「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

高知で、災害時の医療救護活動を考えるための、県&市町村職員向けDIGを行おう!

2015-01-27 23:08:17 | 駿河トラフ・南海トラフ巨大地震津波対策
旅の坊主、今日の昼から午後にかけて、高知県庁にてブレスト。

旧知の県庁危機管理部Sさん、高知市のYさんと高知市保健所のH先生、
さらにプロジェクトの事務局を担ってくださっている日本工営の宮宮コンビ、
四国南海トラフ地震対策戦略会議事務局の国交省四国地整局からお二方。

2月16日(月)、高知県職員&高知県下市町村職員を対象に行う予定の、
南海地震対策DIGについて、大きな方向性が固まる。

災害時の医療救護活動と聞くと、多くの方は医療人の世界、と思ってしまう。
しかし、その実、純然たる医療以外の部分で9割方は決まると言われている。
水の確保、電気の確保、ボランティアも含む人材の確保等々は当然のこととして、
医療資機材を被災地に送り込むアクセス路の啓開には建設業者さんの支援が不可欠だし、
そもそも論としては、怪我をしないことがすべてのはず。
(怪我をしても何とかなるような事態でないことは、十分理解してもらえていると思う……。)

どこまでリアルな被害イメージを持つことが出来るか。
また、どこまで、被害の連鎖をイメージすることが出来るか。
駿河トラフ・南海トラフの巨大地震・津波の場合は、
高知県のみが被災県になることは有り得ない訳で、
他にも取られてしまう分、外部からの支援活動の質も量も限られることは明白。
沿岸部は津波でやられ、四国山地を縦断するJR・高知道等も相当の被害が出るだろう。
そのような状況下、医療救護活動を展開させるために、
行政として、広くは非医療人はどのような活動をすべきか、そこを問いたい。

当然のことながら、結論としては、事後対応で何とかなるような話ではない、
ということになるはず。またならなければニセモノとなる。
とすれば……。

残り時間を使って、まずは医療機関や社会福祉施設、学校等々を安全な高台に動かし、
「安全で便利な高台」を作ることで、人々の住まいを安全で便利な場所に引っ張る、
それが、基本的な方向性であることは間違いない。
ただ、それをどうやって具体化していくのか……。

地盤沈下により、長期浸水することが確実視される高知市。
50を数える病院が、長期浸水リスクのある場所にあるという。
方向性は明白なるも、それをどうやって実現させるか。
課題は極めて大きく難しいものの、まずは、そのような「一般方向」を共有できる、
そのような人材育成を、というのが、次回の大きなテーマとなろう。

医療機関や社会福祉施設、学校や行政の高台移転が、
国交省の仕事の範疇か、と問われるならば、いささか疑問ではある。
だが、そこは、四国南海トラフ地震対策戦略会議の事務局としての四国地方整備局。
四国4県と国の出先機関のとりまとめをするのが彼らの仕事。

彼らと共に「この国のかたち」を考える仕事をする、
それが我々の生きがいでもあり、プロ意識でものだろうなぁ、と、
終了後、「ひろめ市場」で塩たたきと桂月をいただきつつ、
スタッフと語り合ったような次第。