イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

不景気!シャッター街のストックポートを歩く!店が閉まっているのはただ単にロックダウンの行動規制のためだけではなさそうな

2021年03月19日 09時00分00秒 | 気になる出来事、社会情勢
おなじみのスーパーマーケット、アスダにクルマをとめて、ストックポート・タウンセンターにある郵便局に行きました。


運転免許証の更新のためです。

ひさしぶりに「ちゃんと」端から端ま歩いてみた、ほとんどの店が閉まっているロックダウン下のストックポートのショッピングセンターレポートです。

不景気...


空までも、どんよりしていました。


営業を許可されている「生活必需品」を扱う店がぽつりぽつりと点在しているため、それなりの数の人たちがロックダウン下でもショッピングを楽しんでいるようでした。

道行く人々のほとんどすべてが黒っぽいナイロン製のコートを着ていたのでどんより感がいや増してしました。

けっこう繁盛していた、「1ポンド均一店」のうれしそうな表示には....


「地域を支える一端を担うことができて誇らしく思います(意訳)」と書かれています。
コロナウィルスのパンデミックとともにセットで記憶されることになるであろう、「虹」と「ハート」のイメージは連帯、希望、(特に医療従事者への)感謝の象徴です。

1ポンド均一店はスーパーマーケットと同じで、生活必需品である医薬品と食品を扱っているために営業が許可されているようです。


だからと言って、感染拡大を避けるために家にいるべき人たちをショッピングに駆り立てる営業がはたして正当化されるのか....?という微妙な立場の営業です。

あらあら、同じチェーン展開の1ポンド均一店が、ショッピングセンターの真ん中あたりでは閉店セールをやっています。




「最終日! FINAL DAY!」なんて書かれていますが、この文句は売り切るまで何日でも何週間でも表示され続けるのが普通です。
「90%OFF!」なんてムチャクチャなことをしているので、おそるおそる入ってみました。

大量のDVDが、出入り口近くの床やワゴンの上や段ボール箱の中や、とにかく売り場の棚ではない場所に散乱していました。
全部が90%引き対象の商品みたいでした。(聞いたことのないタイトルの映画のDVDばかり)
他のものはすべて売り切ったようです。

DVDは絶対に生活必需品ではありません!

床面積の80%を占める立ち入り禁止の奥には事件現場のようなテープがはりめぐらされていました。
すべての棚がとり下ろされて床に無秩序に積まれた店内は災害現場のような様相でした。
ここまで荒んだ状態の営業中の店をいまだかつて目にしたことがありません。

となりの美しいアール・デコ建築の店舗は閉店して2年以上たつマークス&スペンサーという老舗デパートでした。


荒れ果てて寂莫感ひとしお.....

シャッター街くさいのはロックダウンの営業規制のせいだけではなさそうです。
どうやら、ロックダウンがあけた後も店を開けることなく店じまいに追い込まれた事業主も多そうです。



撤退したあとの店では改装工事がすすんでいました。
ロックダウンあけに新しい店が開店するらしいのはとりあえず喜ばしいですね。



セールの表示はクリスマスの後のギフト用品と冬物を一掃する節目の大セールの準備のためだったはずです。
クリスマスの終わりとともに今回のロックダウンが始まりました。

ここ北西部はたしかクリスマスの翌日はギリギリ、ロックダウン前だったので1日か2日ぐらいはセールのための営業をしていたと記憶しています。

☝いちばん最初の写真☝を見てください。
繁盛している庶民派スーパーマーケット、アスダの向かいは、比較的高級目の品ぞろえのスーパーマーケット、セインズベリーだったのです。

いつの間にか閉店して現代アートのような無機質なコンクリートの塊と化した空き店舗になっていました。


スーパーマーケットはパンデミックの影響を受けていないと思うのですが、このエリアはスーパーマーケットの激戦区です。
1ブロック先にはイギリス最大規模のスーパーマーケット、テスコが数年前に大規模店を開店して繁盛しています。

キリのいいところで撤退したのかもしれません。(私の勝手な推測です)

今回のロックダウンではカフェは持ち帰り営業で店を開け続けています。


ファーストフードレストランも然り。


「二階にもお席があります MORE SEATING UPSTAIRS」の白いネオンサインが点灯していますが、二階どころか店内の飲食は全国一律に禁止です。
店内の電灯をつけたらいっしょに点灯しちゃうしくみなのか、それとも客寄せ効果を狙ってわざとつけておいてあるのか....?

