すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

冬の乗りもの

2017-08-17 01:52:36 | 短歌
風散布のうつしくしい種みていたら動物散布のやつにやられた

すがすがしいほどのとげとげ膝下にコセンダングサからの一撃

ネムノキの向こうにみえるベンチまでわたしは種の乗りものになる

金曜のきょうはきいろい吊革の箱に入ってはこばれてゆく

欄干に融雪剤のふくろたち凭れかかって( 外はさむいよ)

整理券になる前の紙みえているうずまいている壊れるんだね

空の字が空にひかってここからは二日の月がうまく撮れない





(「未来」783号 2017.4月)
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