世界の軍事費 271兆円 21年 最高額更新 ロシアも拡大
【パリ共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は25日、2021年の世界の軍事費(支出、一部推計)が前年比0・7%増の2兆1130億ドル(約271兆6472億円)となったと発表した。推計値が残る1988年以降の最高額を更新。ウクライナ侵攻へ国境付近に軍部隊を増強していたロシアも軍事費を増加させた。
新型コロナウイルス流行が続き、各国が経済的打撃を受ける中、上位国の多くが軍事費を拡大。トップ5は米国、中国、インド、英国、ロシアの順で、総額が全体の62%を占めた。日本は9位だった。ロシアは2・9%増の659億ドル。SIPRIは「石油や天然ガスを輸出して得た歳入が軍事費の拡大を後押しした」と指摘。ウクライナは36位で推計59億ドル。前年比で8・5%減だった。
中国は4・7%増の推計2930億ドルで、27年連続の拡大。日本は7・3%増の541億ドルで、年間の増加率としては1972年以降で最大となった。SIPRIは日本について「東・南シナ海周辺での中国の影響力の高まりが大きな要因になっている」と分析した。
群を抜く8010億ドルの米国は1・4%減らした一方、研究開発費は2012年から24%増えた。SIPRIは「次世代技術を重視していることの表れだ」とみる。
(写図説明)世界の軍事費上位10カ国
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腹が減っては戦はできぬ。
金が無くては国は守れぬ・・・by高橋是清
【マイナス成長でも軍事支出は拡大】
ウクライナ戦争で分かったことは、防衛費はその性質上、マイナス成長でも拡大する必要がある。国防こそ最大の福祉と言われるくらいだ。
■防衛費拡大に立ち塞がる財務省の壁
国際安全保障の変化に伴い、防衛省が防衛費拡大を主張した時、我が国では予算の増額を財務省に要求する。ここで防衛費拡大に伴う財務省対防衛相の対決が始まる。
だが「省庁の中で最強」と言われる財務省は、均衡財政の狂信者であり屁理屈をこねくり回す「優秀な財務官僚」が相手では、防衛省の敗北は目に見えている。
財務省に対決するため防衛相、外務省、デジタル省なで国防関連省庁を束ねる安全保障省を設置し、首相代理の内閣官房長官を担当大臣に委ねる。
いわば内閣省ともいえる省庁の軍団で財務省に対決すれば、いくら財務省でも内閣に逆らうのは躊躇するだろう。
財務省が防衛予算を出し渋る決まり文句は財源である。
防衛予算は将来に対する投資だと考えれば、建設国債と同じく国債発行で財源に充当することも可能だが、均衡財政論者の財務官僚を説得するのは困難だ。
そこで日露戦争当時、貧弱な財政基盤で大国ロシアを打倒した財務省の大先輩高橋是清の戦時国債の例で対応すべきだ。
■戦時国債で日本を救った高橋是清
日露戦争が始まった1904年(明治37)、高橋は駐英財務官に任命され、戦費調達と言う大役を言い渡された。 このとき高橋は、イギリス系銀行から現在の金額にして4兆5,000えんという大金の借り入れに成功した。 さらに1921年(大正10)には総理大臣兼大蔵大臣に就任。 1929年(昭和4)の世界大恐慌の余波による昭和恐慌から抜け出すため、日本初の赤字国債を発行するなど、積極的な財政政策で何度も日本の危機を救った。
だが、満州事変以降、軍備増強を推し進めつつあった日本の軍部は、国債を国債を軍事費に使うことを求める。 しかし、頑として首を縦に振らなかった高橋は、軍の反感を買い、1936年(昭和11)、自宅に踏み込んだ青年将校らの凶弾に倒れる。のちに2・26事件と呼ばれた。
日本の防衛費は「対GDP比2%」へ倍増できるのか/安全保障戦略と経済・金融・財政の深い関係
ロシアのウクライナ侵攻は、わが国の安全保障論議にも大きな衝撃を与えている。今夏の参院選挙後にも佳境を迎えると見込まれる、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画の「防衛戦略3文書」の策定に向けた動きも、活発になっている。
わが国の防衛関係費は、2022年度当初予算で5兆3145億円である。自民党の安全保障調査会を中心に、目下GDP(国内総生産)比が1%程度である防衛費を、今後5年以内に2%以上へ引き上げるよう、政府に要請しようとしている。
