スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

祇園 一力亭の夜

2023-07-19 05:59:35 | コラム

祇園花見小路入口の角、ここだけ弁柄色の建物が強烈に訴えてくる一見さんお断りを今でも通しているお茶屋「一力亭」

歌舞伎の「仮名手本忠臣蔵」にも登場する歴史的なお茶屋で、元の屋号は万亭でしたが、この芝居が大当りし、世に知られるようになると実在の屋号までが芝居の中で使われる一力と言う名で呼ばれるようになった。

歴代茶屋店主では中興の祖で九代目杉浦治郎右衛門が名を知られている。

明治の初、祇園祭が危機に成った時初代宮本組(祇園祭を民間人で運営する団体)組長として祇園祭を復活させた人と言われている。

一力亭に入る入口と玄関

入口は威風堂々として威圧感を感じる玄関への土間も広く、お茶屋のイメージを越えている。

外に下足番が目を光らしていたのも驚ろいた。

宴会場から見えたお庭。

そして東司。

いわゆるトイレ。

草鞋と手水が風情があっていいですネー。

2階への階段も歴史を感じます。

過去に幾多の歴史上の人物がこの階段を登ったのでしょうね。 

大石内蔵助とか。

黒く磨かれた廊下と出演を待つ方々が休憩していた控え室。

この日は全館貸し切りに成っていたとか。

それでは一力亭の建物内部の目に止まった所のスナップを紹介しましょう。

床の間、そして欄間の建具 味がありますネ。

天井も高くて気持が良い。

掛軸も恐らく皆由緒あるものを掛けてあるのでしょうがよくわかりません。

とにかく京都ではこの設えが大切なポイントなのです。

この衝立、襖は年寄が入っていますネ。

一つ一つ歴史を背負った逸品なんでしょうね。

お淩い会が終った後いよいよ祇園での宴会。

今回は芸・舞妓さん10名を呼んでの夢の時が流れたが、一力亭さんでは動画撮影は禁止との事で非常に残念ながら、華やかな世界のほんの一端しかお伝えできません。

かつらの2人の芸妓さんの舞。

そして3人の舞妓さんの舞。

宴席のセットは一力亭では男衆の仕事とか。

これも又絵に成っていました。

肝心なお料理の方は芸・舞妓さんの圧倒的な華やかさに負けてこの一枚撮っただけであとは忘れてしまいました。

因みにお茶屋の料理は基本仕出し屋さんから取るというのが、ならわしとか。

お茶屋以外も晴れの料理は仕出しが京都では一番のもてなしということで京都では仕出し屋さんが繁栄している。


邦楽同好会お浚い会 IN 祇園

2023-07-18 06:11:06 | イベント

今回の旅のメインイベントは浦和東ロータリークラブが誇る邦楽同好会のお浚い会。

今までに熱海(2019-3-11付参照)、神楽坂(2022-6-6付参照)に続いて

とうとう一見さんお断りの歴史的お茶屋さん祇園「一力亭」で

華々しく開催することになりました。

とうとう来るべきところまで来たかという感を強く持ちました。

会場の一力亭。

祇園の中でも最も格式の高い由緒のあるお茶屋さんで、

花街祇園甲部のお茶屋のシンボル的存在。

弁柄色の界壁の風情が絶対的存在感をアピールしている。

祇園甲部の数あるお茶屋でもこのような広い部屋があるのは

一力亭ともう1つだけと聞いた。

これから始まるお浚い会の前に皆さん緊張しながらその雰囲気を味わっている出演者の皆様。

今回わざわざ東京から三味線で来ていただいた東音の2人の女性と貴音の由多加先生。

東音とは東京芸術大学邦楽科を卒業したOGの方々。

実はこの方のお力で一見さんお断りの超有名茶屋一力亭でこのような席を設けることができた。

貴音由多加さんは長唄の人間国宝で日本芸術院賞受賞の宮田哲男(東京藝術大学元教授)の長男。

現在祇園で定期的に芸舞妓に長唄、三味線を教えている。

そしてこの方が浦和東ロータリークラブ邦楽同好会を約40年間という長きの間、

長唄を指導してくれたH先生。(貴音ひろみ)

