座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

邸内社としての稲荷社の現状

2013年04月23日 | 神社知識・作法・歴史

神奈川県の圏央地域ではまだ広い土地を持ったお宅が結構ありまして、邸内や畑などの角地に稲荷社がお祀りされているのをよく見かけます。

地域にもよりますが、明治前の神仏習合の名残から稲荷社の初午をお寺さんがご奉仕されているところも多いようです。

地域の開発と共に資産を維持していくためや相続などから稲荷社を廃祀されるケースもあると聞いています。

地域の守り神として、お稲荷様を信仰する人々が集まって講(こう)という組織を作って数軒或いは十数軒といった家で順番に役を決めてご奉仕したり、一族の守り神としてお祀りしたりと稲荷社がその場所へお祀りされてきた経緯は様々です。

しかしながら、神様はその地域の要望によってその地にお祀りされ、信仰を得てきました。

地域やお宅などにお伺いしてお祭りをご奉仕させていただき折などにちょっとお話をさせていただくと、稲荷社がお祀りされた経緯が解らなくなってしまい、何故か判らないけどそこに稲荷社があるからお祀りしているという状態も多いようです。

お稲荷様が商売の神様と思っている方が多くて、家は商売をしていないのでと言われる事もありお稲荷様の本当の御力、御加護は『衣・食・住』を司る神様であって決して商売だけではないのです。

『衣・食・住』という事は生活そのものを司るということなのです。

地域の安全や生活を護るそれが本義なのです。

又、お稲荷様はキツネだからあまり・・・。と言われる方もいらっしゃいます。

狐は、お稲荷様の御使いつまり神使で、神社の両側に犬のような獅子のような狛犬といわれるものと同じ働きをするもので、神様それぞれに異なった御使いがいるのです。

日本サッカー代表のエンブレムとして使われている八咫烏(やたがらす)も同じように神様に御使いするものです。

神使は、秘書のような役割というか神様に崇敬する人々の感謝の気持ちを伝えたりお願いごとの内容を伝えたりと様々の事をするものです。

思い違いなどで本来の意義からそれてしまい、せっかくお祀りされているのにその神様の御力、御神徳を戴かないばかりか神様から忠告をされてしまう事にもなりかねません。

身近な地域や家の守護神としてのお稲荷様に改めて信仰の念を思い起こしては如何でしょう。