左から二平氏、佐藤氏、高松氏、伊藤弁護士
留萌管内の一本釣りや曳き縄でクロマグロを獲っている漁業者9人が不当に操業機会が失われたと国、道を相手に損害賠償を求めていた訴訟が27日、札幌地裁で判決を迎える。
原告訴訟代理人の伊東秀子弁護士と原告代表の高松幸彦氏(北るもい漁協、留萌海区漁業調整委員)が19日、記者会見を行って12月1日に施行される新漁業法の柱でもある「資源管理」をめぐり、大きな意味をもつ裁判の意義を訴えた。
原告は国のクロマグロ資源管理によって操業自粛を要請されたのに加え、2018年以降、6年間の禁漁(30㎏未満のクロマグロ小型魚)を強いられ、経済的な損失を被ったとしている。
高松氏は「漁師として漁業を営む権利を国に認めてもらいたい。原告の最高齢者はすでに77歳となっており、漁を再開する機会を奪われている。こういう零細な沿岸漁業者を守るという配慮が行政には見られない」と訴えた。
また、同席した二平章全国沿岸漁民連事務局長は「高松さんは私たち沿岸漁民の団体の共同代表を務め、94%を占める10㌧未満の漁船で操業する全国の沿岸漁民が注目している」と述べた。水産庁OBの佐藤力生氏は「この訴訟は起こるべくして起こった問題だ。水産庁が主張する2034年まで低加入が続くことを前提にした予測は、現在のクロマグロの大量来遊と全く矛盾している。全国で同様の訴訟が起こる可能性があり、慎重に対応すべき」と語った。
零細漁民への配慮を求める原告代表の高松氏