■防衛費倍増の動きはNATOと関係
防衛費の対GDP比を2%以上に引き上げるとは、どういうことか。それは、ウクライナ支援で結束しているNATO(北大西洋条約機構)の動きと関係がある。 NATOは、ウクライナ侵攻やコロナ禍の前から、国防費の対GDP比2%目標を掲げていた。2014年のことだ。当時、NATO加盟国であるEU諸国において国防費対GDP比は、平均で1.19%だった。それが、2019年には1.53%に上がった。
加えて、今般のウクライナ侵攻を受けて、欧州域内に戦場を抱えることとなった結果、国防費増額を表明するNATO加盟国が次々と出てきた。
特に、強い印象を与えたのは、NATO加盟国のドイツとNATO非加盟国のスウェーデンである。ドイツは、健全財政路線を堅持しているが、2022年から国防費を対GDP比2%とすべく予算を組んだ。対GDP比でみると、2021年は1.49%だったところから2%にまで大幅に増額するという。
そして、福祉国家として知られるスウェーデンも、国防費を対GDP比で2%にすることを表明した。スウェーデンは、2015年以降コロナ禍の前まで、財政収支を黒字にし続けていた。
このように、欧州諸国で国防費を対GDP比2%に増額する動きがあって、日本でも防衛費を対GDP比で2%にするよう求める政治的要求が強まっている。日本もそうしないと、NATO加盟国から冷ややかに見られるとの意見も出ている。
日本の防衛関係費は、NATO基準の国防費とは定義が異なるので、単純に比較することはできない。NATO基準の国防費には、退役軍人への恩給費、PKO(国連平和維持活動)関連経費、海上保安庁予算などの安全保障に関連する経費も含まれている。
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【おまけ】
【「坂の上」までの物入り】日本にとっては文字通りの総力を費やすこととなった日露戦争。しかし、工業化も道半ばの日本にとって、もっとも重要な「金」の工面の見通しが立たなかったことから、高橋是清と深井英五は欧米バンカーとの交渉を通じて日本国債の発行を行うよう政府から指令を受ける。いかにして彼らは魅力に乏しかった日本国債の市場を開拓していったのか。金融という新鮮な観点から、日露戦争を鋭く切り取った話題の一冊です。著者は、投資顧問会社を2006年に設立した板谷敏彦。
名著。戦地からはほど遠い国債金融市場を舞台として繰り広げられたもう一つの熱い(されど極めて静かな)戦いに、読者の知的好奇心がぐらぐら揺さぶられること間違いなし。しっかりと20世紀初頭の国債金融がどのような状況にあったかまでも記述されていますので、読んでいて置いてけぼりを喰らうようなこともないかと。かなりの大著ですが、その厚みが120%意味を持つものですので、ぜひ手に取って読んでいただきたい作品です。
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[ 2013-06-19 ]
日露戦争と言えば坂の上の雲のイメージしか持ってない人は読んでおかないとダメといえるテーマ。
戦争といえば兵隊の話ばかりが目立つがお金がないと話は始まらない。近代戦は以前より格段にお金が重要になるのだが、当時の日本は生産力も資源も不足していたので外貨がなければ戦争どころか国家の維持すら困難。そんな日本政府(高橋是清)が金融面でどのように立ち回っていたのかを当時の資料や状況を調べて書かれている本でした。
特に当時の国際金融市場の変動から国際社会は日露戦争の行方をどのように見ていたのかを推察しているのは興味深かったです。
明らかに国力を越えた借り入れをしているのだが、それを公表してしまうと必要な借り入れが行えないので民衆の加熱を抑えることが出来なかったジレンマが和平交渉での失態とあいまってgdgdになる様などを思うと歴史をいろいろな視点から学ぶ必要性をあらためて感じる。
[ 2012-06-07 ]
高橋是清による日露戦争時の海外公債発行の模様について、当人の自叙伝や世の中に広まった「通説」によらず、複数の資料を基に、著者が真実と考えるところが書かれている。高橋の苦労話だけでなく、当時のファイナンスの中心であるロンドンやニューヨークの金融プレイヤーの実態なども分かりやすく紹介されていて、興味深い。
