【ワシントン共同=河内俊英、高木良平】日本と米国、オーストラリア、インドの協力枠組み「クアッド」が24日にワシントンで開く首脳会合の共同声明原案が22日、判明した。

 中国公船による接近が続く沖縄県・尖閣諸島が位置する東シナ海や、南シナ海の一方的な現状変更の試みに「反対」し、中国をけん制。クアッドがインド太平洋地域の平和や安定の力になると強調した。複数の関係者が明らかにした。

 また、日本政府関係者によると、気候変動を安全保障上の課題として盛り込み、温室効果ガス排出削減に向けて努力すると明記する。

 バイデン米大統領は21日の国連総会一般討論演説で「唯一の競争相手」とする中国をにらんでクアッド重視の姿勢を強調。一方「新冷戦は望んでいない」とし、気候変動や新型コロナウイルス対策など「共通の課題を平和的に解決しようとする国とは協力する」と述べた。バイデン政権は、オーストラリア、英国との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」も創設し、多層的に対中政策を進める。

(写図説明)クアッドの共同声明原案ポイント