先生も東京芸術大の卒業で人間国宝の宮田哲男先生の教え子で愛弟子。

一番バッターの4名のメンバー。

男性3名のお揃いの着物は正絹の素敵なユニフォームだ。

演目は「供奴」。

「仕て来いな やっちゃ仕て来い 今夜の御供・・・」

こちらは2番手の女性3人組。

こちらもお揃いの浴衣がよく似合う。

演目は「菖蒲浴衣」。

どうやら長唄の演題に合わせて浴衣を誂えたようだ。

こちらの女性は唯一、三味線で出演した方。

演目は「都鳥」。

後で聞いた秘話だがこの三味線は浦和のベテランの芸者からいただいたものだとか。

4組目となるとベテランの方々の出番となる。

曲名は「新曲浦島」。

ちなみに本職は設計の先生と弁護士さんだ。

こちらは同好会メンバーではないが皆、長唄が大好きで真剣勝負をしていた。

曲名は「官女」。

ちなみに1人はH先生の妹さん、1人は設計家の奥さん、そして最後の1人はスミダマンの…。

一番後ろからパチリ。

曲名は「都風流」。

こうして曲名を見ていくと京の都を意識した選曲をしたのか?ふとそう思えてきた。

だとすれば本当に粋なことだ。

この男性陣がシンガリのグループ、勘と度胸の「勧進帳」。

長唄のレベルは別として夢のような時間を有難うございました。

頂点の一力亭でゴールかと思いましたが、

噂では懲りずに金沢東茶屋でまた芸者を揚げてやるみたい。

結構毛だらけ猫灰だらけです。


浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編463~

2023-07-17 06:48:34 | 食~番外編(京都)

うまいもんや 光琳

京都市東山区宮川筋285

TEL 075-541-8050

定休日 日曜日、月曜日(ランチ)