それにしても、国を運営するというのは大変だ。今よりもずっと非民主的だと思われる明治時代においても、正貨が足りないから悪条件でも起債しなければならないのに、新聞には条件が悪いと書かれ、だからといって、資金不足の実態をさらけ出せば、ますます資金が集まらなくなって条件が悪化したり、戦争を止められなかったりする。そんな国民の不満を浴びながら、国の置かれた条件の下でベストを尽くすという明治の男は、高橋にしろ、小村寿太郎にしろ、みんな偉いなと改めて思う。
また、本書のメインではないが、あの児玉源太郎が、満州に関しては満鉄を使った植民地経営を志向し、「国民の血を流して獲得した」との理由で欧米資本を排除して、後の戦争の遠因を作ったという著者の指摘も、中々興味深く、人物に対する色々な評価があり得ることを思い知らされた。
高橋是清の自伝など、読みたくなる本が増えるという点でも、読んでよかった一冊。
[ 2012-05-31 ]
日露戦争を資金調達という視点から見た本。
国際利回りという視点からみた当時の日露に対する評価や、資金調達を行った高橋是清のリレーションの範囲・深さ等、興味深い内容だった。
当時の国債発行市場や主要な投資銀行の情報なども楽しめた。
現代の日本への教訓にも富んだ本であると思う。
筆者があげている教訓としては以下の3つである。
1.公債の発行は増税の先送りでしかない。
2.市場へのアクセス、流通市場でなく発行市場へのアクセスは別個であるということ。
3.インベスター・リレーションの重要性、投資先・調達先の分散によるリスク回避が重要であるということ。
[ 2014-09-13 ]
高橋是清自伝によると日露戦争開戦前の戦費の見積もりは4億5千万円だった。戦前の1903年の一般会計歳出は2億5千万円程度、当時の銀行預金残高は7億6千万円ほどである。日露戦争臨時軍事費特別会計の決算額収入17億余りの内外国債で6億9千万、内国債で4億3千万を調達している。金本位制度を守ることは外国で公債発行をするための必須条件であり、例え内国債の発効であっても裏付けとなる準備金つまり金かあるいは金と等価とされるポンドを持ってなければならない。日清戦争を例にとると戦費の1/3が外国に流出しているので同じ比率だと当初の見込みでも1億5千万が流出する。当時の日銀所有正貨は1億1700万円で開戦時に正貨として持てる余力は5200万従って流出分の不足1億円だけではなく準備金も必要になる。政府は開戦前にポンド建て外債2千万ポンド(2億円)の募集枠を閣議決定し、高橋をロンドンに派遣した。
1900年の国力の比較では人口、GDP、日露戦争当初予算のいずれもロシアは日本の3倍程度で、一人当たりGDPではほぼ並んでいた。日露戦争に関わる諸国の実質GDP/一人当たりGDP(億$)はアメリカ3125/40、イギリス1849/45、ドイツ1623/30、フランス1167/29、ロシア1540/12、日本520/12、中国2182/5であり、ロシアとフランスが同盟関係でイギリスとドイツはロシアを警戒、日英同盟はあるが日露戦争に対してはイギリスは中立、アメリカと日本も当時は比較的良好な関係で英米は微妙だ。清朝の弱体化でロシアは沿海州を取得し、不凍港の旅順を租借し東清鉄道と南満州鉄道の敷設権を手に入れ沿線都市を植民地化していった。日本がロシアの満州権益を認める代わりにロシアは日本の朝鮮半島の権益を認めるよう申し入れるがロシアは相手にせず、アメリカとイギリスは満州権益の門戸開放を求めていた。元々の日露戦争の目的からするとすでに勢力化に置いていた朝鮮半島の確保だったはすで、欲を出して満州鉄道をロシアに成り代わり支配しようとしたことが後の第二次大戦につながっていく。満州人からするとロシアも日本も欧米も迷惑なことには変わりないが清朝はもはや力を持たない。
ちなみに支出の裏付けでは陸軍が12億8300万円に対し海軍2億2500万円となっていて陸軍が進出するほど財政的には破綻が近づく。公債価格の動きは戦争継続で売り、短期講和で買いとなっていて日本の局地戦の勝利はあまり影響していない。ただしロシア公債価格は下がっていく。
