水産北海道ブログ

北の漁業と漁協がわかる情報満載です

2021年(令和3年)5月25日(火)発行/北海道漁協系統通信第6561号

2021-05-27 22:15:22 | 系統通信

新型コロナ感染道内700人超と過去最多、札幌以外も300人
鈴木知事が「人との接触を徹底的に抑える」よう呼びかける

サケ・サンマ・イカの不漁問題検討を自民党に説明
マルチな漁業への転換、サケ既存施設の活用、藻場干潟の保全も

道女性連の令和3年度第1回役員会
國分会長が退任、新会長に高松副会長、新副会長に川﨑監事
6月1日~31日「春・JF女性連 ふれあい運動」を実施

令和3年度道密漁防止対策協議会
改正漁業法の罰則強化の啓発、立て看板の設置を

令和3年度道沖合底曳網漁業対策協議会
国の資源管理が本道漁業の実態を反映するよう沖底と協議促進

北日本漁業経済学会第49回岩手大会シンポジウム
岩手水産業の現在 新しい取り組みと物流機能アップ
産地市場・加工の条件整備、不漁に対応した広域連携も


中央水試、令和2年度漁期まとめ 水揚げ3,585㌧、2000年以降の最高水揚げを更新

2021-05-19 15:02:02 | ニュース

 道総研中央水試資源管理部は5月14日、令和2年度「石狩湾系ニシン」の漁期まとめを発表した。今シーズンは2000年以降、過去最高の3,585㌧。前年同期比約1・08倍の水揚げとなり、2年連続3,000㌧を突破した。

 今年度の漁獲状況は、石狩沿岸で前年より水揚げが減少したものの、後志や留萌・宗谷沿岸では昨年を上回る漁獲量となり、特に後志南部の増加が顕著だった一方、小樽市などの北部は減少した。沖合域の混獲(沖底・えびこぎ・沖刺し)は前年並み。集計値は4月の留萌管内の漁獲も含まれているが、道総研では現在、石狩湾系かどうかの分析をしている。
 後志・石狩沿岸の年齢組成は、5年魚(2016年級)が全体の37%で最も多く、6年魚(2015年級)が31%、次いで多かったのは4年魚(2017年級)で26%。従来の来遊パターンでは、1月に5年魚以上、2月に4年魚主体、3月に若年齢(3年魚)の組成となるが、今期は1〜2月に5・6年魚の高齢魚が主体となり、3月に4年魚の割合が高かった。平均体重は若い世代が少なく、343gと前年の303gより大型化していた。
 漁期について、後志・石狩沿岸は例年より遅く進行し、2月にかけてまとまった漁獲がみられた。2月中旬から盛漁期となり、3月も例年より多い漁獲が続いた。2月の時化が非常に多かったことから漁獲量は抑圧された値であり、資源は相当量あるとみられる。

 留萌沿岸は、昨漁期から続けて3月以降の水揚げが急増、4月中旬にピークを迎え、4月下旬には若干減少している。
 海水温は、厚田漁港が1月0〜3℃、2月上旬-1℃。小樽築港は1月に3℃前後と例年より1〜2℃下回っており、低水温の影響で1月の来遊が遅れたとみている。また、卵巣が例年より小さいことから卵の成熟が遅くなり、沿岸への来遊が遅くなった可能性を示唆している。

 

 道総研は資源状態と来漁期について、昨漁期主体の2015年級が今年も6年魚となって来遊し、4・5年魚も豊度が高く漁獲を支えた。4・5年魚は来年も期待されるが、3年魚(2018年級)は今漁期観察されず、漁期後調査でも僅かだったことから低豊度の可能性が予想され、2019・2020年級は稚魚分布調査で採集量が少なかったことから、今後の資源状況は楽観視できないとし、資源管理の継続を強調している。


2021年5月18日(火)発行/北海道漁協系統通信第6559号

2021-05-19 14:52:25 | 系統通信

感染爆発の北海道に国が「緊急事態宣言」発令
札幌、旭川、小樽など特定措置区域に一層の強い対策
医療体制もひっ迫し道民に外出しないよう呼びかけ

臨時道議会でコロナ対策費219億円を可決
新規感染最多更新、鈴木知事が「北海道医療非常事態宣言」
「まん延防止等重点措置」石狩管内、小樽市、旭川市に拡大

いか釣り操業協定会議は書面開催
ハシ針の使用、胆振管内でも禁止に

釧路東部海域の毛ガニかに篭漁終漁 許容量消化率55%
数量前年比86%の32㌧、金額同109%の1億9,870万円

令和2年度 石狩湾系ニシン漁期まとめ
水揚げ3,585㌧、2000年以降の最高水揚げを更新

系統団体、時差・時短出勤など勤務体制の変更へ

6月1日の「お魚増やす植樹運動」植樹行事は中止


北日本漁業経済学会からのお知らせ 岩手大会はオンラインで成功のうちに開催されました。

2021-05-17 10:57:11 | お知らせ

北日本漁業経済学会第49回岩手大会 参加者の皆様

 
 本日はありがとうございました。
 音声の問題はありましたが、充実した大会となりました。
 今回の内容は、雑誌『北日本漁業』次号に各報告者の論文を掲載します。
 聞き取りにくかったことは改めて確認してもらえればと思います。
 
