すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

ドリームランド

2015-03-18 11:56:55 | 短歌
溺れかけたときの光をおぼえてる 廃墟のプールは水を覚えてる

廃園ののちにカラスと雨粒がしずかに群れて生まれた水辺

動く機械のことをしらない蔓草はもう動かないこともしらない

この星のまわる速さを思い出し木馬はついにうつくしくなる

鉄の骨/木の骨 影になるまえにラジコンヘリの風駆けぬけて

  跡地の入札者無し、というニュース。

蔦が、蔦がと叫び続ける夕方のテレビは(いいえそれは葛です)

原色のミラーサイトをひらいたら修正されてしまった記憶
 
  溺れかけたのは、奈良ドリームランドのプールじゃなかった。

憑きもののあしあと、落ちて転がった跡もあかるい砂に埋もれる



   
(「未来」757号 2015.2月)



「大阪万博のときに奈良の親戚の家に数日泊まって、連れて行ってもらったドリームランドのプールで溺れかけた」という記憶があったのです。去年の跡地入札なしニュースをきっかけにちょっと検索してみたら、そのころはまだドリームランドにプールがなかったと判明。多分その近くの、別のプールだったようですが、あれはいったいどこだったんだろう。
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