高橋は第一回の公債発行に苦慮していたがそれを助けたのがクーン・ローブ商会のヤコブ・シフでユダヤ人を迫害するロシアに対しこれまでロシアのファイナンスに協力してきたが一向に改善されずならば日本に協力してロシアを弱体化させる方がましだと開戦前に日本の公債引き受けを密かに決めている。それでも開戦直前の日本公債発行が実施できるかは危ぶまれており、ジャンク債同様だったのでシフも慈善活動をするつもりはない。日本が有利になりそうならそこで恩を売るというのがシフの計算だった様だ。3月31日に高橋がロンドンに到着後一旦公債発行を諦めた高橋が4月22日にイギリスの銀行家カッセル卿配下のビートンに合い「もしも日本が、海戦同様陸上戦でも敵を打ち負かす決心なら、その時まで待った方がいい、ただし待ってる間にもチャンスには備えておるべきだが」と言う手記を残している。公債発行の目論見書準備には時間がかかる。そして24日に公債発行を決意し、26日に銀行団が6%、償還7年、1000万ポンドの部分発行という案を提出しよく27日に政府に打電した。4月30日に鴨緑江の戦いに日本軍が勝ち、政府からは5月2日に条件改善要求が届く。そして3日に晩餐会で高橋はシフに引き合わされた。クーン・ローブ商会の公債参加表明が翌4日なので、シフからすれば鴨緑江の勝利でようやく参加条件に見合う物になったと言える。
日本の公債利回りは3/31の6.43%からこの勝利で5%台にやや下がったがそれでもロシア公債の4.3%に対して1%以上のスプレッドがついており6/16に一旦0.76%と縮めたが203高地攻略に失敗した10月中旬には1.34%にまで拡がり、旅順要塞攻略に成功した12月末でもまだ0.74%ついている。スプレッドをオッズに例えるとロシアの人気の方がまだ高く、欧米投資家にとっての日本はハイリスク商品のままだった。
ロシアが売られるきっかけはバルチック艦隊がイギリス近くの北海でにわとり艦隊というイギリスの漁船団を砲撃したハル事件から、日本の幻の水雷艇におびえ戦艦アリョールだけで500発の砲弾を発射し漁船1隻を撃沈し5艘が中破で2名が死亡し6名が負傷した。またこの時誤爆により巡洋艦2隻が被弾し1名が死亡し、数名の負傷者を出している。ついでニコライ二世がデモ隊を武力鎮圧した血の日曜日事件でさらに売られ3月にはとうとうスプレッドがなくなった。3/10の奉天会戦に勝った後も日本国債は売られ投資家の興味はいつ講和するかに移っている。バルチック艦隊は10/15に出航してからわざわざ近海運行用で船足の遅い艦船を随伴させ、マダガスカルで2ヶ月カムラン湾でも3週間停泊し5月末の日本海海戦に現れた。艦隊行動をとるにも遅い艦に合わせることになり敵前回頭がなくてもバルチック艦隊に勝ち目は薄かった様だ。
ポーツマス講和については「歴史を変えた外交交渉」に詳しく描かれておりロシアのウィッテの見事な交渉と小村寿太郎の決断で賠償金請求と占領していた樺太の北半分を放棄したが戦争の当初目標は全て達成している。しかし旅順攻略の犠牲と多額の戦費をかけたことが満州鉄道で元を取るという発想につながってしまう。高橋はアメリカの鉄道王ハリマンを満州鉄道の経営に引き込むつもりだったが果たされず、ハリマンの娘婿ウィラード・ストレイトが働きかけ桂・タフト密約(アメリカが朝鮮権益を認める代わりに日本はフィリピンには手を出さない)は事実上反古にされる。ポーツマス講和を主導したローズヴェルト大統領はパナマ運河完成までは太平洋で日本を事を構えるつもりはなく満州の門戸開放がされていればまた違った歴史になっていたかも知れない。この辺りは「日米衝突の萌芽」に詳しく描かれている。
後のデフレ退治でリフレ派がモデルとして讃える高橋是清だが日露戦争当時は財政均衡を重視している。緊急時には禁じ手も辞さないでモラトリアムや金本位制からの脱退もやったがリフレ策の後は軍事費の削減に動いたのが原因で暗殺されてしまった。日露戦争後の軍事費と国債費は一般会計歳出のそれぞれ30%で6割が固定されている。平成22年の国債費は約21兆円、社会保障費が約27兆と一般会計92兆の半分を占める。それでも日露戦争後の政府債務のGDP比率は60%ほどと1995年くらいの水準で第一次大戦の輸出ブームで解決した。第二次大戦後のGDP比率は350%を超えたがこれは厳しいインフレによって解消された。2014年の対GDP比は230%を超えた。これを日本国民の貯金だという人がいるがどうだろう?