https://a-dos.ne.jp/gourmet/kourin/

祇園の南、花街宮川町で気軽に京料理が楽しめるお店が「光琳」さん。

創業して60年、ここに1995年5月10日に開業したとのこと。

当店は実は昔から「スミダマンのほのぼの奮戦記」にアクセスしてきてくれている

TV-CM、TVドキュメンタリー番組のディレクター&カメラマンのブログ

「JFKワールドWorld」さんのブログを見て知りました。

JFKさんのブログ写真はとにかく素晴らしくてびっくりするほどの美しさです。

是非一度アクセスすることをお勧めいたします。

ご覧のように当店は宮川町の元お茶屋さんの建物を改造して造られた

京都らしい風情漂う京料理のお店です。

入口のところにかかっている提灯のマークが宮川町のマーク「三つ輪」の紋章。

これは寺社と町屋と花街の三者の結合をイメージしたものです。

玄関を入ると手前に小上りのお座敷コーナー4テーブルと奥にカウンター席5席がある。

上り席はいかにも京都の香りがして良い感じだ。

入店した時は1時過ぎだったのに満席であった。

通されたカウンター席から見た厨房風景。

カウンター席は庶民的な感じで気軽に食事ができる。

店内はもとより、トイレに入ったらとてもインパクトがあったので思わずパチリ。

この写真ではシャッターを押した気持ちがちょっと伝わりにくいですネ。

こちらが光琳のランチメニュー。

お刺身天ぷら定食はボリューム感があって1,200円と物価高の京都としてはとてもリーズナブル。

他のメニューも普通の定食屋さんメニューに近く、とても良心的なお値段だ。

ランチメニューに関してはあまり京料理の印象はない。

実は入店前からJFKさんのブログを見て鯛茶漬け定食を注文しようと決めていたが、

お店の人に聞いてみたら今はやっていないとのこと。

仕方なしに鳥山椒揚げ定食1,000円をオーダー。

ご覧のようにボリュームたっぷりで味の方も手作り感があってグッドでした。

お吸い物が水菜(壬生菜)を使い、いかにも京都っぽく、

これで1,000円とはとても良心的ですよネ。

晴れた京都は本当に熱い。

昼間の人気のない宮川町の花街はひっそりしてちょっと寂しいです。


cafe冨月と小説の世界

2023-07-15 06:26:34 | コラム

今回の旅の最大のイベント、

祇園で超有名なお茶屋「一力亭」での邦楽同好会お浚い会。

ところがその夢のような世界に負けるとも劣らない事が起きた。

まさに夢と現実、バーチャルとリアルの偶然の出来事があった。

この話をこれからいたしましょう。

この話のスタートは今年春に遡ります。

スミダマンの知人の仕事打合せをしていた時、たまたま京都の話になった。

するとその知人は奥さんを連れてきて、志賀内泰弘著の「京都祇園もも吉庵のあまから帖」を是非読むように薦められた。

ちょうど寝る時に読む本を探していたので早速購入。

一巻を読むとすっかりハマリ六巻全て購入。

現在六巻目の第三話まで読んだ。

小説のストーリーの構成は一巻5話の短編小説でできている。

舞台は京都・祇園を中心として京都の名所旧跡、

京都人の生活・文化等が描かれている。

そして、結末は人生経験豊富な祇園甘味処の女将「もも吉」の人情の機微に通じた言葉が悩みを抱えた人々の心に響く人生ドラマが展開する。

登場人物を紹介すると「もも吉」は祇園の一見さんお断りの甘味処「もも吉庵」の女将、元芸・舞妓でお茶屋を営んでいた。

「美都子」もも吉の娘・京都の個人タクシーの美人ドライバー。

ときおり「もも也」の名で芸妓も勤める。

かつては舞も人気もNO.1だった。

「隠源」建仁寺塔頭の1つ満福院の住職。

「もも吉庵」の常連。

他に舞妓になったばかりの「奈々江」

老舗和菓子店風神堂の社長秘書「朱音」等々

そしてアメリカンショートヘアのネコ「おジァコちゃん」だ。

晴天で初夏の日差しを受けながら、安井金比羅宮からテクテクと祇園の街の裏の方から歩いて来て、この小説にちょくちょく出てくる神社を目指して来た。

これが「京都祇園もも吉庵のあまから帖」に載っている祇園エリアの地図。

宿泊しているホテルの通り八坂通り。

そして一昨日アップした安井金比羅宮。

今年春に完成して7年振りに当地で「都おどり」が戻ってきた

祇園甲部歌舞練場、京都五山の雄・建仁寺、京都五大花街のチャンピオンの祇園甲部のお茶屋がつらなる花見小路通その入口に弁柄色で目立つお茶屋のランドマーク一力亭。

そして路地に小さく鳥居を構える有楽稲荷など小説によく登場する場所の地図が記載されている。

この有楽稲荷大明神は織田信長の末弟の織田有楽斎を秖っている。

有楽斎に因み「楽しみが有る」とされ、芸能の稲荷社になり、芸妓の技芸上達、茶屋の商売繁盛の信仰を集めている。

創建は不明で、大正期の初めにこの地に祀られたとみられる。

因みに東京有楽町の地名は有楽斎から来ているという説がある。

又7年前に大ヒットしたNHK大河ドラマ「真田丸」の中ではザ・スパイダースのメンバー井上順が有楽斎を演じていたことでも記憶に残っている。

