狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

新たな混迷の幕開け!稲嶺氏の僅差当選

2010-01-26 08:25:12 | 県知事選

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辺野古反対派の稲嶺氏の当選の余韻も冷めやらぬ25日の沖縄タイムスは、これで「翻弄の14年」に終止符が打たれたかのような社説を書いた。⇒[名護市長に稲嶺氏]「翻弄の14年」に終止符

だが、これが翻弄の終止符ではなく、新たな混迷のスタートであることが早速今朝の同紙一面の見出しに表れた。

今朝の一面トップの見出しはこうだ。

普天間 現行案も検討

首相「あらゆる可能性」

名護市長選とねじれ

国の専管事項であるはずの安全保障問題の決着を一地域の市長選に委ねることの是非はさておき、今回の稲嶺氏の勝利を鳩山首相は諸手を挙げて喜べない「奇妙な勝利」と書いた。

それを象徴する光景が昨日の予算委員会の開催前の国会で目撃されている。

福島少子化担当相は、首相の席に近づき「名護市長選、勝って本当によかったですね」と祝辞を述べ握手を交わした。(沖縄タイムス)

福島氏が鳩山首相の複雑な思いを知ってか知らずか、

それとも知っていながら敢えて民社党の「辺野古反対」の圧力を加えたつもりなのか知るよしもないが、福島氏は「首相は喜んでいらした」と語ったという。

だが、首相が「現行案も検討」という「ゼロベース」発言をしたのは福島氏のお祝いの言葉の直後に出たわけだから、福島氏のお祝いの握手を複雑な気持ちで受けたことは間違いない。

「辺野古反対派」の稲嶺氏の当選で、沖縄の民意が決まったとと報じる新聞は多いが、「僅差の勝利」を報じる新聞は少ない。

稲嶺氏の勝利は、稲嶺52%vs島袋48%の僅差の民意なのだ。 しかもフジテレビ(?)の現地聞き取り調査によると、名護市の市街地では「辺野古反対」で辺野古地域では「辺野古賛成」の声が多かったと言う。

いわゆる民意とは摩訶不思議なものである。

首相の複雑な心境を表すように、25日「(選挙結果は)市民の一つの民意と受け止める必要はある」と述べているが、その一方、「(移設先候補には)あらゆるものが入ると理解を願いたい」とも述べている。

「一つの民意」があると言うなら他にも複数の民意があるということになる。

当日記はこれまで、「沖縄の民意」をねつ造する沖縄メディアを批判して「それぞれの民意」という言葉を使った。

それぞれの「民意」、本日午後から県民大会

平野官房長官は早速「一つの民意」を踏みにじるような発言をして更なる混迷劇の幕を開けた。

平野発言は、沖縄の「それぞれの民意」や米国側、野党そして社民党の民意を斟酌したらこうなったというシロモノ。

 「(選挙結果を)斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない

早速、地元が反発という報道が出回った。

名護市長選:「斟酌の理由ない」の官房長官発言に地元反発

衆院予算委員会の開始を待つ間、鳩山由紀夫首相(左)と話をする平野博文官房長官=国会内で2010年1月25日午前11時48分、佐々木順一撮影
衆院予算委員会の開始を待つ間、鳩山由紀夫首相(左)と話をする平野博文官房長官=国会内で2010年1月25日午前11時48分、佐々木順一撮影

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)を米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する日米合意は、名護市長選で反対派市長が誕生したことで実現困難となった。しかし、平野博文官房長官は25日の記者会見で「(選挙結果を)斟酌(しんしゃく)しなければならない理由はない」と発言。合意履行を求める米側への配慮とみられるが、地元や与党内からは反発が噴き出した。鳩山政権が招いた県外移設論の着地点は見えない。

 「市長選の結果、これまでと状況が変わったことを理解してほしい。政治を行う人は民意を大切にすべきではないのか」。名護市長に初当選した稲嶺進氏は25日、平野長官の発言に不快感を示した。鳩山政権が方針を決められない中、踏み絵を迫られる形になったのが名護市民だ。その「民意」を軽視し、辺野古案を選択肢に残す政府の対応には、辺野古微修正案を容認する立場だった仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事も「地元の首長の理解と協力がなければ難しい」と疑念を呈した。

