本的に違う)

メリット
(1)診断可能な対象工法が増える。(2×4工法・伝統的構法)
(2)診断結果に反映されない部分が改訂前より増えた。
(2)あくまで個人的な考えだが、診断結果そのものの信頼性が改訂前より高い。
(3)全国で今後採用される診断法である。

デメリット
(1)診断作業が改訂前より大変になる。(時間がかかる)
(2)診断結果について、依頼者に説明するのが大変である。
(3)現地診断も改訂前に比べて調べることが多い。
(4)第三者によるチェックが改訂前に比べると大変である。
(5)改訂前に慣れ親しんだ人が、新たに覚えるのは大変である。
(6)専門家(建築士)でなければ診断は難しい。(これをデメリットと判断するかは人によって異なる。)

もちろん、これだけではないと思っています。
あと、診断方法については、具体的に何がどう違うかは今回は書きませんでした。

次回は、役場に改訂後の診断方法の取り扱いについて、いくつか質問をしたので、その内容と返事を書きたいと思います。
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