又、建仁寺の塔頭正伝永源院は織田有楽斎が再興し、その墓所もあるという。

テクテク約1時間弱歩いて来て相方が喉が渇きお茶したくなってお店を探していたが、

なかなか見つからず、ようやく店外にメニューが置かれたお茶屋風の店の扉を開け何かに導かれるように入って行った。

「ごめん下さい。ごめん下さい」と幾度も声をかけても返事が無い。

しかしこの日に関してはどうしてもこの店に入りたいと思い呼び続けたと相方は後に言っていた。

因みに相方もこの本の読者だ。

しばらくして通されたこの部屋を見た瞬間ピーンと来た。

カウンター内の造りは違うがまさに小説内の甘味処「もも吉庵」のイメージそのものだ。

当店は昔は4代続いたお茶屋で今はcafe冨月(ふうげつ)で昼間は甘味処、夜は一見さんお断りのBARに成っている。

TEL 075-561-5937

月曜日 定休

http://gionfu-getsu.jimdo.com/

お店の造りは見た所このカウンターコーナーに続いてスミダマンが通された応援ソファーコーナー、奥には中庭が見渡せる堀ごたつテーブルの和室があった。

部屋の設えもまさにお茶屋風。

素晴しい雰囲気です。

甘味処のカフェのメニューも手作りで写真付。

すごく凝っていて、どれも目移りがしてしまう。

まるで小説もも吉庵の名物「麩もちぜんざい」が出てくるようなラインアップだ。

スミダマンがオーダーした金平糖ソーダフロート750円。

緑寿庵清水さんの金平糖を使いソーダのカラーチェンジができる。

素晴しい。

まさに祇園のお茶屋の名に恥じない力作の作品しかも良心的プライス。

これだけでも旅人の心を鷲掴みにしてしまう。

相方はお豆腐白玉御膳1200円

今月の季節あんは宇治茶を使かった抹茶あんだそうだ。

この気使いも小説に出てくるその時々の麩もちぜんざいのイメージにダフッてくる。

ビジュアル的にも一流で本当に素晴しい。

しかし、ここまでのワクワク感は心躍るドラマの序曲、プロローグであった。

この女性がcafe冨月の若女将でとてもチャーミングな女性。

頭も切れしゃべり出したら止まらない。

そして彼女の口から予期せぬ話がどんどん出て来て「エー世の中こんなことがあるのだ?」とビックリ仰天の連続であった。

話を聞いていく内に彼女が小説の主人公の娘、美都子に完全にかぶってきた。

因みに彼女の母は祇園の芸舞妓だったとは小説のもも吉とそっくりだ。

そして彼女が私の席に持って来て説明をしたのが「京都祇園もも吉庵のあまから帖」第六巻。

スミダマンも、一力亭での芸舞妓の話の種にとこの第六巻を持参して来たので若女将に見せるとお互い一瞬沈黙が続き驚ろきの目に変わった。

それからはこの小説に関する秘話が泉が湧くが如く続き感動感激すら覚えた。

・作者の志賀内泰弘氏がよくカフェ冨月に来て小説の内容の事を話しては確認、了解を取りに来る

・もも吉庵の主人公もも吉のモデルは創業100年を超えるお茶屋の「吉うた」のお女将髙安美三子さんで当店若女将の母大女将の大仲よし

・モデルのお茶屋「吉うた」さんは2019年3月火事の延焼で焼けてしまった。

このお茶屋さんは祇園小唄作詞の舞台に成った歴史的お茶屋。

・ここは生えている松は2度の火災に耐え不死身の松だ。

・建仁寺塔頭の満福院のモデルはひょっとして建仁寺塔頭両足院かも(後日アップ)

京都新聞をご覧のあなたへ

志賀内泰弘「お茶屋が焼けても女将は前向き」

火の出た日はうちの79才の誕生日でした。

燃え盛る火を見ながら思いました。

これは神様が燃やしてくださったやと。

人生は何度でもやり直せる、と人は言わはるけど、人は今まで培ったものをたくさん抱えているからゼロからのやり直しはできしません。

そやから神様が「全部燃やしてあげるさかい、ゼロから始めなさい」と燃やしてくれはったんやろう思うたんどす。」

「京都祇園もも吉庵のあまから帖」六巻巻末特別インタビュー(P313)に作者志賀内泰弘氏が「Cafe冨月」

のことを書いてくれたと最後に若女将が六巻のこの部分のページを開いて説明してくれた。

 

 

 

今回のビックリするような出会い、ご縁は単に偶然な出来事では片付けられない必然性を感じた。

この京都には1200年という歳月の積み重ねの重みが人の人生や、文化の彩を織りなしている。

新ためてこの街のすごさを知ってしまった。


安井金比羅宮-Ⅱ

2023-07-13 06:06:14 | 旅 ~京都

(2022-7-23付ブログ参照)

京都屈指のパワースポットとして知られており、

ご利益がすごいと評判の安井金比羅宮へ昨年に引き続き行ってきた。

昨年は早朝散歩で行ったためお参りしている人がほとんどいなく、

一度日中の混んでいる神社を、そしてお参りしている人達の雰囲気や表情を

じっくり見てみたいという悪趣味な発想で来てみた。

それにしても鳥居の下に「悪縁を切り良縁を結ぶ祈願所」の横断幕を掛けているとはすごいですね!