 非会員の皆様で、こうした活動に共感される方は是非入会頂ければと思います。
 年会費は5000円となります。
 事務局(このメール)にご一報頂ければと思います。
 
 なお、今回の大会は昨年度予定だったものを延期開催したものだったので、本年秋にもう一度大会があります。第50回大会になります。
 開催は北海道(札幌)で、シンポジウムテーマは、「新水産政策下のTACの課題(仮題)」となります。コロナ感染の状況次第ですが、次もオンライン開催になる可能性があります。
 
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
 
北日本漁業経済学会 事務局
〒062-8605
札幌市豊平区旭町4-1-40 北海学園大学経済学部(濱田研究室)
電話:011-841-1161(代表)、内線:2736
FAX:011-824-7729(学部事務室)
メールアドレス:njfe2020@gmail.com
学会公式HP(URL):http://njfes.sakura.ne.jp/
 
 

北日本漁業経済学会第49回岩手大会シンポジウム 岩手水産業の現在 新しい取り組みと物流機能アップ 産地市場・加工の条件整備、不漁に対応した広域連携も

2021-05-17 10:38:27 | ニュース

 【写真】シンポでは5人の専門家から報告を受け、討論を行った

 東日本大震災から10年、復興の新たな動向に焦点を当てた北日本漁業経済学会(二平章会長)の岩手大会(第49回大会)シンポジウムが、5月15日午後1時からZoomによるオンラインで開催され、「岩手水産業の今日的動向〜新しい時代を創る取り組みと三陸縦貫道全線開通のインパクト」をテーマに研究者、試験研究機関、産地市場、水産加工業、地方自治体の各セクターの代表5人の報告を受け、シンポジスト討議で共通認識を深めた。このシンポは岩手大学三陸キャンパス(岩手県釜石市)を拠点に、岩手大学三陸水産研究センターとの共催で開かれ、約70人が参加した。

 開会に当たり、二平会長が「岩手県の水産業は、震災前に比べ、主な水産物の生産が戻っていない。また、近年のサケ、サンマ、イカの不漁で水産加工を含め大きな影響を受けている。三陸を歩くと巨大な防潮堤に驚くと同時に、りっぱな道路が整備され、消費地へのアクセスが向上し、今後の水産業の発展が期待される。本日は未来に向けた新しい取り組みを報告していただきたい」と挨拶した。

 杭田俊之岩手大学教授の司会でさっそくシンポに入り、後藤知明岩手大学教授(三陸水産研究センター副センター長)が「岩手県漁業の動向と新機軸〜東日本大震災復興のカタチ」、佐藤光男大船渡魚市場㈱専務が「産地市場の近況と変化」、大野宣和氏(岩手県水産技術センター)が「水産加工業界の動向」、佐藤正一釜石ヒカリフーズ㈱代表取締役が「マイナスからの挑戦〜三陸の水産物のブランド化」、立石孝釜石市水産課主幹が「釜石市が復興事業で整備した「魚のまち」」をテーマに報告した。

 この中で、後藤教授は三陸の沿岸漁業が復興後もサケ、サンマ、イカなど定置や漁船漁業の不漁やカキ、ホタテの回復の遅れ、アワビなどの資源減少といった状況にあると報告。今後の温暖化による漁獲物組成の変化,多様化、漁期のズレを指摘し「変化への適応が必須」と強調した。

 佐藤専務は大船渡魚市場のタブレット入札などICT化や道路整備による名古屋までの商圏拡大、鮮魚出荷の物量拡大を紹介し、品質と衛生の両面で「選ばれる市場」、小規模ながら「産地完結型」をめざす方針を明らかにした。

大野氏は補助金などで震災後の水産加工業の再開率が9割まで進み、商品開発や販路拡大に取り組んでいるが、前浜資源の不漁による原料確保に苦労している状況を説明し、直接消費者に売るルートの確保で利益向上をめざす姿が見られるとした。

 佐藤社長は震災後に創業した加工会社が産学官、広域連携によりスラリーアイスの活用、サバの畜養、サクラマスを対象にしたマーケットイン型養殖、ウニ・アワビ・ナマコの増殖などに取り組んでいる状況を示し、量販店だけでなく様々な取引先の確保で巣ごもり需要を取り込み、利益を確保しているとした。

 立石主幹は「魚のまち」釜石市の復興事業を通して市場、加工集積、物流拠点を港内に配置、魚市場(公設民営)を地元、外来に分けて整備し、水産加工業(8業者)や大型まき網船の誘致に成功した経緯を説明。今後は高速道路の整備による物流の効率化、港湾整備による冷凍水産物の輸出など新たな条件を水産振興に活かしたいとした。

 シンポジストによる討論では、海洋と陸上の環境変化を踏まえた岩手水産業の今後を展望し、産地市場の棲み分け、統合による広域連携の可能性が議論された。また、資源が増えているイワシの高鮮度流通による付加価値向上、スルメイカ狙いの沖底によるサバの混獲増加、複数市場との取引も道路整備で促進されている実態などが明らかにされた。