イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ストックポートの上と下その3、風紀の悪さで知られた坂  ・

2015年07月20日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
ロストロン・ブロウ Rostron Brow

高いところと低いところにある道をつなぐ小さな坂道や階段をブロウ brow といいます。

ストックポートにたくさんあるブロウのひとつ、ロストロン・ブロウ。


ロウアー・ヒルゲート Lower Hilgateリトル・アンダーバンク Little Underbank の続き。名前が道の途中でかわっただけ)から、マーケットプレイス Market Place に上がる急な坂です。

右側の建物は空き家です。

数年前、イタリア移民の家族がやってたイタリアンレストランが店じまいした後、
1960年代の、中途半端にレトロでぼろっちい平屋が取壊され、景観にマッチしたこのビルが建ちました。

古い街並みにあわせた建物のデザイン、古くもないのに古く見せるインチキ、という批判もありますが、私はいいと思います。レンガを積んで、窓枠は木製と本格派。

上がる途中、右横手に出る小道がありました。

街灯に自転車のタイヤがかかってますね。

右側のレンガの壁は新築のフラット、日本でいう「マンション」ですね。

小道を抜けて正面にまわると驚くほどモダン。 

坂にもどります。

左側はヴィクトリア時代の建物です。 

私の知るかぎり10年は空き家で、崩れかかって壁の割れ目に木まで生えてます。

景観保存地域なのでうかつに取壊せないんでしょう。

上がりきったところにセント・メアリーズ教会 St. mary's Church があります。


すり減った石段が5段残っています。

ロストロン・ブロウ、上から見るとみすぼらしいです。
特に左側、レンガ色のタイルを表面に貼って中途半端に古く見せてるのが情けないですね。


ストックポートの歴史散策リーフレットによると、ここは19世紀はじめまで両側と坂下に風紀上問題のある評判の悪いエール・ハウス(パブ)がごちゃごちゃ建ちならぶ悪所だったそうです。

特に評判が悪く人気のあった一軒はダスト・ホール The Dust Hole(ゴミ棄て穴)というすごい名前で呼ばれていたそうです。

名所旧跡案内の青いブリキ札(ブルー・プラーク blue plaque )にもそう書いてあってわざわざ坂の上と下にも打ち付けてあります。

恐れ多くも教会のすぐ前!

評判の悪いエールハウスでどんなことがあったんでしょうか。

バクチ、売春、けんか、悪い言葉で騒ぐ、酔ってげろを吐く、といったところでしょうか。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いんちきでもなんちゃってでも (Chun)
2015-07-20 19:45:40
ここにうちっぱなしの建物作ったら、非難ごうごうなんでしょ?
どちらにしても何か言われるならば、町の雰囲気を壊さない、ということのほうが大切かなぁと思います。
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評判の悪いエールハウス (八幡@若林の弟)
2015-07-20 22:51:28
シャーロックホームズに出てくるような、ならず者がクダ巻いてるようなところですかね。
ロンドンの貧民街にあったような。

東京で朝から呑んでる店で評判の店に行ったことありますが、安くて汚くてマズくて、目つきの悪いおっさんがカウンターにアゴ乗せてました。
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町の景観、ならず者がクダまくエールハウス (江里)
2015-07-21 02:39:31
イギリスの、中途半端に古い建物が残ってるストックポートのような町は1980年代ころから、高さや窓の位置を周りに合わせて、コンクリートなのに表面にレンガ色のタイルを貼った半端な「なんちゃって」建築が多いです。
日本のような無秩序よりましという意見もあるでしょうが、
私は「なんちゃって」やるなら徹底的に同じ素材と工法でやるべきだと思います。
ディズニーランドみたいに時代つけたりしないで、正直に年号も入れたらインチキにならないのでは。
それが無理なら高さ等は揃えて思い切りモダンにしたほうが潔いとおもうのですが。
ガラス張りとか、上の写真のフラットのような木のパネル張りとか・・・(あれ、ご覧のように古い街並みに面した側は昔風で気を使っています)

打ちっぱなしはだめっ!論外。

観光課の人達も、訪れた人がシャーロックホームズに出てくるような場末の雰囲気を想像できるあの逸話、「お、つかえるぞ」と前面に押し出したんじゃないかと思います。
ホームズが変装して情報収集するような悪の巣窟ですね。
この坂周辺のは実際、ホームズの活躍するずーっと前、19世紀初頭には当局によって閉鎖されてますが。


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そうなんだ~ (kakowaka)
2015-07-21 18:07:30
イギリスでも鉄筋コンクリート造なのに表面にレンガ調タイルを張ったニセレンガ造建物が多いんですね?
たとえば、鉄筋コンクリート造でないと出来ない大空間を取りたいけど、外壁にレンガを張るほどのお金もない。でも、外観はまわりに合わせたいっていう苦肉の策かも・・・。

日本の住宅によくある、レンガ調のサイディングボードを木造に張っているっていうのよりは、マシな気がする。
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うちの塀 (Chun)
2015-07-21 19:15:52
は、木目調アルミ製です(笑)
だって、木製の半額以下だったんだもん...
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表面加工 (江里)
2015-07-21 21:22:39
鉄筋じゃなくて、たぶんこの規模のならコンクリートブロックを積んでると思うけど、うえの、坂を見下ろした写真の右側の建物をみてください。レンガタイル。かっこ悪い。
新築のフラット、街灯の右の、あれももしかしたら構造はコンクリートブロックかもしれませんが、外はちゃんとレンガが積んであります。
坂下の3階建て本格なんちゃって(写真が不備ですが)も同様。レンガが少なくとも外側は、つんであります。
新品仕上がり。

うちのガレージ潰してお台所の増築の時は71年に建った家と同様の時代の少しついたレンガを大工さんが探してきてくれました。
モダンだけど、中までレンガですよ。元からのとあわせて。
木目調アルミ???初耳
グーグルしてみよう。
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