今日は春らしい暖かい一日となりましたが、この陽光で満開を過ぎたのか桜の花が散り始めています。
散る姿も美しいものですが、楽しめる時間もあと少しになってしまいましたね。
参集殿前のソメイヨシノ。今が満開です
神道において桜の花と言えば『木花之佐久夜毘売(このはなのさくやひめ)』のお話が思い出されます。
神話によれば、天照大御神の孫にして皇室の祖たる『邇邇芸尊(ににぎのみこと)』がこの日本の国土に降り立った後に見初めて求婚したのが、山の神の娘で美しい桜の神である木花之佐久夜毘売です。
父である山の神『大山津見神(おおやまつみのかみ)』はそれを喜んで姉である『石長比売(いわながひめ)』と併せて二人を妻として邇邇芸尊に差し出しますが、石長比売が醜かったために邇邇芸尊は木花之佐久夜毘売だけを妻として石長比売を返してしまいます。
実は大山津見神から木花之佐久夜毘売には“花の如く栄えるように”、石長比売には“石の如く長久であるように”との願いが込められていたために、それ以来天皇の寿命は人と同じ儚いものになってしまった...というお話です。
これは古事記や日本書紀に書かれた神話ではありますが、寓話として見るならば“人の好意を無下にしてはいけない”、“大切なものは見た目だけでは分からない”...色々な教訓が見えてくる話でもあります。
ごく大雑把に話してしまいましたが、もしご興味があれば元の神話の方も見てみてはいかがでしょうか。