市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

食欲の秋 ラーメン屋 

2005-11-02 | Weblog
 昨日の大番ラーメンのつづき:

 大番ラーメンのスープは、流行のとんこつ、こってりスープではない。とんこつスープは通常、業務用の凝縮スープで仕上げられる。とろりとした、いわゆる九州とんこつ味であるが、凝縮スープではどの店の味も同じになってしまう。店の個性的味を出そうとすると、自家製でなければならない。そのこだわりのスープである。澄んでいて、最後の一滴までぼくは安心して飲み干している。真っ白のもやし、きれいな豚肉、ゆで卵の輪切りの浮ぶスープは美しい。400円である。

 昭和町の角に店を開いて27年という。その前にジャスコで10年余り開いていたが高家賃に耐えられず、現在の場所に移った。今は息子さん(45)と母とで営業している。ジャスコのころ、彼はまだ中学生であったが、スープの火を見るのは彼の日課だったという。今でもラーメンのスープは、日によって出来、不出来がある、底知れない味を生むという。11時から24時までの営業で、店が終わって明日の準備で午前7時半ごろまで居るという。ラーメン店ではたいがいそうじゃないですかとこともなげにいうのだが、この労働とはおどろきだ。

 まったく似たような店で、写真の「らーめん屋」がある。(宮崎市中津瀬57・平和台腺バス停前)ここのスープも澄んでいる。こちらも400円だった。初老の夫婦でやっている。店内は、輝くようにキチンと整理されている。この主人と大番の彼との共通点は、いい顔をしていることである。現在では、観られなくなった大学教授、助教授の顔である。品位と知性を感じさせる。職人の技が、もたらした表情をもたらしたのかもしれない。

 食欲の秋は、知性の秋でもある。あるべきところに知性はないのかもしれない。
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