すぎな野原をあるいてゆけば

「おとのくに はるのうた工房」がある

金木犀はおとこのこ

2012-01-16 23:20:58 | 短歌
保護色をおしえてくれた(と熊は言う)ブルーベリーの実はまだみどり

雨あがり限定ですがぎんいろの噂をすれば銀色の蛇

すきとおる繊維のちから空中に草蜻蛉はたまごをうかべ

「しずく型」とクサカゲロウの翅を呼ぶ書物は、それは詩集じゃなくて

網が揺れている今年の台風にこわれなかったことしの蜘蛛の

電線と木のてっぺんをむすびつけおおきな蜘蛛はまんなかの影

公園の金木犀よきみたちはひとりのこらずおとこのこなの

何を見て何を持って何に連れられてここに来るのでしょうか 雪虫

十日後にぼくのいる場所 てのひらでしずかな地図を受信している

ポケットにはいっていても歌うまで十一月の笛はつめたい


(「未来」720号 2012.1月)


ことしもよろしくおねがいします。(遅い)
年賀状写真のために、冷凍室のチリメンモンスターの在庫からタツノオトシゴを探しださねば~と思いつつ結局時間切れ。
やむなく、熊には水中透明竜の子(?)とガラス越しにハグしてもらいました。

さて、歌たちはやっと秋になってきました。(これもあいかわらず遅い)

七首目結句。「なの」は疑問なのかやわらかい断定なのかわからん、とつっこまれそうだなあと思いつつ、歌会に出してみたらやはりつっこまれました……

コメント (7)
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