ランカシャーの静かな海岸沿いの町、モーカム Morecomb、続きです。

海岸沿いに建つ、白亜のアール・デコ建築は、ミッドランド・ホテル Midland Hotel 。

正面↑
一番上の写真の遠方右端にちょっと見えています。
イギリスに現存する アールデコ建築の 最高傑作例のひとつ。
戦前に イギリス北部の華やかな社交の拠点の一つとして もてはやされた、モーカムの過去の栄光の象徴です。

19世紀の終わりには、潮風に吹かれ、海水につかる療法が注目され、海浜での休暇がイギリス中で大流行し始めます。
労働者階級も休暇旅行を楽しみだしたのが このころです。
ランカシャー中にたくさんあった 綿工場の労働者が宿泊したのはB&B(ベッド&ブレックファースト=簡易ホテル)。工場の経営者はこのミッドランド・ホテルに宿泊しました。
「ミッドランド」は、鉄道会社の名前です。(1948年にすべて国有化されるまで、イギリスの鉄道はすべて私有でした。)
オープン時は、レンガ造りの重厚な建物だったそうです。鉄道会社直営ホテルの典型的なスタイルです。
1930年に経営者が変わり、古い建物を取り壊して、名前はそのままに 新築オープンしたのが1933年。
当時 もっともファッショナブルだった、アールデコ様式の最新デザイン!
社交界で大評判に!

サー・ローレンス・オリビエ他、ハリウッドスターも、ココ・シャネルも、各国の王室メンバーも泊まりに来たそうです。

戦争中は空軍に接収され、病院として使われていたそうです。
戦後再オープンした時には、アールデコが流行遅れに・・・
それでも1950年代、60年代は海辺で休暇を過ごす家族連れでモーカムは、大賑わい。
中流階級以上の富裕層には戦前からの格式のあるミッドランドは依然として人気だったそうですが・・・
旅客機での旅行が手ごろになった 1070年代以降、スペイン、ポルトガル、イタリア、南フランス、ギリシャやトルコなど海外で夏の休暇を過ごすに人が 急増し始めます。
同時に、気温が30度を超えると ニュースになる、夏もあまり暑くない、雨が 降ったりやんだりで 物価も高い イギリスの海岸の観光地がこぞって不振になりました。
1990年に、日本でも人気のイギリスの人気連続TVドラマ、「名探偵ポアロ 原題Poirot」のロケに使われました。

・・・ユーチューブでビデオを見てみました。撮影に使われたのは、外観だけみたいですね・・・

うちの夫が、ミッドランドで開催されたチェスの選手権に出場して、宿泊したのも1990年代の初め頃です。
立派な建物だったけど、内装はぼろっちくて、アールデコだったかどうかも憶えていないということです。
1998年には経営不振で、とうとう閉鎖になりました。管理、維持費もバカにならない額だったといいます。
かつての賑わいは失われたとはいえ、イギリスの夏を海岸地で満喫しにモーカムにくる人は やはり います。
海岸沿いにならぶ、お手頃で小ぢんまりしたホテルやB&Bのほうが手入れの行き届かないかつての豪華ホテルよりよっぽど快適に宿泊できたんじゃないかと思います。
13年前に私が行った時は、半壊状態、景観ぶち壊し。取り壊しも検討されていたといいます。
第一級保存指定建築の惨めさ・・・
2006年、地元の観光のハイライト、ランドマークとして修復、改装が決定。
2年かけて、ガラス張りのティールーム、屋上のサンルームなど、モダンな要素が付け加えられ修復が完成。

今回、念願の再訪、もちろん、中に入ってみました!
直前予約格安サイトで探せば、思ったよりお手頃な180ポンドぐらいから宿泊できることがわかりました。シーズンオフですし。
うーん、それでもやっぱり高い。
海の見えるロビー奥のティールームでコーヒーでも飲もうか…とも思ったのですが、どこにも値段が書かれてなかったのが不安にさせて・・・やめました。
翌日に戻ってくるつもりだったのですが、予定変更・・・結局、入り口付近の写真だけ取って、出てきちゃいました。


ティールームはにぎわっていました!
お茶を飲んでいる人がたくさんいたので写真を撮るのは遠慮しました。
ミッドランド・ホテルを観光のかなめに、というプランは功を奏しているようです!


