先週、天気の良い日に車でストックポートの自宅から車で15分、クォリー・バンク・ミル Quarry Bank Mill に行きました。
グレーター・マンチェスターの外、チェシャーの町ウィムスロー Wilmslow の町はずれ、スタイル Styalという村にあります。
所有者のナショナル・トラスト National Trust によって修復、保存されている産業革命時代の綿織物工場(ミル mill)と、経営者の邸宅、庭園が公開されています。
広大な自然保護区域、スタイル国立公園 Styal National Park の中にある、史跡、自然保護区域のアトラクション。
上の写真のミルは現在改装中で公開されていません。
通常は、テキスタイル関係の博物館として公開されています。見ものは今も現役で作動している水車タービンを動力とする紡績機と綿織機(修復だそうですが)!
実演用だけでなく、実際にこのミルで織られた布で作られたテーブルクロスやエプロンなどが売店で売られています。
工事中の覆いの下の左側に ミルの見学が休止中も営業しているカフェ入り口があります。
お昼ご飯を食べた後...
今回、3年ぐらい前にオープンしたという庭園に入ってみました。
この場所にもともと庭園があったということなのですが、ナショナル・トラストが廃業して久しい工場ほか、まわりの設備や敷地を買い上げた1939年には ただの空き地だったそうです。
それまで何回も来ているのですが、この場所に何があったか、記憶にありません。
広い敷地のそこら中にあった立ち入り禁止の場所のひとつだったはずです。
入ってすぐの場所にある手入れの行き届いた広い芝生とヒメリンゴの木のトンネル(予定)
子供が遊べるようにレトロな輪投げや木のボーリングセットが用意してありました。
一週間の学校休暇、「ハーフ・ターム」期間だったからなのですが、誰も遊んでいる子供はいません。
奥の建物は、カフェと園芸店。
この庭園で育った植物の苗木や子株を販売しています。
隙間なく多年草が植えられていて、一年中絶え間なく何か花が咲いているよう工夫されているはずなのです。
それも公園の花壇のように 咲き始めの花を植えて 咲き終えたら抜いて次のと植え替える、といったことをせず、さかりを過ぎた花と これからの花が同居する、コテージ・ガーデン風(日本でいうイングリッシュ・ガーデン)を目指しているのがよくわかります。
といっても、なんだかいかにもまだ造成中、って感じですね。
どこを見てもきれいなのですが、おんなじ花ばっかり目に付きます。
典型的なコテージ・ガーデンはもっと雑多な種類の高さも色も違う草花がごちゃごちゃ咲き乱れているものなのですが。
青いのもピンクのもサルビア。
サルビアが花のさかりを過ぎたら この花壇がどう見えるのか気になります。
木も植樹されたばかりのものがほとんど。
…現在進行形の庭園と見てよいでしょう。
ビクトリア時代風の新設温室。
ブドウの温室です。これも新設。
立札によると、中で育ったブドウが地下のレンガアーチをくぐって外の菜園に芽を出すのを待って、厚く撒いた馬糞が発酵中とのこと。
後ろのレンガ壁も、ヴィクトリア時代の大邸宅内の庭の伝統的な walled garden (囲い庭)を再現した新築。
この時期、一番の見ものは、ボタン!
必ずしも伝統品種とは限らないようで、創意あふれる傑作品種名をいっぱい見かけました。(あ~、どれも思い出せない)
日本の小学校で入退場門を飾ったチリ紙の花を見つけました!咲いてる!
これが、全部いっせいに花の時期を終えたらこのスペースをどうするのでしょうか。
ボリュームたっぷり しおれたボタンの花の総攻撃が出現するはずです。
花壇とともに、菜園もありました。写真を撮ったのはかわいいアーティチョークだけ。
この庭園は、かなり高い場所にあるのです。
下に工事中のミルが見えています。
以上の造園進行中の平らな庭園はアッパー・ガーデン。
この下には、林と境があいまいな、野趣あふれるロウアー・ガーデンがあるのです。
ロウアー・ガーデンとアッパー・ガーデンの境界には林から野生のウサギが侵入してこないように柵が設けてあります。
菜園の作物やお花を食べちゃうんですね。
ところで、ナショナルトラスト、日本人にもその活動がよく知られていますよね。
日本人に大人気の、ピーター・ラビットの作者、ビァートリクス・ポッターが私財で買い集めた湖水地方周辺の景観、自然保存地域がもとになっています。
私営のチャリティ団体です。
運営はかなり高額の入館料、駐車代、アクティビティ参加代、結婚式などの会場提供などなどのほか、善意の寄付で賄われています。
ナショナルトラストが所有する庭園や館内に入るには入場料が徴収されますが、多くの史跡、自然保護アトラクションの敷地内を散策するにはお金は取られません。自由に出入りできます。
クォリー・バンク・ミルは何回も訪れているのですが、いつも川辺や林の中の散策をするだけ。
お金のかかるミル、そのほかの施設に入ったのは本当に数えるほどの回数です。
今回、思い立って、夫婦でナショナル・トラストの「年間会員」になりました!
