「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

NHKの「防災の日」特別番組にも、にこチャンあり困ったチャンあり、か

2012-09-01 23:29:09 | 災害
9月1日、防災の日。
幸いにも仕事のない土曜日、夕方まで仕事場で雑事。

翌早朝からの静岡県総合防災訓練(於:富士山静岡空港)に備え、
夕方から愛車プラドで、東名経由、吉田IC近くのホテルへ移動。
途中、静岡ICで降りて、盟友、パシフィック・コンサルタンツのYさんと合流、
静鉄日吉町駅近くの、いかにもの洋食屋「キッチンうち山」にて夕食。

結局この日は、NHKの防災番組を3本見ることになった。

率直に言って、「釜石の“奇跡” いのちを守る特別授業」
これはひどかった。少なくても、玄人受けするものではなかった。

http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/0901/index.html#hosogo

http://www.nhk.or.jp/special/eyes/13/index.html

「避難で命は守れるかもしれない。
しかし、避難で人生は守れない。まちも救えない。」

この番組を見て、この厳然たる事実を改めて確認した。

片田先生は、口癖のように、
「10年経ったら大人になる。20年経ったら親になる。」
そう言っておられたはず。
であれば、この番組の中で、
「大人になったら、何ができるおとなになるか。」
それを問うて欲しかった。

番組の中に、
避難しようとしない祖父母を必死になって説得しているシーンが出てきた。
静岡の地震・津波防災を考える上では、そんな時間的余裕はない。
そもそも、東日本大震災では、「ダブルパンチ」、
つまりは、「家がつぶれるような揺れの直後の津波」はなかった。
見ている人に、
揺れが収まってから津波の襲来まで(避難の是非を議論するくらいの)時間的余裕がある、
と思わせてしまいかねない「メタ情報」もあった。
静岡で防災教育をやっている身としては、勘弁してくれ、であったが……。

12月、例の高知県黒潮町でワークショップを行う。
メインテーマは、
「執行猶予の25年をどう使い、災害に強い黒潮町へと変えていくか」
にするつもりである。
子どもたちには、「避難で人生は守れない。まちも救えない。」ということを
徹底的に教え込みたい。

「でも、大きな地震は今すぐ来る訳ではない。
平均すれば20年以上の時間の余裕がある。
だから、その時間をかけて、地震と津波に耐えられるまちに変えて行こう。
そのためのアイディアを、これから一緒に議論しよう。
そして、大人になったら、それを形にしてほしい。」

そんな話をしたいと思っている。

長くなった。
他の2つの番組については、稿を改めて。

(9月13日 さかのぼって記す)


2 コメント

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黒潮町の子ども達に間違った刷り込みは止めてください (片田敏孝)
2015-02-15 12:31:00
避難で人生は守れない。街も守れない。などと言った刷り込みは止めてください。
議論の必要、反論があれば、直接コンタクトして下さい。
次の津波に20年の時間的猶予がある? (片田敏孝)
2015-02-17 18:53:20
小村さん、以下の記述は良くないですね。こんな間違ったことを公に言っているのですか? 根拠のないことを言うのはやめて下さい。お願いします。
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「でも、大きな地震は今すぐ来る訳ではない。
平均すれば20年以上の時間の余裕がある。
だから、その時間をかけて、地震と津波に耐えられるまちに変えて行こう。
そのためのアイディアを、これから一緒に議論しよう。
そして、大人になったら、それを形にしてほしい。」

そんな話をしたいと思っている。

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