「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

大学⇒裾野市・静岡県立裾野高校

2007-08-08 23:41:37 | Weblog
 8月8日

 今年度からスタートする静岡県教育委員会主催の「高校生
防災リーダー養成研修会」。県内ほぼすべての高校から
1名ないし2名の高校生に参加してもらい、地域防災について
考えてもらう1泊2日の合宿を行なおうというもの。県内を
4ブロックに分けて開催されるが、小村の担当は東部地区で
会場は県立裾野高校。他の3会場は「体を鍛える系」だが、
東部会場は「頭を鍛える」がキーコンセプト。

 開講式、アイス・ブレイキングの後、まずは研修その1。
 先日の新潟県中越沖地震の被災地で撮ったナマの写真を見せ
つつ、倒れた建物と倒れなかった建物、何が違うのかを考えて
もらう。テーマは「目利きになる!」約80名の高校生1、2
年生のうち、さて何人が、ポイントとなる4つないし5つの
要素を「見る目」を養ってくれただろうか……。

 さらに卓球台1つ半に関東以西の20万図を広げ、今後想定
される東海地震・東南海地震・南海地震という「地震三兄弟」の
被災イメージと、今回の中越沖地震の被害様相が、根本的に
異なることを示す。小村のワークショップを経験した人であれば
おなじみの光景。親指と人差し指で測れるような距離と、大人3人
が手を広げた距離。この差は歴然としているが、さて、高校生の
目にはどう映ったか。「外部からの救援活動はまず当てにしない
ほうがいい」というのは、彼ら彼女らには小さからぬショック
だったようだが。

 さらにさらに。こちらもおなじみの新旧地形図の比較による
地盤のチェック。揺れやすい所、揺れにくい所を自分自身で
確認させようというもの。自然地理を学んでいる者にとっては
初歩的な実習なのだろうが、地盤の違いで震度階が1つ2つ
違ってしまうということを、高校生レベルであれば常識にさせ
たいと、本当に思う……。

 ともあれ、ここまでで3時間余。途中休憩をはさんだものの、
いささか飛ばしすぎ、だったかな?

 夕食の炊き出しカレーを食べつつ、県立吉原高校新聞委員会の
男子生徒3人からインタビューを受ける。三人組としては5分
10分のつもりだったのかもしれないが、気が付いてみれば2時間
近く。彼らの集中力が良く途切れなかったもの。大したものである。

 就寝前は、静岡県東部地域防災局のIさんによる研修その2
「クロスロード」。やはり他の方がやる防災ワークショップは
勉強になる。PPTによる資料の作り込みなどはさすが。見習う
べきところ、多々ありであった。

 久しぶりに体育館の床に寝る。プライバシー確保のため(?)に
テントは持ってきたものの、さすがは裾野市。せっかくの夜風を
楽しまない手はない。というか、風が止まると暑くて眠れない。
ロールマットにシュラフあたりがちょうどよかった。

 (8月22日 バンダアチェにて記す)