長い参道を進めていくと本堂にたどり着いた。

居る居る多くの参拝者が。

しかも圧倒的に若い女性達だ。

コロナもだいぶ治まってきて、一時感染防止のために止められていた手水舎も復活してきた。

通称縁切り神社と言われている当神社は天智天皇の時代に藤原鎌足が

当地に藤原家一門の繁栄を祈願した仏堂を建立し、

藤を植樹して藤寺と号したのがそもそもの始まり。

そして第二次世界大戦後、現在の名称になった。

主祭神は崇徳天皇、大物主神、源頼政だ。

京都最強の縁切り神社のメインイベントは「縁切り縁結び碑」をくぐること。

このために境内には長い長い列ができていた。

確かにこれは時間がかかる。

各人が様々な想いを込めてやるため大変だ。

この縁切り縁結び碑は中央の亀裂をつたって神様のお力が下の穴に注がれ、

穴をくぐりぬけてそのお力をお受けいただくことによって悪縁が切れ良縁に結ばれる。

まず願い事を「形代(かたしろ)」(身代わりのおふだ)にお書きになり、

次に願い事を想いながら碑の中央の円形の穴から表からくぐり抜けて悪縁を切り、

続いて裏からくぐり抜けて良縁を結び、最後に形代を碑に貼る。

男女の縁はもちろんのこと人間関係に関する縁だけでなく、

病気、酒、煙草、賭け事など自分が断ち切りたいと思っている全ての悪縁を切ってくれる神社だ。

なぜかというと主祭神の崇徳天皇は断ち物、縁切りの祈願所として信仰を集め、

大物主神は道開きの神様、開運や商売繫盛の神様だからだ。

縁切り縁結び碑の霊石の上にはご覧のようにおびただしい枚数の形代が貼られて、

その1枚1枚に想いが念じられていると思うと何か恐ろしささえ感じてしまう。

 


