「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

鼻濁音

2017年12月28日 | 今日のお仕事 
中2国語の授業の中で「方言と共通語」という単元を学習しました。

まだ新潟県人以外と話す経験があまりない生徒たち。
自分たちが日常生活でけっこう方言を使っているという自覚がほとんどないので
この単元は毎年盛り上がります。

毎年騒然とするのが
新潟県では2音の言葉(「橋」「雨」など)のアクセントは共通語と一緒だけど
3音の言葉(「卵」「イチゴ」など)のアクセントは共通語と違う…こともある
というもの。
まご」「チゴ」が「ラス」と同じアクセントで違和感がないので
共通語では違う、と伝えると動揺が走るのです。

最近は標準語と同じアクセントで話す中学生が増えたようで
動揺というより、クラスを二分して「どっちがメジャーか」論争が起きました。
すでに「共通語」と「方言」と決着がついているのになあ。

他にも、「しろ」「とな」「くろ」「らし」「ずめ」なんかも
1音目にアクセント置いて違和感がない言葉です。
私の場合、それが方言だとわかっているので
授業中は共通語のアクセントで話すようにしていますが
とっさの時にはどちらが出るか、出てみないとわかりません。

そして今年は、初めて採用したテキストの中に「ガ行の鼻濁音」の記述があり
「なんですか、コレ?」という質問が。
コレ実は新潟県人の辞書には載ってないヤツ。

普段から「そーいがー?」(訳:そうなの?)「行かねーがー?」(訳:行かないの?)と
がーがー言ってる我々のガ行はすべて破裂音。ガ行が多いとノドが痛くなる感じです。

一応「鼻濁音」について説明したのですが、実演はできませんでした。
私も生粋の新潟県人なので。
テレビのニュースは共通語だから、鼻濁音が使われていると思うけど
生徒たちはニュース見てないし、すぐにはピンとこないようでした。
以前いた長野県出身のバイトさんは、ガ行の発音がキレイだったんだよなあ…。

生徒たちには「お正月に他県の親戚に会ったら聞いてみて」と言ってみたけど
お年玉に心を奪われて、覚えちゃいないだろうな。