日銀の黒田東彦総裁が4月8日に退任し、植田和男氏が新総裁に就任する。
黒田氏は、2013年3月に白川方明氏の後を継いで就任、2018年に再任され10年間という日銀総裁の最長任期となった。
黒田氏は、異次元の超金融緩和政策を看板に、20年続くデフレ脱却を目指し2%の物価上昇を2年で達成すると公約した。
また、その方針は、安倍晋三首相が打ち出したいわゆるアベノミクスの三本の矢の1つとして位置づけられた。
10年経った現在、2%の物価上昇は達成されず、超金融緩和を続けたため行き過ぎた円安となっている。
その結果は、輸出産業の高収益、株価の上昇をもたらしたが、輸入物価の上昇、実質賃金の低迷、日銀の国債、公社債の異常な買い込みなどで、金融政策の硬直化を招いている。
黒田氏は、退任に当たり、10年間の反省点はないかという問いに対し、全く無いと言い切った。
次期総裁は、いわゆる金融政策の転換が困難な事態を何とか抜け出すことが大きな使命になっている。
このように次期総裁に大きな宿題を残した黒田氏が、全く反省点は無いと言い切るその責任の薄さ、厚顔さに改めて驚くばかりだ。「関連:2月25日」
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