ザ・セレスティン京都祇園 PARTⅡ

2023-07-12 06:09:33 | ホテル・旅館

2022-7-20付ブログ参照

https://www.celestinehotels.jp/kyoto-gion/

今回の一番の目的は祇園甲部花見小路角にある一見さんお断りの

有名お茶屋「一力亭」での一大イベントに参加するため、

近いホテルということで昨年初夏に宿泊して好印象を持った当ホテルに2泊お世話になった。

当ホテルは三井不動産グループのホテルで2017年9月オープン。

157室あり「和」にこだわりを持つ和モダンの好きなタイプのホテルだ。

車寄せのアプローチからも感じられるが「京都祇園に佇む、東山悠遠の邸」をコンセプトに

「京を感じ、京になごみ、歴史に触れ、伝統を味わい癒される。雅を映す隠れ家へ」。

こんなタイプのホテルが今京都ではどんどん増えている。

当ホテルのロビー、ラウンジ、フロントは地下1階にある。

京都は今建築の規制(高さ制限、景観意匠制限等)が厳しく、

ホテルの採算を考えると高コストになるとはいえ、このような経営判断をしたのだろう。

和のこだわりも強く、女性従業員も着物姿の方が多い。

コロナ禍で一時は国際観光都市京都から観光客が消えた中、

もう一度お客を呼び戻そうと全国的に実施された「ゴーツートラベル」政策。

あれから随分、時が過ぎたが観光が命の京都ではまだ京都応援クーポンをやっていた。

システムはどんどん電子化が進み、スミダマンのようなアナログ人間には

そのやり方が難しくなってきて正直まいった。

昼間と夜のライトアップされた中庭の風景。

緑の力(グリーンパワー)は人の目には自然の持つ優しさ、潤い、温かみを感じさせ、

今やホテルデザインで必須の要素になっているような気がする。

今回の部屋のタイプも前回と同じ。

シンプルモダンで無駄がほとんど無いほど研ぎ澄まされている。

そして優しいカラーの木を採用しているのも好みだ。

特にミニバーエリアの造りは相当議論を重ねて

この方式に決めたのではないかとその想いが伝わってくる。

今回の部屋は最上階の5階東側。

ご覧のように目の前に東山36峰の絶景が拡がっている。

ズームで撮った朱色の3重塔は清水寺。

そこから北に目を転ずると京都のシンボル八坂の塔(法観寺)の5層部分が見える。

そしてこの観音さまは昭和30年にできた霊山観音だ。

前回も詳細にアップしたが、

今回もB1Fにあるレストラン朝食会場の「八坂圓堂」を詳しくご紹介いたします。

結論はホテル朝食の期待に充分以上に応えてくれた朝食でした。

朝食会場、八坂圓堂の設えも京を感じさせ、雅を映すものになっている。

入口の壁には花街のうちわ、間仕切りの建具には細かい伝統技法の組子が使われ、

茶道の立札コーナーのディスプレーは東山悠遠の邸を表現しているのかも。

まずは京都の味が待っている和のコーナー。

筍の煮物、里芋の煮物、牛蒡と旬野菜の金平、出汁巻玉子、信田巻の煮物等。

さわらの西京焼き、田楽味噌、そして京都の各種おばんざいの小鉢。

他の地では味わえない京都ならではの京料理が並んでいるのが嬉しい。

当会場の一番の特色は昨日アップした天ぷらの老舗名物「圓堂」が運営していることだ。

その職人さんが作っている2種の名代天結び。

そして揚げたての天ぷら。

ごはんは五ツ星お米マイスターの京の米老舗「八代目儀兵衛」が担当している。

他にも贅沢に朝から鱧天ぷらの冷製茶蕎麦も用意されている。

一部中華系もあります。

せいろの中に鎮座しているしゅうまい。

こちらは和の料理に押されて片隅に追いやられたパンのコーナー。

木の枠にコンパクトに納められているが種類は多く京都らしい品揃えだ。

そして洋食定番のベーコン、ウインナーソーセージにスクランブルエッグ。

隣りにあるのは豚の角煮だ。

こちらはすでに盛り付けられた野菜サラダと3種の京都らしい和のドレッシング。

横には和の香りがする海老天トルティーヤがあった。

このコーナーは果物と各種ジュース。

京都のホテルでは定番化しているわらび餅が抹茶ときなこの2種用意されていた。

そしてホテル朝食では当たり前になってしまったスミダマンのてんこ盛りブレックファースト和食型。

和食はビュッフェスタイルで並べても美しい姿だと一人納得。

1階ラウンジにあるBAR近江栄も天ぷらの圓堂が運営している。

大人の雰囲気が漂う落ち着いたラウンジではセルフサービスにて無料の飲食物が用意されている。

それにしても真ん中にデーンと置かれている一枚板のテーブルは迫力がありますね。

 

 


浦和エリア旨い店シリーズ~番外編462~

2023-07-11 06:24:50 | 食~番外編(京都)

天ぷら 京都祇園八坂 圓堂

京都市東山区八坂道東大路西入る566

TEL 075-551-1488

定休日 なし

創業明治18年。

歴史と風情溢れる京都祇園の地に130年以上掲げる圓堂の暖簾。

祇園お茶屋としての伝統と格式を受け継ぎながらも新しい感性を研ぎ澄まし料理屋としてのこだわりと精進を重ねさらなる進化を続けている。

圓堂の八坂本店は北邸、南邸、西邸、と分かれており、今回はふただび2泊お世話に成った

ホテルザ・セレスティン京都祇園の右隣りにある西邸のお店で天ぷらの味を堪能した。

玄関からいかにも京都らしいアプローチを進んでお店に入る。

もう午後6時だというのにご覧のように外は明るい。

西邸はカウンター席がメインの造り。

席は14席あり、料理人の手さばきと庭の景色を楽しむことができる特等席だ。

すでに先客として外国人グループの人達が天ぷらを楽しんでいた。

店内の設えはかなりモダンな造り。

和食天ぷらなのにワイングラスがよく似合う。

鍛え上げられた圓堂の天ぷら職人の目利きと技術を基にお茶屋本来のもてなしの心は

そのままに老舗の伝統に現代の感性を加え、常に圓堂独自の新しい献立でお客を迎えている。

これが圓堂のコースメニュー。

天ぷらづくしの「六波羅」18700円と「八坂」22000円。

天ぷら会席の「清水」22000円と特別天ぷら会席「東山」33000円。

想像していたよりcpは高級だ。

お土産として天むす、天巻弁当、天結び、天ちらし、天巻きがあり、こちらもお値段は高い。

又、圓堂名代の京風天ぷらのかき揚げと厳選した車海老の天ぷらを

持ち帰りやすくしたお煎餅圓堂謹製「天結びおせん」も販売していた。

 

 

それでは天ぷらづくし「六波羅」のスタートです。

まずは先附 京の逸品 水無月豆腐

ながいもじゅんさいにべっこう餡を掛けたもの

器もいいですねー。

天ぷらのお塩は抹茶塩と米粉塩。

そういえば最近米粉を作かった食材を多く耳にする。

清汁仕立ての天吸に海老揚げ団子。

京料理の命、出汁はなんとも表現できぬ深みがある。

これは格物と言われているだけのことはある。

素晴しい。

これは名物のとうもろこしの天ぷら。

なんと上品に仕上げたことか。

パンに海老のすり身を乗せた天ぷらとうにの磯部揚げ。

このパンの天ぷらは圓堂の新しい感性の独創性を感じる。

海老の頭(かしら)

