「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

四国の4国立大学の学生諸君に、「旅の坊主」流の防災の物語を届けることは出来るだろうか

2015-07-10 23:50:20 | 地域防災
明日は本年度7月期の「ふじのくにDIGセミナー」。
静岡県地震防災センターという会場は拝借するものの、いわば自主開催のようなもの。
動員を仕掛ける時間もなく、ごく少人数での開催になりそう。
これもまた、己の力の無さゆえ。時間の使い方を工夫し、情報発信のために何をすればよいのか、
しっかりと考えていかなくては、である。

それはそれとして。

学外研修日の今日は、昼過ぎから東京・麹町にてブレスト。
テーマは、ここ数年来お手伝いをしている、国土交通省四国地方整備局のプロジェクト、
南海トラフ巨大地震を想定したDIGファシリテーター養成講座のあり方について。

こんなことをやりたい、というのが、4点ほどまとまってきた。
その中で、具体化できるかどうかは次の課題として、挑戦する価値があると思ったのが、
四国内の4国立大学の学生諸君を対象とする、南海トラフ巨大地震を想定してのDIGのデモと、
そのノウハウとセンスを持った上でファシリテーターとして活躍してくれる学生の育成。

本当は、高校生を相手にセミナーを行いたい、とは思っている。
大学あるいは専門学校等の選択も含めて、将来の選択の幅が相当大きいのがこの時期。
かつ、この時期の数ヶ月ないし1年数ヶ月の時間、少し根を詰めれば、
そこから先の人生が大きく変わる可能性も秘めている。

この段階で、人生設計に巨大災害が起こる日を織り込んでおかなくてはならない、という、
この時代の宿命に気付くことが出来たならば(残念ながらこのことに気付くのは少数派ではあろうが)、
己が何をしなくてはならないか、考えてもらえる、とも思っている。

高校生に直接話をすることは厳しいかもしれないが、大学生をファシリテーターとして育て上げ、
彼ら彼女らが、大学の社会貢献の一環という意味も込めて、高校生向けに出前講座をしてくれるならば、
多少なりともその思いを伝えることも出来るだろう。

少子化・高齢化に泣き、過疎化に泣き、巨大災害が来る前にコミュニティが消滅してしまうことに危機感を持ち、
それゆえ、地方国立大学として、何らかの取り組みを行っている先生方はいるはず。
「旅の坊主」のように、防災・危機管理を前面に押し出すのではなく、
その種の、もっと現実的で目の前のことに取り組んでいる方々、かつ、お金を産むための仕組み作りを考えている方々に、
こちらからアプローチをかけ、先方の活動を尊重しつつも、巨大災害を踏まえたまちづくりの話も織り込んでくれませんか、
そんなアピールが出来ないものか、と、議論の中で思った。

今どきのまともな大学であれば、地域連携センターのようなものを持ち、
地域なり地域の高校なりとコラボしての活動は始めているはず。
であれば、このテーマは、そのような大学側・地域連携センター側のニーズとも合うと思う。

問題は、それをどうやって具体化していくか、という話だが、
こういう時には、四国地方整備局さんのお力を借りて、しかるべき方をご紹介していただく、というのが、
もっとも障害なく進められる方法なのではないか、と思っている。

具体化できるかどうかはわからない。ただ、今日の議論の中で、挑戦すべき大きな課題が一つ見つかったことは、
大変良き成果であった。こちらも頑張らねば、である。


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