ミッドランド・ホテルは、English Lakes Hotels という、湖水地方の観光を推奨する家族経営のホテル、レジャー施設会社によって管理されています。
ミッドランド・ホテルの再オープン以来、モーカムは世界的に評判の高い観光地、湖水地方の一部として売り出す計画のようですよ!
モーカム湾の向こうに湖水地方の山並みがみえます。

↑右端が、ミッドランド・ホテル。海に突き出たストーン・ジェッティの先端近くに見えるのが、ストーン・ジェッティ・カフェ。
ストーン・ジェッティについて書いた前回の記事のリンクを貼りました。↓↓
モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所
外の浜辺のこの辺りは、砂利の多い砂浜でした。
なぜか、波に運ばれて研磨された、曇りガラス状のガラス片がたくさん見つかりました。

1930年代の建物がいくつか残る、海岸沿いの道。

次回はモーカムで見るべきスポットをちょっと取り上げてみますね。
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。


海岸沿いに建つ、白亜のアール・デコ建築は、ミッドランド・ホテル Midland Hotel 。

正面↑
一番上の写真の遠方右端にちょっと見えています。
イギリスに現存する アールデコ建築の 最高傑作例のひとつ。
戦前に イギリス北部の華やかな社交の拠点の一つとして もてはやされた、モーカムの過去の栄光の象徴です。

19世紀の終わりには、潮風に吹かれ、海水につかる療法が注目され、海浜での休暇がイギリス中で大流行し始めます。
労働者階級も休暇旅行を楽しみだしたのが このころです。
ランカシャー中にたくさんあった 綿工場の労働者が宿泊したのはB&B(ベッド&ブレックファースト=簡易ホテル)。工場の経営者はこのミッドランド・ホテルに宿泊しました。
「ミッドランド」は、鉄道会社の名前です。(1948年にすべて国有化されるまで、イギリスの鉄道はすべて私有でした。)
オープン時は、レンガ造りの重厚な建物だったそうです。鉄道会社直営ホテルの典型的なスタイルです。
1930年に経営者が変わり、古い建物を取り壊して、名前はそのままに 新築オープンしたのが1933年。
当時 もっともファッショナブルだった、アールデコ様式の最新デザイン!
社交界で大評判に!

サー・ローレンス・オリビエ他、ハリウッドスターも、ココ・シャネルも、各国の王室メンバーも泊まりに来たそうです。

戦争中は空軍に接収され、病院として使われていたそうです。
戦後再オープンした時には、アールデコが流行遅れに・・・
それでも1950年代、60年代は海辺で休暇を過ごす家族連れでモーカムは、大賑わい。
中流階級以上の富裕層には戦前からの格式のあるミッドランドは依然として人気だったそうですが・・・
旅客機での旅行が手ごろになった 1070年代以降、スペイン、ポルトガル、イタリア、南フランス、ギリシャやトルコなど海外で夏の休暇を過ごすに人が 急増し始めます。
同時に、気温が30度を超えると ニュースになる、夏もあまり暑くない、雨が 降ったりやんだりで 物価も高い イギリスの海岸の観光地がこぞって不振になりました。
1990年に、日本でも人気のイギリスの人気連続TVドラマ、「名探偵ポアロ 原題Poirot」のロケに使われました。