ただの海老の頭も見た目は美しい。

天ぷらの定番でありチャンピオンの車海老。

賀茂なすに大根おろし しょうがのせ。

これは撮り忘れ隣の方のをあわてて撮った為超ピンボケ。

イメージだけでもとアップしました。

スナックえんどう豆のコロッケ 裏ごし豆。

これも圓堂の力作か。

トリフマッシュルームを塩で。

高級食材を多用しているのでこのcpに成ってしまったのか。

ハモを塩で

言われなければ何の天ぷらだか姿ではわからない。

姿といい、味といい天ぷらの傑作。琵琶湖の稚鮎。

旨いに決まっているでしょー。

アスパラ、これは凡作だな。

穴子の天ぷら 抹茶塩と天つゆでこれも天ぷらの定番ですネ。

お口直しの圓堂特製サラダ

さつまいもベースに梅肉ソースで

硝子の器も涼し気でバッチリです。

〆のお食事は天茶・天丼・天ばら・ご飯とかき揚げの中から選べる。

これは卵黄海老天の天丼。

見た目はあまりインスタバエしてませんネ。

それに比べてこのデザートピンクグレープフルーツシャーベットはガラスのカップと相まって見るからに美味しそう。

ここまで所要時間約1時間半の贅沢andリッチな時を過ごすことができた。

いよいよ帰路(といっても出て隣のホテル迄)につく。

空はようやく黄昏色のロマンチックな空に成って来た。


妙心寺塔頭 東林院

2023-07-10 06:48:09 | 旅 ~京都

6月、京都で一大イベントがあってまたまた来てしまいました。

そのイベントは後日アップするとして今回の旅で「こんなことが世の中あるんだ!!」という

ウソみたいな出会いがあったこともアップします。

「事実は小説よりも奇なり」

乞うご期待を!!

 

 

臨済宗妙心寺の塔頭の1つの東林院。

通常は非公開だが年3回、1月の「小豆粥で新春祝う会」、6月の「沙羅の花を愛でる会」、

10月の「梵燈のあかりを親しむ会」は特別公開している。

今回ちょうど6月12日から6月27日の特別公開にあたり、愛でる会に行ってきた。

東林院は通称「沙羅双樹の寺」とも呼ばれ樹齢300年のナツツバキ(沙羅双樹)の銘木で知られている。

その沙羅の花特別公開のポスター。

志納金は抹茶付きで1,600円だ。

東林院は享禄4年(1531年)室町幕府の最後の管領、

細川氏網が養父細川高国(三友院殿)の菩提を弔うために建立した。

その後弘治2年(1556年)細川高国の孫である山名豊国が開祖となり、

寺基を妙心寺内に移して再興した。

以来細川氏菩提寺や山名氏の菩提寺となった。

本尊は観音菩薩。

緋毛氈のところで抹茶と和菓子を楽しむことができる。

和菓子は沙羅の花に似せてか白と黄のそのイメージそのものであった。

ご覧のように限られた特別公開の日程(この日は5日目)のため、

多くの人がその風情を味わいに来ていた。

特に女性が多く、皆ほとんど無言で何かを感じているのでしょう。

この仏縁深き花のものとで静かに座って自分を見つめ"生きる"ことについて考える。

お庭には数十本の沙羅の木があり沙羅双樹の花は

朝に花を咲かせその日のうちに落ちてしまう一日花と言われている。

この花は釈迦が入滅した時に傍らに立てていた木のことを指す。

「形あるものは必ずこわれて行く。形美しきもの永遠に保てず。」

お釈迦さまは「今日なすべきことを明日に延ばさず、

確かにしていくことが良き一日を生きる道である」とお教えになっております。

沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、

与えられた一日だけの生命を精一杯咲きつくしています。

人間の生命はいつかは限りが来ます。

そこから「生かされている人生をどう生きるか。今日を無駄にはできない」

つまり「今は今しかない。二度とめぐり来ない今日一日を大切に、悔いなき人生を送らねば…」

という気持ちがわいてこないでしょうか。

東林院は平成8年の「そうだ京都、行こう」に取り上げられました。

キャッチコピーは「京都には人の世とはと語りかける花があります。」

そして平家物語の「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」が今、やっとわかりました。

他にも3つの特別公開にちなんだポスターが掛けられていました。

この若者はカメラのレンズ、ファインダーを通して哲学者になっていました。

御朱印帳を書く住職、現住職の西川玄房は精進料理の研究家としても著名だ。

花園にある禅寺ここ妙心寺は46もの塔頭を有し19.5haの広大な敷地がある

京都一大きな寺で京都市民は「西の御所」と呼んでいる。

創建は暦応5年(1342年)花園法皇が関山慧玄(無相大師)を開山として離宮萩原殿を改めて

寺としたのが当寺の起こり。

多くの塔頭の中で赤紅枝垂桜で有名な「退蔵院」(2022-4-27付ブログ参照)は素晴らしいお寺だ。

 

 

 


