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穂村弘著「はじめての短歌」を読了

2024年03月29日 16時37分32秒 | 短歌・和歌・作歌、歌会。歌を作る、短歌を味わう。表現する。批評する。俳句鑑賞

 今日の夕方までに、穂村弘さんの、電子書籍版「はじめての短歌」を読み終えた。
 この本は、最初に提示する歌は、見本作と言うか、お手本的な、本物の歌人の作った作品を掲げるが、その後に続く歌は「改悪作」として、わざと、その先に出した歌よりも、劣った歌を提示して、その見比べっこをする。
 そうして、その、歌論を、穂村さん独特の話術と言うか、短歌の世界へと、誰しも誘われて、夢中にさせる。
 あとがきで、短歌の別の歌人の方が、書いておられたが、この本は、元々、慶応の学舎で、ビジネスパーソンに向けての講座が元になったとある。ビジネスと短歌。その相違に誰しも驚くだろうが、意外に、ビジネスとの相性が良いらしく、ビジネスの根底には、これら、短歌が非常に役に立つらしい。(道理で、日本経済新聞の短歌欄が、歌人が目指す数少ない歌壇となっている訳だ。)
 どちらも自然や人間に目を向けて、人生を語り、私も共通性は有り得ると思う。
 その、優しく、手を取るように、歌人の穂村氏が、ベストコーチとして、短歌の手ほどきをしてくれる。こんなに良い環境の中で、ビジネスマンならば、その有為なる教えに、驚嘆の声を上げずにはいられないであろう。
 とにかく、この本には、古い、昔ながらの歌人、斎藤茂吉、与謝野晶子、石川啄木や、俵万智他、新しい歌人等々、多く出て来て、そのレクチャーを、穂村弘氏が買って出てくれる。
 これ以上の、短歌を学ぶ場としての、価値ある時間を過ごせるならば、言いようのない程の喜びを感ずる。
 とにかく、ビジネスマンにしろ、短歌初心者にしろ、何でも来いであり、この本は、五七五七七の三十一文字(みそひともじ)を習おうと言う気概がある者、冷やかし半分の者、どちらにも良作な短歌入門書となろう。
 私も、長い事かかって、この本を読んだが、読もうと思えば、この本に集中して読めれば、一日も掛からずに読めるのではないのか。元々、短歌の字数は、小説などの字数よりは少ないのだから。
 それプラス、その穂村氏による歌評、歌の解説が加わるが、そんなに長文でもなく、程よい長さの文章であり、エッセイ等よりも短文かも知れない。
 とにかく、読後感は良かった。この本は、実際ダウンロードして買って読んだが、図書館等で借りられたならば、アマゾンタブレットの記憶容量を心配する私にとり、本を借りた方が良かったかなあ、と少し、ケチっぽい私がいる。
 でも、短歌を教わった感は、確かにあるので、時間を掛けて読んだ努力は、私自身を褒めてあげたいと思う。読んで良かったと私は感じた。
以上。よしなに。wainai


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