・・・ユーチューブでビデオを見てみました。撮影に使われたのは、外観だけみたいですね・・・

うちの夫が、ミッドランドで開催されたチェスの選手権に出場して、宿泊したのも1990年代の初め頃です。
立派な建物だったけど、内装はぼろっちくて、アールデコだったかどうかも憶えていないということです。
1998年には経営不振で、とうとう閉鎖になりました。管理、維持費もバカにならない額だったといいます。
かつての賑わいは失われたとはいえ、イギリスの夏を海岸地で満喫しにモーカムにくる人は やはり います。
海岸沿いにならぶ、お手頃で小ぢんまりしたホテルやB&Bのほうが手入れの行き届かないかつての豪華ホテルよりよっぽど快適に宿泊できたんじゃないかと思います。
13年前に私が行った時は、半壊状態、景観ぶち壊し。取り壊しも検討されていたといいます。
第一級保存指定建築の惨めさ・・・
2006年、地元の観光のハイライト、ランドマークとして修復、改装が決定。
2年かけて、ガラス張りのティールーム、屋上のサンルームなど、モダンな要素が付け加えられ修復が完成。

今回、念願の再訪、もちろん、中に入ってみました!
直前予約格安サイトで探せば、思ったよりお手頃な180ポンドぐらいから宿泊できることがわかりました。シーズンオフですし。
うーん、それでもやっぱり高い。
海の見えるロビー奥のティールームでコーヒーでも飲もうか…とも思ったのですが、どこにも値段が書かれてなかったのが不安にさせて・・・やめました。
翌日に戻ってくるつもりだったのですが、予定変更・・・結局、入り口付近の写真だけ取って、出てきちゃいました。


ティールームはにぎわっていました!
お茶を飲んでいる人がたくさんいたので写真を撮るのは遠慮しました。
ミッドランド・ホテルを観光のかなめに、というプランは功を奏しているようです!


ミッドランド・ホテルは、English Lakes Hotels という、湖水地方の観光を推奨する家族経営のホテル、レジャー施設会社によって管理されています。
ミッドランド・ホテルの再オープン以来、モーカムは世界的に評判の高い観光地、湖水地方の一部として売り出す計画のようですよ!
モーカム湾の向こうに湖水地方の山並みがみえます。

↑右端が、ミッドランド・ホテル。海に突き出たストーン・ジェッティの先端近くに見えるのが、ストーン・ジェッティ・カフェ。
ストーン・ジェッティについて書いた前回の記事のリンクを貼りました。↓↓
モーカム湾に突き出した、岩ゴロゴロの突堤、かわいいカフェと釣りの名所
外の浜辺のこの辺りは、砂利の多い砂浜でした。
なぜか、波に運ばれて研磨された、曇りガラス状のガラス片がたくさん見つかりました。

1930年代の建物がいくつか残る、海岸沿いの道。

次回はモーカムで見るべきスポットをちょっと取り上げてみますね。
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
今回それにようやく気づきました。
「庭」が無いですね。
写真の見方の問題かもしれませんが、平地にいきなり建物が建ってるように見えます。
180ポンド、2万円くらいでしょうか。
日本の温泉地だと安いくらいですね。オフシーズンでも17000円ぐらいとられます。
ヒラメの方が魚食魚なので美味しいと思います。
ぜひ煮付けではなく、バターソテーでお召し上がりください。
庭?なるほど。気がつかなかった。あ、でも街中のホテルに庭、いるかな?広い海岸が裏庭のつもりかも。
ポワロのビデオをユーチューブで見て気がついたのですが、正面玄関の前スペース、今は駐車場になってて見苦しいのですが、戦前はガランとした景観の一部になってたみたいですねー。ご指摘 納得。あのスペースがあるのとないのではカッコ良さが違います。真ん中にアールデコ風彫刻までありました。(テレビ局が持ち込んだプロップでしょう) 戦前はクルマを持ってる人なんてほとんどいなかったから、駐車場なんていらなかったはずです。ポアロはタクシーで来ました。
そう、シーズンオフの今、出せないことのない金額です。今回は、50ポンドで一泊できる感じのいいホテルを見つけたので突然思い立って出かけた旅行なので見送りましたが、ワザワザ、話題のミッドランドに泊まりに行く、特別な旅行を計画してもいいぐらいの額ですね。
改装後、部屋数が40から60ぐらいに増えて、戦前ほどのプレステージ感は無くなってるはずです。でも中国人にドーッとおしよせられたら雰囲気ぶち壊しかも。