鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

深淵の辺

2017-01-20 00:54:24 | フリーゲーム(ホラー)
「深淵の辺」 ホラー探索ADV・クトゥルフ神話・ある意味乙女ゲ
制作者:花鹿ノコ様(花蒲鉾のアジト【仮】

======================

ほぼ1年近く前にアップされたゲームになります。
クトゥルフ神話がベースの探索ADV、ちょっと逃げアリ。

ざっくり説明すると、病院で看護師として勤めるみぞれちゃんが、
クトゥルー神話の神々に気に入られて、いろんな世界を経験する話、です。

このゲーム、雰囲気が好きなんですよね。
いろいろクトゥルフをテーマに使った商業作品が増える中で、
日本のそれは、原作から離れた独自のものになりつつあるように感じます。
二次的な作品から入った場合、最初に触れた世界がその人の「正」に
なってしまうのは仕方ないのですが…
昨今は、ジャパナイズされた印象のものが当たり前になってきている、というか。
もちろん、そっちのほうが日本人の好みにはあってるんだと思うんですけどー

私感ですが、クトゥルフは「人間が理解することを拒む」物語だと感じます。
ひとの常識に照らして、共感できてはいけないと。
そういう意味では、このゲームは、原作の雰囲気に近い、ように思うのですよ。

まあ…神々にいきなり普通の女性が好かれて巻き込まれる、っていうのは、
人によっては地雷なのかもしれませんが。
しかし、彼らに好かれようが嫌われようが、関わる人間にとって、
それは迷惑かつ悲劇でしかない、という展開だとか、
香りや音や暗示で、みぞれちゃんが、いとも容易くおかしくなってしまうところ、
そして呼び出されたヴルトゥームたちの、
全く意思疎通のできない「無機質な存在感」は、かなり良いと思います。

最後に、黄色い人の手を取って迎えるエンドは、
果たしてハッピーエンドと言えるのでしょうか?
みぞれちゃんは、本当に自分の意志で、その手を選んだのでしょうか?

彼らにとって気に入った人間を手に入れるのは、
綺麗な花をむしり取ってプリザーブにする程度のこと。
花自身の意志など考慮する必要もなく、
摘まれた時点でその命が失われるということも、たいした問題ではない…

そんな複雑な気持ちになるラストが好きです。



途中で逃げが何回か入りますが、
最初のほうの黄色い人が、けっこう足早くてギリギリ。
一回でクリアするのが難しいかもしれないので、セーブはこまめにどうぞ~


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。