 社民、国民新両党は市長選の勝利に勢いづき、政府に辺野古案の撤回を迫る。社民党の福島瑞穂党首は25日、記者団に「民意としてはとても重い」と強調。国民新党の下地幹郎政調会長も「民意を大事にしないでこの問題を議論するのはおかしい。ゼロベースではなくなった」と述べた。

 民主党も推薦した稲嶺氏の当選を政府が歓迎せず、辺野古案を排除しない「ゼロベースの検討」にこだわるのは、手詰まり感の裏返しだ。鳩山由紀夫首相が決着期限とした5月までに新たな候補地を探し、地元と米側の合意を取り付けるのは至難の業。在沖縄海兵隊報道部は25日も毎日新聞の取材に「現在の辺野古案となることを信じている」と回答した。

 平野長官は政府・与党の設置した沖縄基地問題検討委員会の責任者。市長選の結果を重視する姿勢を示せば、県外移設へと一気に雪崩を打ち、対米関係も混乱するとの警戒感がある。25日午後の会見でも「(選挙結果は)一つの民意であることは理解するが、どこかの市から『反対だ』と言われて斟酌すると『じゃあどこに持って行くのか』となる」と白紙で臨む姿勢を強調した。

 平野長官は、フリーハンドを持ち続け、一気に候補地を絞り込む狙いとみられる。衆院選で「県外・国外移設」を公約した鳩山首相は25日夜、記者団に「名護市民の選択は一つの意思だと受け止める。我々はゼロベースで臨みたい」とあいまいな発言を繰り返した。【横田愛、西田進一郎、三森輝久、井本義親】

【関連記事】

                    

結局、鳩山首相は、「ゼロベース」と言う言葉に逃げ込んでいるが、

実際は鳩山首相は、夫々の民意を斟酌した結果、八歩美人の愚に陥り、頭の中はカラッポ、つまり「ゼロベース」ならぬ「ゼロ」そのものということらしい。

 

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【おまけ】 ここにも米国のそれぞれの民意が

 米各紙が名護市長選報道
政治  2010年1月25日 10時42分

 【ニューヨーク共同】米主要各紙(電子版)は24日、米軍普天間飛行場の移設問題が焦点となった名護市長選の結果と日米関係への影響などを詳しく報じた。

 ニューヨーク・タイムズは、同市辺野古への移設に反対する稲嶺進氏の当選で、鳩山由紀夫首相に県外移設を迫る圧力が増すことになったと分析。

 同紙は移設問題があつれきを増す日米外交関係の焦点として浮上した経緯を紹介。選挙結果が「鳩山首相が自ら掲げた期限の5月を前に、沖縄の世論をはかる重要なリトマス試験になるとみられていた」と指摘した。

 ウォールストリート・ジャーナル紙は、市長選が沖縄の米軍基地再編に関する米政府の計画に対する「事実上の住民投票」であったとの見方を示し、選挙結果が「二つの同盟国の関係をさらに緊張させる危険性」をもたらしたと指摘。しかし現行の移設計画は「必ずしも葬られるわけではない」とした。

 ワシントン・ポスト紙は沖縄にとって普天間飛行場が騒音や公害、事故の「象徴」であったとする一方で「一国の安全保障政策は町や村では決められない」とする米海兵隊高官の言葉を引用。最終決定は、現行移設計画の「限定的支持を表明した」沖縄県知事と、日本政府に委ねられると指摘した。

 


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1 コメント

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地元は賛成 (遊爺)
2010-01-27 00:58:46
お邪魔します、遊爺と申します。

> 名護市の市街地では「辺野古反対」で辺野古地域では「辺野古賛成」の声が多かったと言う。

 やはり、地元は賛成だったのですね。肝心な地元のかたがた、普天間のかたがたのお気持ちを察すると、遠い地から本当の苦渋を理解できていない身ながら胸が詰まります。
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