夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

名にし負はば逢坂山のさねかづら

2015年12月07日 21時27分20秒 |  気になる詩、言葉


名にし負はば逢坂山のさねかづら 
   人に知られでくるよしもがな
        藤原定方(三条右大臣)

この前の記事、「昨今の岬はというと、、、」の冒頭で、百人一首の天智天皇の「秋の田のかりほのいほの苫をあらみ わが衣手は露にぬれつつ」を載せておりましたけど、こちらも同じ百人一首の句ですよね。

(恋人に)会える坂って名前の付いた山の実葛(さねに小寝、、、寝ようよって言葉をダブらせてるのね)だって、人に知られないように会いに行く術がないのね~~って嘆いているってのが普通の解釈なんですよね。
あの当時も、パパラッチがいて、週刊○○なんてのに写真を売っていたのかななんて、、、
でも、ちょっと心変わりして、別な子はなんて思い始めていて、会いに行かない言い訳の句なんてこと~~ないかな~

うん? 「行くすべ」って、詩では「来るよしもがな」になってるじゃん~~ですか? 
この詩、冒頭に「女につかはしける」とでてるんですよね。彼女に詩を送ったことになってる。だから、彼女の方からみて「くる」 定方からは「行く」になるんですよ。行くよしもがなにすれば面倒はないのに、なぜかってのは、「葛」と「繰る」は縁語だからどうしても「くる」を使いたかったんでしょうね。



それにしても羨まし。
「デートしてあげてもいいわよ」なんて思う人がどこをさがしてもいないおいちゃんとしては、羨ましすぎるじゃない。。。



昨今の岬はというと、、、秋? それとも冬  季節って? 秋の田のかりほのいほ

2015年12月07日 11時46分00秒 |  岬な日々


これが昨今の岬の散歩の途中の風景。
秋の風景なのでしょうか、それとも冬?
もちろん、田んぼに出ているのは、ヒコバエ(そのまた孫の孫)の稲穂。
刈り取られ、漉き込まれても、またまた芽を出してきて、この風景。

どうみても、秋の田の風景ですけど、冬なんですよね。。。。

秋の田のかりほのいほの苫をあらみ 
    わが衣手は露にぬれつつ
        天智天皇

御存じ、百人一首の一番目の詩ですよね。      


ちなみに、季節の区切り方としては、陰暦の10月から12月が冬。
これが和歌とか生活実感にあった区切り方だけど、これも、陰暦の10月1日から「冬だ~」ってするのと、立冬からスタートするのの二通りがありますよね。

それが、天気予報で冬っていうときには、新暦の12月1日からの3か月。
お役所では、4月が年度初めなので、1月から3月。

欧米では、冬至から春分までってのが普通じゃなかったかな。。。

となると、どれをとっても、今はまさに冬なんですよね~
でも、目の前の風景は秋、、、


なんて、どうでもいいことなんですけど。


ところでもう一つ、蛇の足
早場米の産地である岬では、稲の刈り取りは8月なんですよ。岬のローカルルールでは、刈り取りは盛夏の季語。困ったもんです。詩が作れないじゃない、なんてことはないですけどね。