市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

一高校生の本音

2005-05-23 | Weblog
このコラムの第4回目12月29日に、投稿した『どん詰まり宮崎県2005年の若者像』の初めに紹介した一高校生の作文を、日曜に本の処分をしていたら見つけることが出来た。紹介では『私は宮崎が嫌いだ』で始まるとしたが、原文は違った。作文は以下のように始まっている。

 あたしは、ずっと宮崎が嫌だった。宮崎は田舎だし、山ばっかりで楽しそうな所が一つもなかった。けれど、今はオーシャンドームができた。けど・・・高い。一度は行ったみたいのだけど、行くひまがない。日南からじゃ遠いし、つかれる。
 あたしは、もっといろんなものを建ててほしい。“ダイエー”が建つなんて言ってて、全然建たない。あそこは空き地のまま。・・・・・・それにさ、日南あたりは、ずい分と無人駅が増えたじゃない? もっとさ、田舎に何か珍しいものでも作ると、そんなのもなくなるだろうしさ。
 まったく、宮崎ってだめね。あたし、就職がよそでよかった。たまにさ、帰省したときぐらい遊ぶ場所がほしいよ。絶対。皆、そう思ってるはずだよ。誰だって、おじいさん、おばあさんの多いこんな所より若者が多い都会を選ぶわ。あたしだってそう。おじいさん、おばあさんだけなんてつまんない。

 まさに本音ずばり、音楽を聴くように快適な一文である。1995年の掲載だから、10年前だ。宮崎市にイオンショッピングモールができた。ここを訪れたら、彼女はどんな言葉で語るだろうか。今、彼女はどこで何をしているのだろうか。消息がしりたいものである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする