国の平成24年度政府予算案が発表された。予算の中身については、やはり民主党だけあって、これで日本がよくなるとは思えない怪しいものであるが、それを論じる意見はほかにたくさんあると思うので、その報道の仕方でちょっと気がついたことを書いてみたい。
問題だと思うのは、福井新聞に掲載された予算の説明である。電子版の産経新聞にも同じ図が載っていたので、共同かどこかの配信と思われる。国債=ローンの返済など、国家予算を家庭の予算に例えるありがちなものだが、地方交付税のところが、「地方の子どもへの仕送り」となっている。
ちょっと待ってほしい。地方の子ども(?)への仕送りは親が親の負担でするものであるが、地方交付税は国の金ではない。地方交付税は都市と地方の財源の偏在を調整するためのもので、地方公共団体の固有かつ共有の財源であり、国が地方公共団体に代わって便宜的に一括徴収し、その分が地方に交付されているだけである。
もともと国と地方の支出割合が2対3であるのに対し、租税収入全体の中における国税と地方税の比率は制度的に3対2となっているため、それを適切に補正しようとするためのものであり、国にお願いしていただくものではない。強いて家庭の予算に例えるなら「地方の家族への預かり金の返済」である。よくわからないか。
ともかく、報道機関がこういう感覚でいるから、知事に上から目線で対応して暴言を吐くバカな大臣や、国の職員は県や市町村の職員より偉いと思っている困った役人が現れるのである。
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