生活必需品販売とは関係なさそうな老舗の文具店が営業中でした。


「店内一掃セール当店で開催中 CREALANCE OUTLET IN THIS STORE 」の目立つ表示がありますが、もしかしてここも閉店準備中?

旅行代理店が開いていました。


おそらく、予約した人だけが店内でスタッフと面談する段取りになっていたはずです。

パンデミック収束が目前に見えてきたイギリスです。

夏には南欧やトルコ、北アフリカなど暑い国での海辺のホリデーに行く気満々の人たちが予約に殺到しそうな気配です。

「コービッド保証付き INCLUDING COVID COVER 」と書かれています。
コロナで旅行を中止せざるを得なくなったり、旅行中に発症したりなどのコロナがらみの不可抗力事態への対応が保証されているということでしょう。
コロナ検査で陽性判定して入国できなかった場合などにも旅行代金が戻ってくるのではないでしょうか。(詳細は調べていないのでわかりません)

ワクチン接種が異例の急ピッチで進んでいるイギリスでは夏の休暇シーズンまでに多くの人が接種を完了することが予想されているのですが、受け入れる国々ではまだまだなはずです。
接種を受けていても感染はするのですから、すべての海外からの入国者がじゅうぶん感染持ち込み源になり得ます。
入国の際の検査で陰性とされても、潜伏期間を経て滞在中に(すでに多くの現地の人と接触しちゃってから)陽性になる人もいるそうです。
イギリス人観光客を受け入れないことには経済が立ち行かない、せっぱつまった観光立国がヨーロッパ周辺の暑い貧しい地域にたくさんありそうです。
感染しても発症することがない接種完了者が、よその国で接種を受けていない人に感染させて死亡させちゃったりしたら.....本当にどうするんでしょうか。
それは、とにかく受け入れる国次第ですよね。

「オンラインでのご利用案内」の表示が貼ってある大規模チェーン店が多かったのです。


となりの眼鏡店チェーンは撤退していました。
オンライン営業だけで充分やっていける認知度の高いチェーン店は家賃や人件費を払って、各地のハイストリートに店を構え続ける是非を考え直す時期に来ているのかもしれませんね。

イーシグ e-cig (電子タバコ)屋のナサケナーイ表示です。


「ドアをノックしてください。店の者がドアをあけにまいります KNOCK ON THE DOOR SOMEONE WILL COME TO ASSIST YOU 」
というはり紙のASSIST のスペルが間違っていたので余分な 「E」がボールペンでぐちゃぐちゃッと塗りつぶされています。

そのまま貼っちゃってないでもう一度タイプして貼りなおしたらどうでしょうかっ?!

ドアに鍵がかかっていました。
写真を撮ろうとしたら、ターバンを巻いたシーク教徒の青年が内側から愛想よくドアをあけてくれました。
「ごめんなさい、予約してないんです」と言ってQRコードの写真を撮るふりをして、上の表示を撮りました。

オンラインで注文支払いを済ませて、来店の予約をした人のみが商品を受け取りに来ることができるクリック&コレクト営業 click & collect をしているようです。

ロックダウンがあけてもシャッターが下りたままの店がいっぱい残りそうなストックポートのショッピングエリアです。

運転免許証の更新は無事すみました。
郵便局で係の人に証明書用の写真を撮られたのですが、撮った写真を見せてくれない!のです。
(カメラはガラス張りのカウンターの外にあり、撮る人はカウンター内で遠隔操作をするハイテクなシステムでした)

後日、撮った写真が焼き付けられたプラスチック製の免許証が郵送されてくるそうですが、とんでもなくヘンな顔にうつっていたらどうしようと不安です。


コービッドというのはコロナウィルスによる感染症の正式名「コーヴィッド・ナインティーン COVID19 」のイギリスでのもっとも一般的な呼び方です。
日本でもっぱら使われる「コロナ」はウィルスの通称としてしか使われることはありません。











コメント (2)
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