◆「汁かけ御飯」【付録】
「臨時・沖縄語講座」
沖縄語のジューシーhttp://cookpad.com/mykitchen/recipe/272441/は「雑炊」という漢字を当てれば説明不要だが、沖縄のジューシーは一言解説がいる。
雑炊は、米飯に肉類、魚介類、キノコ類や野菜を加えて、醤油や味噌などの調味料とともに再度炊き上げたもの。また、鍋物の残り汁に米飯を加えて煮たもの。
これから連想されるものは水分の多い味つきお粥に具が入った水っぽいもの。
ところが沖縄のジューシーは汁物に残り御飯を入れて煮たものではない。
通常は米から炊き上げる炊き込みご飯のようなものである。
水っぽいジューシーのことは「じょろじょろじゅーしー」というがこれはあまり一般的ではない。
じょろじょろには深い意味は無く水っぽい形状をを音で表している。
通常の炊き込みご飯風のジューシーは「くふぁじゅーしー」という。
「くふぁ」とは「おこわ」の「硬い飯」や「こわい髪」で自明の通り「硬い」という沖縄語。
だが通常は「ジューシー」といえば「硬めの雑炊」のことをさす。
苦いゴーヤーは沖縄料理の材料としてすっかり定着したが、同じく苦味が好まれる「フーチバー・ジューシー」は意外と知られていない。
「フーチバー」はヨモギの沖縄語ので沖縄料理では沖縄そばの具やヤギ肉の臭み消しとして用いられるが、特に雑炊に入れた「ふーちばーじゅーしー」が代表的な調理法である。
さて、「フーチバー」だが、これはどこにそのルーツを辿れるのか。
沖縄では語源の不明な言葉を中国か、東南アジアに求める傾向がある。
中には説得力のある例もあるが「フーチバー」のバーは日本語の葉が連想される。
でもフーチは中国語なのか。
フーチバーは沖縄得意のチャンプルー文化の結果なのか。
答えは意外と簡単に見つかった。
「フーチバー」は長崎弁など九州方言に見られる「フツ」、「フツッパ(フツの葉の意)」と同根であると考えられる。
結局、ふーちばーは九州の方言のふーち葉に由来していることが分る。
「ふーちばーじゅーしー」にかつおだし系のさっぱり汁(沖縄そば汁)をかけて食すると旨い。
◆全国方言辞典
「ふつ よもぎ。蓬。九州(日葡辞書)・筑後久留米(はまおき)・薩摩(重訂本草)・九州」。
宮崎県方言辞典「ふつ・ふうつ・ふっ 」⇒「よもぎ」。
長崎方言集「フッモチ」⇒「よもぎ餅」。
壱岐島方言集「フツ 」⇒「よもぎ。艾」。
鹿児島方言辞典「フツ 」⇒「ヨモギ」
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