「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

沖縄戦 慰霊の日に

2011-06-23 23:51:31 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
中米時間 2011年6月23日(木) 

日本時間では昨日の話になるが、
この日6月23日は、
亡き昭和天皇が「忘れてはならない日」と言っていたという、
3つの日付の一つ、沖縄戦の慰霊の日。

「沖縄県民斯ク戦ヘリ
県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」

大田實海軍中将の決別電といって、ピンとくる者は、
本学の学生クンの中には、残念ながら一人もいるまい。

(そう思ってしまう自分が悲しく、そして多分事実であろうことは、
もっと悲しむべきであろうが……。)

『沖縄県民斯ク戦ヘリ:大田實海軍中将一家の昭和史』を
光人社NF文庫版で読んだのは、何年前のことだったか。

長男は広島で平和教育の第一人者となり、
三男は自衛隊による国際貢献のさきがけとなる。
一家の歴史がそのまま昭和史の一コマとなるような一家も、
そうはあるまい。

大田中将が長柄町、旧制千葉中学出身ということもあり、
千葉県民の一人としては、その生き様を覚えておきたい、
いつかは、摩文仁の丘に行き、平和の礎(いしじ)に行ってみたい、
そんなことを思っているが……。

それはさておき。

今回の2泊3日のコスタリカ行きも最終日。
8時半にホテルをチェックアウト、まずは国内に4つある国立大学の一つ、
UNED(国立通信教育大学)の付属施設、
直訳すれば「地域開発と地方自治体振興・能力開発のための研究所」へ。
(実のところ、UNEDのどこに連れて行かれるかまでは聞かされていなかった。
結果的にはベストの場所に連れて行ってくれたようで、本当に何よりであったが。)

コスタリカでBOSAI活動を展開させるにあたり、
CNE(国家災害緊急事態委員会)にがんばってもらうのは当然として、
これから先、力を入れるべきは、やはり国内に81+αある市の存在。
彼らがDIGのノウハウを身に着けてくれるならば、
土地利用について、また、住民向け教育について、
何かを変えることも期待できるだろう。

そのためにも、
自治体職員向けの教育もやっているというUNEDと、
一緒に活動が出来ればナンボ、という話。

先方としては、「旅の坊主」の見極め、という話もあるのだろう、
まずは7月15日(金)に2時間ほどの講義をすることで話がまとまる。
ここから先、どこまで面白くできるかは、こちらの腕次第、しゃべり次第、か。

一旦、JICA事務所に戻り、今後の活動予定の整理、昼食などの後
現地コーディネーターDさん、事務所のSさんと共にCNEへ。

いろいろと欠点もあるが、何だかんだ言ってもモノを考えているD氏との話は、
やはり楽しいし、刺激的でもある。そして話が決まるのも早い。
向こう3ヶ月、帰国までのコスタリカでの活動予定がほぼ固まる。

(比較してはいけないのだろうが、
パナマやホンジュラスでこういかないのはなぜなのだろうと、
考えざるを得ない……。)

予定は15時からだったが、20分ほど押して、
新任のナンバー2に挨拶が出来た。
サンサルバドルに戻る飛行機の時間の関係で、
十分な話は出来なかったが、
事情を知っているメンバーが同席していてくれたから、
あとのフォローはしてもらえるだろう。

駆け足だったものの、多くの手応えを感じることができ、
まずまずの出張であった。
自分へのご褒美に、ネルの袋で入れるコーヒーのセットを買う。
手入れが大変なことは十分理解しているが、
気分転換にはそれも良かろう。

空港には、ドライバーのMさんが待っていてくれた。
特に渋滞もなく、20時前には自宅に戻れた。
外に出ることも考えたが、結局、あり合わせでの夕食、
その後メールなど。

                        (中米時間6月25日夜 遡って記す)


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