「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

8月期の「DIGセミナー」はダブルヘッダーで実施(その1)

2015-08-01 23:50:25 | DIG
8月期の2つのDIGセミナー、
「ふじのくにDIGセミナー」(於:静岡県地震防災センター)と「富士市DIGセミナー」(於:常葉大学富士キャンパス)は、
前者は例会の会場である地震防災センターの都合で、後者はお盆にぶつかることを避け、
いつもの第2、第3土曜日ではなく、8月最初の週末に連続で行う事になった。

初日(?)の今日は、「富士市DIGセミナー」の8月期開催分。
いつもの本学2101教室で、市内7地区から約50名の参加を得て、にぎやかに行うことが出来た。

有り難いことに、富士市防災危機管理課からは、担当の3名のみならず、
担当の一人Sさんが、同期入庁組や同僚・後輩達にも声をかけてくれたようで、
比較的若手の市役所職員が何人か混じり、さらに、看護師数名も参加して下さっていた。
こういう、多くの職種が入り混じってのセミナーこそ、あるべき姿、と思っている。
7つのテーブルには、それぞれ1名以上、地域防災指導員の方々がついて下さった。
指導員の多くは何度もDIGセミナーに参加して下さっており、
地震防災DIGの流れも、ファシリテーションのポイントも、理解して下さっている。
というので、どこに出しても恥ずかしくない、充実したセミナーになった。

市民向け地震防災DIGで追求すべきポイントは、基本線は変わらない。
(なお今回は、以下で述べる3の位置づけを少し大きくした。)

1 震度6強の揺れのイメージを持たせる中で、災害対応時に自分が果たすべき役割を確認させる。
併せて、その役割を果たすために必要な予防策と事前準備を洗い出させる。

2 地域の地図(1/1500図程度。A0版で横1km×縦1.5km程度)の地図に取り組ませ、
地域のリスク要因と地域の強み&人的物的防災資源の確認をさせる。
その際、地域で覚悟しておくべき被害量について、旧耐震基準時代に建てられた日本家屋
(いわゆる既存不適格の木造住宅)の数を手がかりに見積もりをさせる。

3 1/20万地勢図を用いて、覚悟しておくべき南海トラフ地震(旧称東海・東南海・南海地震)の
被災範囲について、面的な被害イメージを持たせる。
(注:「旅の坊主」の防災論議では、原則的にレベル2の議論はしない。)

4 2と3、つまりマクロな災害理解とミクロな災害理解を踏まえた上で、
①地域で覚悟しておくべき被害量、②地域の強みと弱み、③地域が取り組むべき課題、
④地域の方々へのメッセージ(予防・対応・復旧復興の3つに分けて)、を模造紙に整理させる。

地域防災指導員の方々が、回数を重ねていく中で、勘所を押さえて行ってくれている。
さすがは、富士市の防災仲間、と思うところ。
このような場に多くの参加者・見学者が来てくれることで、
DIGを介した正しい防災の物語の語り部を増やしていければ、と思うのみ。

「継続は力なり」ではあるが、平行して、世の中で当たり前に活用されているレベルまでは、
HP等をしっかり充実させなくては、である。
それはこの夏休み期間中に、ということになりそう。


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