よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします
某電機メーカーの「ウチナービケーン」というテレビCMのキャッチフレーズが一時流行ったことがあった。 そのままの意味は「沖縄だけ」と言うことだが、CMの意図することは全国にはない「沖縄仕様」あるいは「沖縄特製」ということで、大ヒットのCMだったと聞く。
さて本日7月1日は中国のビザに関し「ウチナービケーン」の制度が開始する。
沖縄を訪れる中国人観光客には数次ビザを発給すると言う沖縄だけの制度のこと。
この制度は「ゆすり大魔王」こと仲井真県知事が沖縄振興策の一つとして「県外要求」の代償として菅内閣から強請り取った「ウチナービケーン」の制度である。
急ごしらえのためこの制度には思わぬ「盲点」もあるようだ。
ちなみに本日の沖縄タイムスは中国人数次ビザについては一行の掲載もないので、ニュースとしては一寸古いが、先月の記事を引用する。
数次ビザで沖縄が経由地に? 業界「盲点」懸念
沖縄タイムス 経済 2011年6月4日 10時25分
沖縄を訪れる中国人観光客向けに来月1日から発給される数次ビザ(査証)について、観光業界から「沖縄には滞在せずに経由地として利用される恐れがある」と懸念の声が上がっている。ビザ業務を管轄する外務省も同様の認識を示しており、沖縄への滞在を要件に含むなどの対策を検討している。今回の数次ビザの導入は沖縄の経済振興が目的。期待される経済効果を生むには、本来の目的を見据えた仕組みづくりが急がれる。(榮門琴音、銘苅一哲)
数次ビザの発給は、一定以上の経済力がある中国人観光客が対象。最初の旅行で沖縄を訪問すれば、3年間は何度でも日本に入国できる。滞在期間も従来の個人観光客の最大15日に比べ、同90日と大幅に長くなる。沖縄への経済効果を期待する声は多い。
ただ、メリットが大きい数次ビザにも「盲点」がある。最初に沖縄を訪れ、数次ビザの発給を受けてしまえば、次回の旅行からは沖縄を訪問することが義務付けられていない。
このため、「ただの経由地として利用されるのでは」と懸念する声もある。要件通りに沖縄から入国しても、宿泊や買い物をせずに、県外へ乗り継いで行くケースも考えられる。観光関係者は「沖縄での滞在が那覇空港だけとなるのは本末転倒」と指摘する。
外務省も「トランジットだけで沖縄を利用されると、お金を落としてもらうという狙いから外れる」と認識。最低でも一泊してもらうなど滞在を促す仕組みづくりを急いでいる。宿泊を確認する方法は調整中。ただ、手続きが煩雑になると数次ビザの取得が鈍くなる恐れもあるという。
外務省は「国内初の画期的な制度。細部まで調整していく」としている。
数次ビザが発給されることを受け、県はプロモーションや受け入れ態勢を強化するキャンペーンを展開する。県は「沖縄に滞在してもらえるような魅力ある観光メニューを作ることも必要だ」と意欲を見せている。
☆
中国客向け数次ビザ 沖縄1泊条件
経済 2011年6月8日 09時31分
7月1日から始まる中国人個人観光客向けの数次ビザ(査証)発給について、外務省が1回目の来訪の際、沖縄県内で1泊以上滞在することを条件に加えることが7日、分かった。沖縄が本土への経由地のみに利用されることを防ぐ措置。また、沖縄に限らず、他の都道府県から出入国する場合でも数次ビザを発給する方針。
県と沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が7日、県内観光事業者向けの説明会で外務省からの聞き取り内容として明らかにした。
1泊以上の県内滞在を要件とすることで、「沖縄振興」を目的とするビザ発給の趣旨に応える。ただ、滞在要件は1回目の来訪時のみで、2回目以降は3年間の有効期間内であれば、沖縄を訪れなくても日本各地を何度でも旅行できる。県観光振興課は「沖縄を訪れたことのない中国客に沖縄を知ってもらえるチャンス」としつつ、「2回目以降も沖縄に来たいと思わせるような仕組みづくりが不可欠。観光業界の皆さんと協力して考えていきたい」とした。
沖縄を出入国の拠点としなくてもいいため、中国からの直行便の席数に限りがある沖縄にとって、日本の国内路線で多くの中国客を呼び込むメリットがある。OCVBは6月中に、中国の旅行社やマスコミ関係者を招待するFAMツアーを6本計画。現地で共通のパンフレットやWeb広告を展開し、制度周知を急ぐ。OCVB観光・コンベンション推進部の屋良朝治部長は「個人客が多く訪れることを想定し、ホテルや観光施設で中国語対応などの体制を強化してほしい」と強調した。
数次ビザは中国本土の全在外公館(7公館)で発給。中国人の訪日個人観光を扱うすべての中国側旅行社を通じて代理申請できる。「十分な経済力を有する者」とその家族(二親等まで)が発給対象で、手数料は免除される。本人が同行しない、家族のみの訪日は許可されない。