会員はナショナル・トラストの駐車場や施設が無料で使用できます!
(ほぼ)すべて無料で入館入園できます!
私たちがはらったのは二人で一年間、120ポンド( 17,620 円 )。
で、この会費ですが 実にややこしいのです!
16歳までの無職の子供一人を加え、(うちの息子は自然にも史跡にも興味がなく、両親とそういうところに出かけるなど、考えただけで身の毛がよだつほど嫌悪するはずですが)一人が60歳以上、2人とも定収入なし、という条件ではじき出された値段です。
この、クォリー・バンク・ミルのミル博物館、庭園、ミル経営者の邸宅、アプレンティス・ハウス(後述)のすべての入場は 大人1人 13ポンド(1910円)もします。
(一度の訪問で全部見て回るのは無理そう)
一年に2人で5か所行けば、元が取れる計算ですね。
入会手続き後、会員証の発行に時間がかかるということで、レシートを提示して、庭園に無料入園を果たしました!
庭園入園のみ、ならいくらだったのか聞きませんでした。 調べられません。
(料金徴収システムが煩雑で、わけがわかりません)
ナショナル・トラスト所有の自然、史跡保存地のアトラクションは、イングランド、ウェールズだけで 520余りもあるそうです。
国中 回るつもりはありませんが、ストックポート日報 に何回も記事を載せている、車で15分のライム・パーク Lyme Park や 30分で行ける タットン・パーク Tatton Park に もっと たびたび行くことにするでしょう。
7ポンドの駐車場代を払わないでよいだけではなく、邸宅、庭園にも無料でいつでも出入りできるのですから。
ナショナル・トラスト所有地を訪れて、料金の高さに憤慨した方もいるでしょうね。
「誰かが儲けてるな」って。
違います。
史跡や自然が俗悪な観光地化し、特定の業者の金儲け手段になるのを食い止めるため、あるがままの状態で保存し、後世に伝えていくためには 莫大な資金が必要なのです!
寄付です。「イギリスの素晴らしい景観を守る手助けに善意の寄付をしてきた」と思ってくださいね。
次回に続く。
↓↓↓画像をクリックしてください。はい、ありがとう。
グレーター・マンチェスターの外、チェシャーの町ウィムスロー Wilmslow の町はずれ、スタイル Styalという村にあります。
所有者のナショナル・トラスト National Trust によって修復、保存されている産業革命時代の綿織物工場(ミル mill)と、経営者の邸宅、庭園が公開されています。
広大な自然保護区域、スタイル国立公園 Styal National Park の中にある、史跡、自然保護区域のアトラクション。
上の写真のミルは現在改装中で公開されていません。
通常は、テキスタイル関係の博物館として公開されています。見ものは今も現役で作動している水車タービンを動力とする紡績機と綿織機(修復だそうですが)!
実演用だけでなく、実際にこのミルで織られた布で作られたテーブルクロスやエプロンなどが売店で売られています。
工事中の覆いの下の左側に ミルの見学が休止中も営業しているカフェ入り口があります。
お昼ご飯を食べた後...
今回、3年ぐらい前にオープンしたという庭園に入ってみました。
この場所にもともと庭園があったということなのですが、ナショナル・トラストが廃業して久しい工場ほか、まわりの設備や敷地を買い上げた1939年には ただの空き地だったそうです。
それまで何回も来ているのですが、この場所に何があったか、記憶にありません。
広い敷地のそこら中にあった立ち入り禁止の場所のひとつだったはずです。
入ってすぐの場所にある手入れの行き届いた広い芝生とヒメリンゴの木のトンネル(予定)
子供が遊べるようにレトロな輪投げや木のボーリングセットが用意してありました。
一週間の学校休暇、「ハーフ・ターム」期間だったからなのですが、誰も遊んでいる子供はいません。
奥の建物は、カフェと園芸店。
この庭園で育った植物の苗木や子株を販売しています。
隙間なく多年草が植えられていて、一年中絶え間なく何か花が咲いているよう工夫されているはずなのです。
それも公園の花壇のように 咲き始めの花を植えて 咲き終えたら抜いて次のと植え替える、といったことをせず、さかりを過ぎた花と これからの花が同居する、コテージ・ガーデン風(日本でいうイングリッシュ・ガーデン)を目指しているのがよくわかります。
といっても、なんだかいかにもまだ造成中、って感じですね。
どこを見てもきれいなのですが、おんなじ花ばっかり目に付きます。
典型的なコテージ・ガーデンはもっと雑多な種類の高さも色も違う草花がごちゃごちゃ咲き乱れているものなのですが。
青いのもピンクのもサルビア。
サルビアが花のさかりを過ぎたら この花壇がどう見えるのか気になります。
木も植樹されたばかりのものがほとんど。
…現在進行形の庭園と見てよいでしょう。
ビクトリア時代風の新設温室。
ブドウの温室です。これも新設。
立札によると、中で育ったブドウが地下のレンガアーチをくぐって外の菜園に芽を出すのを待って、厚く撒いた馬糞が発酵中とのこと。
後ろのレンガ壁も、ヴィクトリア時代の大邸宅内の庭の伝統的な walled garden (囲い庭)を再現した新築。
この時期、一番の見ものは、ボタン!
