昨年12月28日、防衛省の職員が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価書を入れたダンボール箱(箱には差出人もあて先も書いてないようだ。)を、午前4時に沖縄県庁の守衛室に運び入れたそうである。前日の運送業者による搬入を住民団体に妨害されたからではあるが、まあ、姑息な話である。
ここでは、普天間飛行場の移転問題について触れるつもりはないが、この評価書、沖縄県は、正月明けの1月4日に開封し、形式審査を経て1月5日に「受理」することを決定し、12月28日付で「受理」したと発表した。ちょっと変な話である。当然ながら、実際に「受理」した日(1月5日)が受理日であり、まだ受理していない日にさかのぼって受理するというのはどういうロジックなのだろう。
そもそも、行政手続法(国や地方公共団体相手には適用がないが考え方の参考に)では、「受理」という概念はなく、到達したら遅滞なく審査を開始しなければならないとされているが。しいて言えば、審査をして形式的な要件を満たしていると判断されたときが「受理」であり、受理日は1月5日、到達日(受領日)は12月28日とすることが正しいのだろう。
本来ならば大勢に影響はないのだが、4月1日から法令が改正され、知事の意見書提出期限の90日の起算日がいつになるかで新旧法令の適用が異なってくるため、大きな問題となっている。行政手続法の考え方や環境影響評価法の書きぶりなどからは、到達日を起算日にするのが正しいように思われるが、受理日を起算日とすべきとの考えもあり、今回は部数も不足していることもあって、問題がより複雑になっている。
また、別の問題だが、これ以前の12月27日に、「宅配業者」のトラックが評価書を運び込もうとして、住民団体に妨害されたようである。未遂?ではあるものの「信書」は郵便でしか送れず、宅配便などでは送れないはずだが、これは「信書」ではないのだろうか。
信書とは、郵便法で、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」となっており、日本郵政のホームページに照らしてみても(彼らはダイレクトメールなども信書だと主張している。)信書になるはずで、政府は郵便法違反であると思う。これが認められるのならば(国がやっているのだからいいのだろう。)、これまで高くつくのにわざわざ郵便で送っていた書類なども安い宅配便やメール便で可能になるのだが。
ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします