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スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

お神酒

2013年01月01日 | 文化/歴史/技術
2013年が始まりました。寒さが厳しい場所もあるでしょうが、我が家の実家のあたりは穏やかでした。冷たい雪が降ることもなく、凍てつく強風が吹き荒れることもなくて。毎年、実家へ帰って親と兄弟兄弟家族に会うことにしています。久しぶりに会うと子供達は成長しているし、大人は歳をとるものだと感じますね。年末は紅白歌合戦をつまみにして鍋を囲んで食事をするのが恒例です。遅くなったクリスマスプレゼントの交換会は子供達の楽しみ。年越し蕎麦は沖縄そばと日本蕎麦の二つを用意して、その両方をいただくことも恒例となっています。カウントダウンをして新年を迎えるとお年玉を配ります。お年玉をもらう時だけは一年で一番いい顔するのは我が子かな。毎年同じことして飽き飽きしてるのは本音ですが、子供達には重要なイベントなんでしょうし、家族が揃うのも一年で一回しかないわけでそれはそれで意義を認めています。ここ数年、お年玉を渡した後に出かけるところがあります。実家のすぐとなりの神社です。有名ではないけど古い神社でこの地区では社格が高い方です。年越しにはかがり火を焚いて人が集まってくるので初詣に行きます。鈴を鳴らして賽銭を放り投げ、柏手を打ち神様に新年の挨拶をしました。神主もいなければおみくじも引けませんが、どこからかスタッフが現れお神酒を配ってくれます。一杯いただきました。寒い夜空を見上げながら、冷や酒は身体が冷えますがかがり火にあたれば何とかなります。すでにお酒を飲んで酔っぱらっているので追い酒になりますね。子供の頃は毎年のように来ていました。お神酒を飲むことはなかったですが。大人になってここでお神酒を飲むなんて想像していなかったです。そう言えばこの神社の境内は遊び場でした。落とし穴を掘ったり、木に登ったり、広場で野球をしたりしていました。大人になってこうしてやって来るなんて何か不思議です。かがり火は何とも言えない神秘的な燃え方をしているように思えました。じっと見つめると神妙な気分になってきます。今年はどんな年になるのでしょうか。

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ヴォーリズを探せ! ~東芝山口記念会館

2012年12月12日 | 文化/歴史/技術
ヴォーリズ建築を探して見学をしたりしていますが、とうとう東京までやって来ました。ヴォーリズ建築東京編・・・ということなんですが。高輪にヴォーリズ建築があることがわかったので地図で調べてみるとJR品川駅から歩いて数分のところでした。意外にも意外。品川なんて随分前からうろうろしています。最近も用事が増えた場所です。僕にとっては馴染みある土地なんです。新幹線で帰る前にちょっと立ち寄れるじゃないですか。そこは「東芝山口記念会館」と今は呼ばれているところです。1925年大正14年に竣工しました。三井財閥の一員で、後に三越や朝日生命の社長だった朝吹常吉氏の邸宅だったもので、その後企業である東芝が迎賓館として利用していました。(今でもそうなのかな?)第一京浜国道15号線から路地に入り、住宅街をぬいながら洞坂を上ると辿り着きます。少し小高い土地をならして建てられた広い庭園付きの白い洋館です。塀や柵で中の様子がよくわかりませんが、非常に手入れが行き届き保存状態は良いことは確認できました。入り口はとても興味が湧く意匠です。駐車場には車が置いてあり、部屋の電気が付いていました。門へ廻ってみると扉が開いていましたから誰かいるのでしょう。(当然立ち入り禁止です。)白い壁に赤煉瓦の屋根。典型的なスパニッシュスタイルのヴォーリズ建築です。煙突のデザインもいいですねえ。失礼ながら盗み撮りのようなことになってしまいましたが、何とかカメラに収めてきました。ゆかりの滋賀県では朽ちて補修することができなくて困っている物件が多い中、一部上場企業が管理をして保存される好例とみていいでしょう。経費の無駄遣いだという意見もあるのでしょうけど、これなら賛同する価値はあると僕は思っています。日本にこのような建築遺産を残してくれたことに敬意はあってしかるべきだと思いませんか?意外な場所だったことに加えてもう一つ。この洋館はテレビで放映されたウルトラセブン第二話のロケ地だということも訪問した理由です。「緑の恐怖」(ワイアール星人登場)というタイトルで宇宙ステーションV3から帰還した地球防衛軍の石黒隊員の自宅の設定になったところです。ウルトラセブンは大好きでした。1960年代のSF特撮ドラマにヴォーリズのデザインがマッチしたのです。撮影に使われたと知るに何十年と月日が流れたことと仕事のロケーションとヴォーリズの三点が重なったことに胸が躍らないわけないでしょ?