必ずしも伝統品種とは限らないようで、創意あふれる傑作品種名をいっぱい見かけました。(あ~、どれも思い出せない)
日本の小学校で入退場門を飾ったチリ紙の花を見つけました!咲いてる!
これが、全部いっせいに花の時期を終えたらこのスペースをどうするのでしょうか。
ボリュームたっぷり しおれたボタンの花の総攻撃が出現するはずです。
花壇とともに、菜園もありました。写真を撮ったのはかわいいアーティチョークだけ。
この庭園は、かなり高い場所にあるのです。
下に工事中のミルが見えています。
以上の造園進行中の平らな庭園はアッパー・ガーデン。
この下には、林と境があいまいな、野趣あふれるロウアー・ガーデンがあるのです。
ロウアー・ガーデンとアッパー・ガーデンの境界には林から野生のウサギが侵入してこないように柵が設けてあります。
菜園の作物やお花を食べちゃうんですね。
ところで、ナショナルトラスト、日本人にもその活動がよく知られていますよね。
日本人に大人気の、ピーター・ラビットの作者、ビァートリクス・ポッターが私財で買い集めた湖水地方周辺の景観、自然保存地域がもとになっています。
私営のチャリティ団体です。
運営はかなり高額の入館料、駐車代、アクティビティ参加代、結婚式などの会場提供などなどのほか、善意の寄付で賄われています。
ナショナルトラストが所有する庭園や館内に入るには入場料が徴収されますが、多くの史跡、自然保護アトラクションの敷地内を散策するにはお金は取られません。自由に出入りできます。
クォリー・バンク・ミルは何回も訪れているのですが、いつも川辺や林の中の散策をするだけ。
お金のかかるミル、そのほかの施設に入ったのは本当に数えるほどの回数です。
今回、思い立って、夫婦でナショナル・トラストの「年間会員」になりました!
会員はナショナル・トラストの駐車場や施設が無料で使用できます!
(ほぼ)すべて無料で入館入園できます!
私たちがはらったのは二人で一年間、120ポンド( 17,620 円 )。
で、この会費ですが 実にややこしいのです!
16歳までの無職の子供一人を加え、(うちの息子は自然にも史跡にも興味がなく、両親とそういうところに出かけるなど、考えただけで身の毛がよだつほど嫌悪するはずですが)一人が60歳以上、2人とも定収入なし、という条件ではじき出された値段です。
この、クォリー・バンク・ミルのミル博物館、庭園、ミル経営者の邸宅、アプレンティス・ハウス(後述)のすべての入場は 大人1人 13ポンド(1910円)もします。
(一度の訪問で全部見て回るのは無理そう)
一年に2人で5か所行けば、元が取れる計算ですね。
入会手続き後、会員証の発行に時間がかかるということで、レシートを提示して、庭園に無料入園を果たしました!
庭園入園のみ、ならいくらだったのか聞きませんでした。 調べられません。
(料金徴収システムが煩雑で、わけがわかりません)
ナショナル・トラスト所有の自然、史跡保存地のアトラクションは、イングランド、ウェールズだけで 520余りもあるそうです。
国中 回るつもりはありませんが、ストックポート日報 に何回も記事を載せている、車で15分のライム・パーク Lyme Park や 30分で行ける タットン・パーク Tatton Park に もっと たびたび行くことにするでしょう。
7ポンドの駐車場代を払わないでよいだけではなく、邸宅、庭園にも無料でいつでも出入りできるのですから。
ナショナル・トラスト所有地を訪れて、料金の高さに憤慨した方もいるでしょうね。
「誰かが儲けてるな」って。
違います。
史跡や自然が俗悪な観光地化し、特定の業者の金儲け手段になるのを食い止めるため、あるがままの状態で保存し、後世に伝えていくためには 莫大な資金が必要なのです!
寄付です。「イギリスの素晴らしい景観を守る手助けに善意の寄付をしてきた」と思ってくださいね。
次回に続く。
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