審査期間も「申請日を含めない5営業日」を基準とするなど大幅に短縮される。7月1日から申請できるため、最も早い発給日は7月8日になる見込み。1回の滞在期間は従来の6倍の90日となる。
☆
いくら「ゆすり大魔王」の恫喝に屈したとはいえ、ずい分ズサンな制度を作ったものである。
沖縄を自国の領土と喧伝している中国にとって、沖縄を「工作員基地」として全国に工作員をばら撒くのにこんな美味しい制度はない。
「盲点」は「トランジット利用」に止まらない。
沖縄に「一泊の義務付け」なんて寝言をいっても一体誰が怒涛のように流れ込む中国人の一泊を監視するのだ。
仮に出入管理局要員を倍増して監視した所で、元々順法精神にかける中国人の耳を引っ張ってでも一泊させることが出来るはずもない。
平和安全保障研究所理事長の西原正氏が、この「ウチナービケーンの中国人数次ビザ薄給の危険性を、産経新聞の【正論】平和安全保障研究所理事長・西原正 危険!中国人観光客の沖縄誘導 で鋭く指摘している。
以下にその要点を抜粋引用する。
(1)、国防上きわめて重要な自衛隊や米軍の基地を持つ沖縄に関して、政府や沖縄県が安全保障上の配慮をどの程度したのか懸念される。◎
(2)沖縄を1度訪れれば何度でも日本を出入国できるという。しかもこれまでとは違って、個人旅行が可能になる。
(3)沖縄に中国人客が増えれば、それ目当てに、中国人富豪が土地やホテルの買収を進めるであろう。その際、自国政府の情報収集に協力して、軍事基地近くの土地を買収するかもしれない。
(4)さらに中国当局が、観光客に紛らせて情報工作員を沖縄に潜入させ、自衛隊や米軍の訓練状況や武器装備などを偵察することになりかねない。
(5)沖縄本島ばかりではない。石垣島などの事情もさぐり、尖閣諸島の防衛に向けた自衛隊や海上保安庁の動きを観察することができる。
(6)≪米軍と自衛隊の情報筒抜けに≫
(7)昨年8月、仲井真知事が北京を訪問し、中国民用航空局で那覇-北京路線の定期便化を求めたのに対し、民用航空局側は、中国人客のビザ規制を全廃する制度を沖縄で先行的に実施することを提案したという。
(8)また、ある要人は「沖縄は中国と関わりも深く、モデル的に行ってはどうか」と促したという(琉球新報、2010年8月20日付)。
(9)中国の民間機が那覇空港に入るようになれば、那覇空港を共用する航空自衛隊などの活動は、中国政府に筒抜けとなる。
(10)また、沖縄が中国人観光客への依存度を高めれば、中国はそれを政治的に利用することも可能になる。例えば、米軍基地へのミサイル、特殊無人機などの配備を中止に追い込むため、観光客の沖縄訪問中止などをちらつかせて圧力をかけるといったやり方である。
09年1月に日本が中国の青島に総領事館を開設したとき、中国側が沖縄に総領事館を開設したいと申し入れてきた。
日本は安全保障上の理由から沖縄での開設を拒否したが、今回の「ウチナービケーン」により、今後多くの中国人が沖縄に出入りすることになれば、中国は総領事館の開設を再度求めてくるであろう。
欲に目が眩んだ「ゆすり大魔王」は今度は中国総領事館の設置を強請り取ろうと圧力をかけるだろう。
が、総領事館が工作員の巣窟であることは世界の常識である。
一旦中国総領事間が那覇にできれば、軍関係者は勿論工作員の常駐が合法的になる。
沖縄はたちまち中国工作員の巣窟と化し、米軍基地、自衛隊基地を監視しする工作員が増えるだろう。 さらに従来の沖縄2紙による反基地運動に加え、中f国による反基地工作も容易になる。
今、南シナ海の領有権をめぐり中国とベトナム、中国とフィリピンの対立が米国を巻き込んで一触即発の様相を呈している。
こんな重大時期に日本の首相の脳裏にあるのは自身の延命工作だけというのは我が国とって、内政のみならず国防にとってもまことに不幸なことである。
そもそも国家意識のない首相に政権交代を委ねた国民に責任はあるのだが、中国の南シナ海の狼藉に対し「明日はわが身」の危機感を感じるどころか、中国を「友好平和」の国として歓迎する仲井真知事の平和ボケにも度し難いものがある。
平松氏は上記「正論」の論文を次のように結んでいる。
≪ 中国人観光客への数次ビザはむしろ、沖縄を対象外とするのが防衛上妥当である。中国人には沖縄本島のみ、しかも宿泊するホテルを限定した、1回のみの訪問を許す観光ビザが適切だろう。総領事館開設や民間航空機の定期便化などはむろん論外だ。中国人の土地買収を制限する立法措置も急務である。中国との友好は大切だが、国防を犠牲にした友好は、自らを骨抜きにすることでしかない。≫
まさに至言である。
むしろ中国人の数次ビザはウチナービケン、対象外にするのが防衛上妥当である、
と思う方、クリック応援お願いします。
よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします