「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「第1回富士市DIGセミナー」盛況のうちに終えることが出来ました

2015-06-20 23:13:19 | DIG
静岡県地震防災センターでの「ふじのくにDIGセミナー」に遅れること3年。
富士市でのDIGセミナーの月例開催をスタートさせることが出来た。
第1回の今日は、70名近い方が参加して下さった。

一般の市民向けプログラムとしては、午前3時間午後3時間の合計6時間というのは、
やはり、相当の長丁場なのだろう、とは思っている。
参加者の方々を飽きさせるようなプログラムではない自負はあるが、
それでも、1日プログラムと聞けば、二の足を踏むのが現実ではあろう。

その意味では、6時間プログラムをしっかり受け止めてくれる方が普通にいるという意味で、
富士市民の「防災リテラシー」はかなり高いところにあるのだろう、と思っている。

2013年9月の静岡県&富士市・富士宮市合同防災訓練の際、
400人規模でのDIGを行うことが出来た。
その際、「市民向け地震防災DIGの4つの柱」というアイディアを得ることが出来たのだが、
今回の6時間コースも、この4本柱を中心に、作業を進めてもらった。

拙ブログにおなじみの方には、「またこの話か?」と思われるかもしれないが、
4本柱とは、以下の4つのこと。

1 震度6強ないし震度7の揺れを「正しく」イメージすること
2 地域で覚悟しておくべき被害を「正しく」見積もること
3 地震防災の観点から、地域の強み弱みを「正しく」分析することで
4 地域の将来に向け、「正しい」防災ビジョン(あるいは提言・対策)を発信すること

この4本柱が、地域防災を語る人々の間で当たり前に共有されるようになれば、
日本の地震防災論議を大きくレベルアップさせることが出来るのではないか、と思っている。

「富士市DIGセミナー」の大きな課題は、これから先、このプログラムを、
市内26地区にどうやって「横展開させるか」、ということ。

各地区にある「まちづくりセンター」を2年余で一回りするというようなプログラムの開催を、
地区の方々が望んで受け入れてくれればよいのだが、それにしても6時間というハードルは高い。
しっかり語り、かつ、参加して下さった方々からそれなりのものを引き出すには、
どうしてもそれなりの時間がかかってしまうものではあるのだが……。

今後、地域だけでなく、消防団や建築士会、ボランティア・コーディネーター等々、
防災に関係するグループを対象とするDIGセミナーも開催していくことになるだろう。
それらの中で、「時間はかかるが、しっかり学ぶことが出来た」という評価をもらえるような、
そのような活動をしっかり展開させていかなくては、と、改めて思う。

終了後の懇親会には学生2名を含めて7名の方が参加して下さった。
「旅の坊主」を含めて8名での飲み会。久しぶりに「丸天」でお酒をいただく。
心地よい酔いと疲労感であった。


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