日本海沿岸で漁獲されるニシンは、3月上旬で約2,500㌧と3月上旬にピークのあった昨年並みに落ち着いてきた。
道水産林務部水産振興課普及指導員のまとめによると、稚内市から上ノ国町までの日本海沿岸で刺し網、定置網で漁獲されるニシンは1月中旬から3月上旬の累計漁獲量が2,498㌧で前年同期(2,453㌧)に比べ2%増。最終的に近年最高の5,326㌧を漁獲した昨年並みとなっているが、昨年はピークが3月以降にズレ込み、高いヤマを形成したのに対し、現状では今シーズンのピークは2月中旬とみられ、今後の漁獲動向が注視される。
振興局別にみると、後志北部が776㌧で前年同期(681㌧)を14%上回っている。石狩は1,689㌧で前年同期(1,722㌧)に比べ2%減。留萌は34㌧で前年同期(50㌧)を32%下回っている。漁協別では石狩湾漁協厚田支所が868㌧、小樽市が571㌧、石狩湾漁協石狩本所が448㌧、同浜益支所が373㌧、余市郡が204㌧、増毛が27㌧、新星マリンが7㌧となっている。
道総研中央水試の漁獲物調査によると、3月9日に厚田で実施した結果、「メス」「オス特大」「オス大」「オス大中」の4銘柄が主に水揚げされ、「メス」の卵巣完熟率は100%、平均卵巣重量は77.6gで、魚体は29〜39cm、280〜379gが中心で、前回よりやや小型中心。「オス特大」はすべて放精前、31cm台、330〜429gが中心で、32cmより大きい個体が減少していた。3月6日の小樽での調査結果では、「1番」「2番」「3番」の3銘柄が主に水揚げされ、「1番」は42尾中、オスが16尾、メスが26尾で、31cm台、330〜429g個体が主体で前回よりやや小型中心。メスの卵巣はすべて完熟状態で、平均卵巣重量は100.9gで、オスは放精前の状態だった。