[ 2013-10-27 ]
日露戦争の際の資金調達に関して、当時日銀副総裁であった高橋是清とそれに随行した深井英五の活躍は多くの人が知るところだが、『是清自伝』などの記述には曖昧で不明な部分も多い。とくに高橋とユダヤ人資本家ヤコブ・シフとの関係はよくわかっていなかった。
本書は先行研究に依拠しながらも、シフをはじめとする欧米のバンカー達の立ち位置や考え方にも多く言及し、当時の国際的金融市場の中でこの日露戦費調達がどのような形でおこなわれたのか、またそれが日本にとってどのような意味を持ったのかを丁寧に、かつスリリングに叙述している。複雑でわかりにくい部分も図表を多用しながら解説しているので、初心者にもとっつきやすいのではないだろうか。
今さらながらオススメである。
[ 2013-08-24 ]
130824 中央図書館
明治時代には、国際社会で堂々と渡り合える見識・胆力と責任感を持つ人材が多士済済であったことがわかる。
また、現在の国債残高積み上がりは、日露戦争のときの借金レベルに匹敵しているという指摘も重要である。近い将来には外債によって国の運営費用を賄わなければならないかもしれない。しかし我が国には、世界のリスクを管理し、利用し、それでいて国益を損なわないだけのスキルとパワーがありえるのだろうか。国内のトラブルでさえ右往左往しているのに。国際的なことにもっと目を向ける国民的教育が必須だろう。現政権の方向性はかならずしもそうでなく、経済以外の意識レベルは狭い日本に閉じ込める少国民を育成するというマインドばかり勝っているような気がする。
[ 2015-08-13 ]
日露戦争の資金調達に関して、初めて知ることができた。
高橋是清の活躍を恥ずかしながら知りもしなかった。
戦争には莫大な資金が必要で、その資金は自国では、
全くと言っていいほどにまかないきれない。
そこで、サポートしたのが、他国ではなく、一個人であるから驚きであった。
歴史を学ぶごとに日本人の偉人を知ることができる。
また、外交に魅力を感じるのであった。
[ 2016-12-26 ]
近代の戦争は軍事力だけで決まるものではない。
戦争にはお金がかかり、その資金は市場から集める。
国の信用が国債の値段を決め、資金調達の成否を決め、最終的に戦争の勝敗を決める。
グローバル経済の時代、高橋是清の凄さを再認識します。
(総合経営学科 室谷先生)
[ 2013-01-12 ]
日露戦争における外債発行の裏側、高橋是清の役割など、これまでと違った視点で分析している。クーンローブ商会とシフ。モルガン、ロスチャイルドの役割、当時の国際関係が垣間見ええる。良書。
[ 2012-12-31 ]
大掃除の合間になんとか読み終わった。
日露戦争時、日本は大幅に足りない戦費を外債によって賄ったわけだが、この本では、そのいきさつを詳細に描いている。日露戦争といえば、奉天会戦や日本海海戦が思い浮かぶが、本書では、派手なドンパチの描写は一切ない。
全編を通じて印象深いのは、100年前の国際金融市場が、現代から見ても違和感ないほど高度に発達しているということと、その市場で、高橋是清が驚くべきセンスを発揮し、資金調達を成し遂げたこと。また、実はロシアも資金調達に悩み、ギリギリの線で戦争をしていた事実は、僕の従来の日露戦争感に修正を与えてくれる。
それにしても、涙ぐましいまでの繊細さで世界に相対していた日本が、わずか40年後に対米戦争で破滅してしまうとは。司馬遼太郎が述べていたように「信じがたいこと」だ。
ちなみに大掃除はまだ終わっていない。
[ 2015-10-21 ]
最近読んだ「東京帝大叡古教授」にも、日露戦争は出てくるけれど、国内のそのような反発の裏側には、このようなドラマがあったとは。
また、最後に語られる満鉄の経営についても、歴史のifを強く思う。
[ 2014-01-03 ]
この本は、日露戦争というテーマを軸に展開している点で、日本と列強各国の歴史が結びついて理解できる。
また資金調達が話のメインであることから、1900年代における日本の金融市場がどのような雰囲気であったかも垣間見ることができる。
当時の日本国債は、内国発行と同時に、海外発行(ポンド建て)も主力な資金調達手段だった。日露戦争時における海外発行を通じて、国際金融市場へのアクセスの礎を築く。
また根回しの大切さを学ぶこともできる一品。
[ 2012-05-04 ]
