夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

納豆奉行

2013年03月07日 | 俺の女房は- - -

  朝なのに女房はぐっすり眠っている。俺は女房に少しでも楽にさせようとしてそっと起きた。そして朝食の準備を始めた。お汁を作ろうとして煮干を探したが,どこにあるか分からない。

 もやしと白菜があったので,もやしの味噌汁を作ることにした。もやしは包丁を使わずに済むからだ。もやしを鍋にどっさり入れて煮込んだ。朝食の定番は厚焼き玉子だが面倒なので卵を二つ,汁に浮かべた。味噌を入れて完成だ。次に納豆と御飯を用意した。これで朝食の準備は完了だ。

 女房と二人で食べ始めた。もやしは煮過ぎてグッタリしているし,卵は煮込み不足で黄身がドロドロに溶けて,汁の中に流れている。ダシがないから味もない。

 女房は卵をすくって御飯にのせ,醤油をかけて食べている。いつもなら会話をしながら食べるのだが,女房は美味しいとも不味いとも何も言わない。ただ黙っている。俺も余計なことは言わずに黙り込んでいる。別の言葉で言えば無言で食事に専念しているのだ。

 食事が済んだ。女房が立ち上がった。

 嫌な予感がした。

 女房は「床に水がこぼれている。レンジを汚したままだ」と言いがかりを付けてきた。

 俺は長い経験から言い訳をするよりも黙っていた方が良いと悟っているので,無言で新聞を眺めている。(読んでいるわけでは無い,顔を隠しているのだ)

 俺は女房の喜ぶ顔を期待して朝食を作ったのだが,まったく違う結果になってしまった。

 「男子厨房に入るべからず」との先人の教えを守らなかったことを悔やんだ。

 しかしながら,男女共同何とか運動の先生方から,男も料理を作れという教えがあったので,今朝は良い機会と思って実行したのだが。

 俺はこれから,どうしたら良いのか真剣に考えた。

  俺に出来る調理は何かと考えた。

    良いことが頭に浮かんだ。

    納豆を小鉢へ移してかき混ぜる仕事だ。

    これからは 納豆奉行 をやろう!!

 

 



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