大宮第2公園 PARTⅡ

2023-07-08 06:42:39 | 自然

(2021-3-6付ブログ参照)

ゴールデンウィークの5月5日(金)子供の日に

天候も五月晴れの素晴らしい日だったので大宮第2公園へ散歩に出かけた。

大宮第2公園管理センターを抜けると広大で美しい造形美の空間が広がっている。

手前に見えるのが菖蒲田。

ジグザグの木道デッキが広い空間のワンポイントになっていてとても良い感じだ。

この菖蒲田は6月中旬頃から19品種3,000株の花菖蒲が見頃を迎える。

先走って一輪だけ咲いている菖蒲があったので心を込めてパチリ!

第2大宮公園は基本的機能は芝川の調整池で昭和55年にオープン。

総敷地面積は約22haあってかなりよく考えられた設計、

造成されているというのがスミダマンの感想です。

一番高いところに位置している周遊道路は「香りロード」と称してハーブの散歩道になっており、

平成9年に整備されました。

花壇は腰ほどの高さがあり、レイズド・ベットと呼ばれ、歩行者の目線はもとより、

車椅子からの目線でも植物を身近に感じることができるため、

医療施設の庭園等でも取り入れられている花壇の形式だそうです。

この道は下段にある道で正面の上の方に見えるのが中段の遊歩道。

この3段の道が公園をグルリ周遊していて素晴らしい空間を造っている。

その中でファミリー達がのんびり楽しそうに過ごしている光景は平和そのものです。

一番底には遊水池とは思えない瓢箪型の美しい池があり、釣り人がのんびりと釣りをしている。

その池の周りを柳やメタセスイアの大木が程よい間隔に植えられている。

その向こうに見えるのがさいたま新都心の高層ビル群だ。

このブロック壁を見るとやはりここは遊水池だということがわかる。

広々とした芝生と大木の木陰の下では思い思いのテントが張られ、

気持ち良い春の日差しを思い切り堪能しているようだ。

こちらはそんなのどかな風景をのんびりと眺めている老夫婦(?)

背中が何かを語っているようだ。

園内を歩いているとナニコレ珍百景のようなものを発見。

1つは超アナログ原始的スピーカー(?)

そしてガッチリしたロッキングチェアみたいな椅子。

こんなのどかな公園も実は「鳥獣保護区」ですって。

わからないものですね。

 

 

 


浦和エリア旨い店シリーズ~番外編461~

2023-07-07 06:06:06 | 食~番外編(都内)

高級中国四川料理 登龍

東京都千代田区麹町4-2-2

TEL 03-3264-6628

定休日 日曜日、祝日

https://www.tohryu.co.jp

当店は地下鉄有楽町線麹町駅より徒歩1分。

新宿通りに面した所にある。

ここ麹町店以外に麻布店もある。

一階の店内風景。

一階はテーブル席で52席他に二階にプライベート個室パーティルーム5席があり、全部で126席もある。

当店は選りすぐりの食材と火勢から生まれる美食の時間が評判で人気を博している。

これが当店の主なメニュー。

今週のランチは6種でライス・スープ・ザーサイ付で3500円(税込)お値段も立派だ。

麺飯菜譜チャーハン、つゆそば、やきそばで一番安いのが2000円、3000円だからやはり当店は高級店だ。

おすすめ料理は16種でどれも魅力的なラインアップ

ランチタイムサービスで焼売(プリプリエビとフカヒレ入)2個1000円と春巻2本1000円も目立つメニュー札で提供されている。

因みに当店麹町店の名を世に知らしめたのがフカヒレ、北京ダックだそうだ。

尚一番人気は四川麺(タンタン麺)らしい。

最初に出されたのがこの2品。1つはつけ汁と聞いたがあと1つは何だったか?

よだれ鶏、四川名物よだれ鶏蒸し鶏の特製ピリ辛ソースかけ 中盛 4900円

韮黄牛肉 国産黄ニラと縄切り牛肉の塩炒の中盛 4950円

お好みで単品で注文しながら4人でシェアしていただいた。

蝦仁豆腐 小エビと豆腐の塩味煮込み ヘルシーでうまい 中盛 4950円

エビチャーハン 2800円

ランチタイムサービスの春巻(2本)1000円 新鮮エノキ茸入り

そして当店一番人気の四川皇麺(タンタン麺)2000円

最後に〆としてデザートの杏仁豆腐

 

 

 

場所柄お値段も立派だが当然お味も上品で結構でございました。