道は25日、高橋はるみ知事が菅義偉官房長官や石井啓一国土交通大臣らと直接会って、6日に震度7を記録しブラックアウトなど大きな被害を出した「北海道胆振東部地震」に関する緊急要請として激甚災害の早期指定など被災地の復旧支援、電力需給ひっ迫による産業被害からの復興を強く求めた。被災者の支援、観光復興、交通網の確保、強靱な北海道づくりも要請した。この緊急中央要請には、被災地の三町町長(厚真町、むかわ町、安平町)が動向した。林業などで大きな被害を出している水産林務部の幡宮輝雄部長も農林水産省などに中央要請した。
9月21日現在で道がまとめた主な被害は、ライフライン被害が河川、道路など公共土木被害が約1,164億円、苫小牧港が約24億円。産業被害は農業で農地、様子路の損壊が約93億円、生乳や枝肉・卵の損失が約24億円。林業は林地の大規模崩壊で約225億円、林道の損壊が約48億円。水産業は、漁港の施設の損壊が約10億円。そのほか、畜養魚のへい死、水産物の冷凍品や製氷施設内の氷の溶解、主業生産施設の育成中のウニ種苗へい死が報告されている。商工業は飲食料品小売業の停電による商品、在庫などの被害額が推計約82億円。観光施設などの建物、設備の損傷もみられる。こうした被害の総額は判明したものだけで、約1,737億円にのぼり、さらに調査が続いている。
このほか、観光分野では9月15日時点で約94万人のキャンセルが発生し、観光消費影響額は約292億円にのぼると推計される。
水産被害は41件・10億2,940万円が報告され、その内訳は、漁港施設が係船岸壁、道路、用地など17件・10億1,350万円。胆振管内の登別漁港、鵡川漁港、日高管内の富浜・門別漁港、新冠漁港で被害が報告されており、特に日高町の富浜、門別漁港では係船岸壁、荷捌き所、種苗生産施設の一部損傷なお5億8,750万円の被害が報告されている。また、むかわ町の鵡川漁港では係船岸壁、荷捌き所、冷蔵施設の故障などの一部損傷で4億1,600万円の被害が報告されている。
水産施設では、荷捌き所、種苗生産施設、製氷・冷凍施設などで9件・665万円。停電によるウニ種苗・畜養魚のへい死、冷凍品の溶解などでも15件・930万円の被害が出ている。渡島管内函館市の臼尻、大船漁港では係船岸壁、海水冷却機器の一部損傷、キタムラサキウニのへい死など1,146万円が報告されている。種苗関係では、知内町のクロソイ、日高管内・浦河町でのエゾバフンウニ、マツカワのへい死など数百万円の被害が報告されている。