すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

真冬日の橋

2014-06-17 10:55:22 | 短歌
「蟻たちはここを通ってゆきました」石のすきまに咲くホトケノザ

フユシャクに会えなかったよ 朽ちかけた木の手摺には何度も触れて

会ったことのないものを呼ぶいきものを/呼ばれるものを 見たかっただけ

あたらしい歩道を逸れてゆく土手にしもやけ色の草の葉ばかり

水たまりみっつつないでいっぽんの電信柱さかさまの影

水だけが通ってもいい橋がある 名前を思い出せないでいる

真冬日にみつけた橋のストリートビューに降りれば、ここは五月だ



(「未来」748号 2014.5月)




冬の日、はじめてあるいた道を確認したくてストリートビューをひらいた。半日前にホトケノザを見た橋のたもとに咲いているナガミヒナゲシが目にとびこんできて(五月にタイムスリップ?!)くらくらした。
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