「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

大型影絵芝居「スバエク・トム」とティー・チアン一座のこと(その1)

2015-09-06 23:53:50 | 日常の一コマ
前にも述べたが、今回のシェムリアップへの旅は、「旅の坊主」にしては大変珍しい旅だった。

過去3回実施できたものの、今年度は参加者ゼロで成立しなかった(もちろん来年度は何とか復活させたいと思っている)
学生とのスタディーツアーに向けた事前調査が旅の主目的ではあるが、
防災・危機管理とは直接の関わり合い話。
また、いつもは自由旅行で、足も宿もその日その日の行動も自分で決めるのが常だが、
今回はテーマ性の大変強い企画旅行への参加となった、ということ。

コーディネーターを務めて下さっている福富友子先生、添乗員のピース・イン・ツアーの佐々木愛さん、
これに対してツアー参加者が「旅の坊主」を含めて4名なのだから、
企画としてペイしているのか、と、大いに気になるところではあるのだが、それはそれとして。

標題は、福富先生による、今回のツアーの資料の標題。
A3両面印刷(A4版二つ折り)×2枚なのだから、決して大部という量ではないのだが、
大変コンパクトにまとめられた、資料作りはかくあらねばならないという見本のようなもの。
(「旅の坊主」の仕事も、これくらい資料作りを熱心に行えば、多少は変わるだろうか……。)

大きい物では縦1.5m×横1mほどある牛の皮で作った「人形」。
(影絵用のものも人形という表現でよいのだろうか……)
皮を打ち抜き(⇒皮を線状に残して輪郭線にするなど)、あるいは1mmほどの小さい丸を連続で/間隔を空けて打ち抜くことで模様を描き、
それに持ち手となる竹の棒をくくりつけたもの、これが「スバエク・トム」(大きな皮の意味)なのだそうな。
つまりは「スバエク・トム」とは、影絵芝居の名前でもあるが、それに使われている人形の名前でもある。

今日は終日、この「スバエク・トム」三昧だったのであるが、これがまぁ、なかなか出来ない体験でありました。

演目はただ一つ、南アジア・東南アジアには広く伝わっている「ラーマーヤナ」のカンボジア版
「リアムケー(リアム王子の栄誉)」。
この一つだけというのに、「あれっ?」「他の演目は?」と思った訳だが、、
これが何幕も何幕もあるもので、1日4時間×一週間とか、やれる中身なのだそうな。

練習場は、シェムリアップ市内にある、KDDI財団からの資金援助で建てられたもの。
KDDIがそういう活動をしているとは知らなかったが、味のある金の使い方をしているではないか!

影絵(あるいは人形劇)と聞くと、演じ手(人形を操作する者)は下に(あるいは上に)隠れ、
光源を背に、人形だけがスクリーンに映し出されるようにする、のが本流だと思い込んでいた。
ところが、スバエク・トムは違う。
縦4m、横10mほどのスクリーンが用いられる訳だが、
照明(光源と呼ぶべきかな?)にたき火を使うのは「ほぉ、なるほど」であるとして、
たき火とスクリーンの間で演じ手が人形を操るのみならず、
人形を持ったままスクリーンの客席側にも表れ、演技(?)をするのだった。
さらに観客も、スクリーンの前に座っているだけでなく、
スクリーンの後ろ側(光源側)に回り込み、たき火を見つつ、演じ手の動きも見つつ、というのが
許されている人形劇なのだそうな。

うーん……、どうも長くなるなぁ……。
一度この辺りで切って、仕切り直しをすることにします。


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