総選挙ムードへ<本澤二郎の「日本の風景」(3521)

<深手を負った安倍晋三と山口那津男>

 昨夜届いた東京の様子は、安倍・自公・日本会議の冴えない様子だった。党内からも、安倍の健康状態を口にするありさまというのも、政治屋にとって何よりも健康がすべてだから、もはや安倍4選を口にするものは、麻生一人となった。

安倍の「桜」事件は、それが一瀉千里よろしく日本列島全体に激しい怒りの波紋を投げかけた、最悪の首相犯罪だったことも、安倍の心臓を悪化させるに十分だった。

 

 筆者は、もうとっくにドクターストップがかかっていると認識している。「父親の二の舞」を心配する向きもある。「桜」事件は、もうごまかしようがない。説明責任を果たせない悪質な犯罪要件を構成していて、逃げられない。野党の結束が見事だ。

 

 驚いたことに、連立を組む公明党の山口那津男までが、ジャパンライフにむしゃぶりついていたという重大な疑惑が出てきた。彼の逃げが、どうなのか。常識的には、議員辞職に相当する。宗教政党の政治倫理は、他党とは比べ物にならない。

 

<生き絶え絶えの改憲発言と厳しい健康状態>

 安倍は臨時国会閉幕に辿り着いたものの、記者会見では覇気や迫力はなかった。息も絶え絶えに、この7年間、のべつくまなく口走っていた、誰も信じない空疎な改憲論を披歴して、わずかに残っている元気さを露見するのが斉いっぱいだった。

 

 あとは安倍に残された手段は、通常国会冒頭の解散だろうが、党内のタガは緩んでしまっている。政権に王手をかけようとした菅義偉も、二人の側近閣僚を切腹させるという無様な緊急事態に、このところの「桜」会見では、まともに応じられない有様だ。第二の望月記者は、遠慮なく食い下がれ、である。

 

 官房長官がこの調子だから、よたよたの幹事長・二階に期待できるものなどない。「解散を乗り切れるか」という不安が周辺から、いつものように噴きあがっている。

 

 問題は改憲解散を安倍が、最後の最後まで乗り切れるのか、であろう。岸信介の長女・洋子も正念場だ。

 

<反社会的勢力とは、狭義は入れ墨やくざ(暴力団)右翼総会屋>

 政府は、桜を見る会で発覚した「アベの闇の私兵」である入れ墨やくざ・暴力団の発覚を恐れて、反社会的勢力の定義さえ打ち出すことができなかった。言ってみれば、安倍が「功労者」として招待した中に、言うところの反社会的勢力がどっさりと紛れ込ませていた。その発覚を恐れて、名簿を破棄したものであろうから、これは直ちに、間髪を置かずに、本日から、野党と勇気ある言論人は、安倍を徹底追及すべきだろう。

 

 筆者は、むかしのことだが、警察本を書いた。警視総監から法務大臣を歴任した秦野章さんと対談して「日本警察改革論」(エール出版)を世に出した。

 彼は「右翼暴力団総会屋は一体である」と答えた。つまり、女性の恐怖である入れ墨やくざ=暴力団=右翼総会屋を指して、反社会的勢力と呼んだ。これは狭義の反社会的勢力のことである。

 

 広義だと、詐欺商法で国民から大金を懐に入れたジャパンライフが、その典型である。政治屋は入れ墨やくざを周辺にはびこらせながら、反社会的勢力の詐欺的ビジネスにも関与して、大金をせしめている。したがって、政治屋も反社会的勢力の仲間、共犯者である。

 

 チッソなど公害企業もはいるだろう。憲法違反の殺人兵器製造財閥も。反社会的勢力の仲間である政治屋は人間失格、公人の資格はない。安倍も那津男も議員失格となる。解散の大義はここにある。

 

<声を上げよ!伊藤詩織さんに続け>

 新聞テレビは、公共の電波を格安で利用、莫大な利益を上げている。

 新聞はそこそこの収益でも、テレビで大儲けしている、それこそ詐欺ビジネスである。不動産でも。そうであるため、テレビに登場させる人物は、清廉潔白な学者文化人に絞られるだろう。かりそめにも、ジャパンライフとつながりを持ってきた人間の屑を排除しないと、主権者から叱り飛ばされるだろう。

 

 そもそも、このことを声を上げて主張する言論人がいない。

 日本人で、大事な問題で声を上げた英雄は、TBS山口強姦魔を告訴した伊藤詩織さんだ。太田ショウコウの裏切りを指弾した「木更津レイプ殺人事件」被害者のKT子さん、山口那津男を追い詰めた野原善正氏、徳洲会医療事故を追及する清和会OBの中原義正氏らである。

 

 崩壊寸前の日本を再生させる方法は、不正腐敗を許さないという国民の声いかんにかかっている。官邸・自民党・信濃町が腐りきっている。声を出そう、悪党をのさばらせるわけにはいかない!

20191211日記(東京タイムズ元政治部長・政治評論家・日本記者クラブ会員)