日本共産党の研究(一) (講談社文庫)
日本共産党が政府の「共産党は今も暴力革命の方針を継続している」との答弁書に反発し、赤旗で「日本共産党は、戦前も戦後も党の正規の方針として「暴力革命の方針」をとったことは一度もありません」と反論しているが、本当だろうか。

まず戦前については、共産党の綱領的文書として有名な「日本に於ける情勢と日本共産党の任務に関するテーゼ」(32年テーゼ)には「天皇制国家機構は、搾取諸階級の現存の独裁の強固な背景となっている。その粉砕は日本における主要なる革命的任務中の第一のものとみなさなければならない(本書[二]p.21)」と書かれている。天皇制を「粉砕」するというのは、どう解釈しても暴力革命以外の方法ではありえない。

戦後については、警察庁の資料がこう指摘している。
日本共産党は、同党の革命路線についてコミンフォルムから批判を受け、昭和26年10月の第5回全国協議会において、「日本の解放と民主的変革を、平和の手段によって達成しうると考えるのはまちがいである」とする「51年綱領」と、「われわれは、武装の準備と行動を開始しなければならない」とする「軍事方針」を決定しました。そして、この方針に基づいて、20年代後半に、全国的に騒擾事件や警察に対する襲撃事件等の暴力的破壊活動を繰り広げました。
共産党が今は平和革命の方針を公表しているとしても、過去に党の正規の方針として暴力革命の方針をとったことは歴史的事実である。それを偽造するような党は、今後も事実をゆがめ、政権をとったら「誤った歴史」を書く人々を弾圧するだろう。