日が暮れるのが早い。爺は散歩の途中で、小学校前の交差点にさしかかった。横断歩道を渡ろうとした時、青信号が点滅したので立ち止まった。
すると、近くを歩いていた二人の男の子が走りだした。赤に変わる前に急いで渡ろうとしたのだろう。
爺は「待て」と叫んで、手を広げて防いだ。
男の子たちは爺に叱られると思ったのだろう、おとなしくしている。
そこで、爺は口を開いた。
「ちょっと待て 天国行きは まだ早い」
6年生らしい男の子たちは、爺のジョークが分かったのだろう。
ニヤッと笑った。
爺は天国へ行っても、空の上から子どもたちの交通指導をしようか。
おい、赤信号を無視した子ども!
天国は満員だ!
入国できないぞ!!
ブラックGより