個人的に日露戦争にまつわる日本の動きに関する本を多く読んできた。その多くは歴史や世相に関するものだが、この本は「資金調達」に焦点を合わせた本であるが、逆に歴史の解釈に新たな切り口を垣間見せてくれたという点で優れた論考だと思う。私が「日露戦争」に惹かれるには、今の日本において決定的にかけている「資本政策、資金調達、外交戦略、パワーバランス、そしてそれらを背景とした軍事戦略・戦術」が、明治維新後わずか30年余りの間に高度に成立させた当時の日本の成長に、素朴に驚嘆しているからである。この歴史から学べることは、まだまだ、ある。
[ 2015-01-24 ]
久しぶりに読み応えのある本に出会えた。「日露戦争」といえば、司馬遼太郎の「坂の上の雲」が国民文学として有名で、その批判的本も数多く出版されているが、日露戦争の歴史的経緯や当時の政治情勢の推移をも詳細に扱っている点ではなんといっても「司馬遼本」は抜きん出ている。
本書は、その戦争の「資金調達」というもうひとつの戦いに焦点を絞っている点が実に面白く興味深い。
また「高橋是清」については、何冊もの本がでているが、「日露戦争時の活躍」に焦点を絞って取り上げた本は他に見当たらないのではないか。
「戦争」に必要な「補給」と「兵站」一つ取り上げても「資金」がなければ何一つできないことはわかるが「国家的資金供給」という別次元のジャンルをわかりやすく、しかも日露戦争の経緯と共に取り上げて詳細に解説している本書は高く評価できるのではないか。
このような本があるから、読書はやめられない。実に楽しいひと時を過ごすことができた、
[ 2013-05-12 ]
高橋是清が日露戦争時にそのような働きをしたということを本書で初めて知った。
手元にあった山川の日本史教科書(詳説日本史)では、高橋是清の名前は原首相刺殺後のp.301「立憲政友会の高橋是清は後継内閣を組織したが短命に終わり、」と二・二六事件のp.327「斎藤実内大臣・高橋是清蔵相・渡辺錠太郎教育総監らを殺害し、」の二箇所のみであり、日露戦争p.272-273の項では触れられていない。
当時の世界情勢、金融の様相、日露戦争の経緯を知れるのみならず、近代社会の成立を捉える上で金融を知ることが肝要であり、金融史を知ることで動的な世界の歴史がわかるということを実感させた一冊だった。
[ 2019-02-01 ]
戦争するのにも先立つ金がいる。
国家同士が素手で殴りあうわけではないので当たり前な話なのだが、得てして忘れがちな事実、もしくは不当に無視されている視点ともいえます。
日露戦争の勝利は、まさに薄氷の勝利であり、勝利の影の立役者は困難とされた資金調達を可能にした2人の優秀な人材がいたからという内容は、知的興奮を味わえます。
昔の戦争は、勝てば超大国同士の話合いで賠償金や植民地がもらえ、戦争自体が国威発揚のビジネスそのものだったことが再確認できます。
現在では、経済戦争が主流ですが、いざとなれば軍事介入や開戦も辞さないわけで、そのためにもお金(国力や富)が不可欠です。
では、経済力の弱い国は大国の言いなりにならざるを得ないのか?
半分イエスですが、例外として北朝鮮のように一度核兵器を手にしてしまうと、とても効率よく軍事大国に早変わりできるという現実は注意する必要があります。
こうした核拡散の抜け駆けが当たり前になれば、軍事均衡という砂上の平和はもろくも崩れてしまいます。
軍事力の増強によって平和を維持するということ自体に既に自己矛盾を抱えているわけですが・・
我々は日本国憲法で謳われるような善良な市民や国家ばかりではないという悲しい現実と嫌でも向き合わなければなりません。
板谷氏の文章力もあり、本書は掘り出し物です
● 今頃、遅いんと違う?言ったら悪いけど、「才能のある人は・早めに出る」可能性あるので、さっさと受け入れた方が好いんでは?=Win-Winの関係?
● 逆に遅いと「 lose-lose(ルーズルーズ)」の関係?
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★ 鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年4月26日号) *動画:自衛隊にシェルターを完備せよ!
2022-04-26 20:21:47
https://blog.goo.ne.jp/ja10ayja10ay/e/40f62e1f76295182b2cfb0d3d199eaec
https://6626.teacup.com/vfj6/bbs/7501
★ノボロシア建国がウクライナでの露の目標?
https://blog.goo.ne.jp/ja10ayja10ay/e/bb58b2c7c3a96195f74e60bef489500a