泣いたのはヤモリ 硝子の水槽のちいさな森の底で迷った
守るなら外側からにしてねって深夜の扉 ヤモリを放す
クスノキの北限よりも北の街(でもおなじ樹を見あげたかった)
アオスジアゲハがいなくなった水槽に、ナミアゲハの幼虫が来る。
嘘の眼はどこをみているほんとうの脚をちいさく前へあつめて
青虫はおなかの中に(Uターン、むずかしいよね)波を抱く船
どこ どこ どこ 問いはぽってり重くなりガラスの縁をあるきはじめた
もういちど会えるだろうか 眠る場所さがしにいったきりの一匹
うすもののみどりの服は脱ぎ捨ててみたら灰色だったとわかる
ナミアゲハのナミは並(ほんとうですか)うまれた羽にうちよせるもの
(「未来」731号 2012.12月)
出して三か月後に載るのをさらに一か月たってからアップ、ということをしているので、季節感についてはあきらめてくださいねー
いまは、家の前にあるミカンの木(ほとんど野生状態で、虫たちの栄養源であった……)に、ひとつだけ実がなっております。
守るなら外側からにしてねって深夜の扉 ヤモリを放す
クスノキの北限よりも北の街(でもおなじ樹を見あげたかった)
アオスジアゲハがいなくなった水槽に、ナミアゲハの幼虫が来る。
嘘の眼はどこをみているほんとうの脚をちいさく前へあつめて
青虫はおなかの中に(Uターン、むずかしいよね)波を抱く船
どこ どこ どこ 問いはぽってり重くなりガラスの縁をあるきはじめた
もういちど会えるだろうか 眠る場所さがしにいったきりの一匹
うすもののみどりの服は脱ぎ捨ててみたら灰色だったとわかる
ナミアゲハのナミは並(ほんとうですか)うまれた羽にうちよせるもの
(「未来」731号 2012.12月)
出して三か月後に載るのをさらに一か月たってからアップ、ということをしているので、季節感についてはあきらめてくださいねー
いまは、家の前にあるミカンの木(ほとんど野生状態で、虫たちの栄養源であった……)に、ひとつだけ実がなっております。