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東京 巣鴨 高岩寺の洗い観音

2012年12月06日 | 文化/歴史/技術
巣鴨って「お婆ちゃんの原宿」だから僕は行くことはないと思っていました。とげ抜きをしたいというニーズもありませんからね。実は乗り換えでJR巣鴨駅から地下鉄三田線に乗るための間に時間つぶしをしなくてはならなくなり、ついでだと思って巣鴨商店街に入ってみました。噂通り大勢のお婆ちゃん達はいました。商店街の通りはとても賑やかです。シャッター商店街になってしまい困っているところは全国にあるというのに巣鴨の商店街は心配がないようです。ゆるキャラは「すがもん」。当然鴨がモチーフです。しかし面白いのは訪問者は高齢者だけで成り立っていることです。普通、若年層や家族連れを呼び込まないと活性化にならないと思っている商店街が多いのではないかと思います。その常識から考えると普通ではないのでしょう。仏壇屋も元気ですし、杖が軒先で売られていたりして(しかもファッショナブル!)高齢者向けの商品だって活気は作れるのです。飲食店もお客が入っていて繁盛しているように見えます。それにしてもマルジの赤パンツは目立ちますね。なんじゃこれ。と僕なんかびっくりするのだけれど、婆ちゃん用の赤い下着がずらりと並ぶ専門店なんですねえ。パワーを感じました。お土産用の商品もあるみたいです。どれ妻に赤パンツでも買ってやろうと一度は思いましたが止めました。赤パンツもらって喜ぶとは思えないし、洒落で笑ってくれそうな相手でもありません。馬鹿なことはしない方が得です。でも赤パンツってセクシーじゃないですね。といってセクシーな赤パンツだったらはいてくれる話でもないでしょうが・・・。巣鴨のとげ抜き地蔵を一目拝んでおこうと「高岩寺」で手を合わせてきました。ここを訪れる婆ちゃん達の信仰の厚さを感じられずにはいられません。で、お地蔵さんを探すとこれがあんまり人気がありません。隣の観音様に人が群がっています。間違えた婆ちゃんが群がっていました。勉強不足の僕は観音様があるなんて知りませんでした。とげ抜きは和紙に書いてある地蔵御影を自分の身体に貼付けるらしく、「とげぬき地蔵尊御影」なるものを手に入れる必要があるのでした。お地蔵さんに願をかけるのではないのですね。大人気の「洗い観音」は治したい身体の部分と同じ場所を洗うと完治すると言われているそうです。直接的です。どこも悪くはない様子ですが、必死になって洗っている婆ちゃんもいました。ここへ来ると気分も高まるのかな。

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東京 東京タワーから眺める芝公園

2012年11月22日 | 文化/歴史/技術
紅葉の季節がやってきました。どうせどこも人でいっぱいでしょうね。東京へ来て、ホテルにチェックインする前に少しだけ紅葉が見られるかもしれないと思って芝公園へやって来ました。日本で一番古い公園の一つです。一度も訪れたことがない場所だったので興味本位なところもありました。もみじ谷と言われる一画があり、都会の真ん中で紅葉狩りができるスポットがあるのです。JR浜松駅からでも歩いて行けます。東京タワーと紅葉の組み合わせは絵になるだろうと思って辿り着くと、ぜんぜん色付いていませんでした。狭いけれど人造の渓流がこしらえてあり、小高い丘のような地形を匠に利用されていて、もしカエデの葉が紅く染まっていたのならいい景色になんだんろうと思います。情報ではまだ早いことは分かっていましたが、少し期待していただけにがっくりきました。所々赤や黄が目に入ってきただけに残念です。しかたなく東京タワーの写真を撮っていたら、まだ一度も上ったことがないことに気付いて、乗りかかった船とばかりに展望台まで上がってみることにしました。大展望台(150M)と特別展望台(250M)では料金が違います。初心者の僕は低い方の大展望台にしました。せっかくだから芝公園を上から見下ろしてみました。上から見ると紅葉した木々があることがわかります。今回はデジカメをジオラマモードにして、実際の街をジオラマ風に見えるように撮影してみました。この撮影モードは、バーズアイの風景写真で特に建造物や乗り物がよく合います。「ザ・プリンパークタワー東京」や「大本山増上寺」など玩具みたいに見えるから、可愛い写真になります。東京タワーはぐるりと360度東京が見渡せるので見ていて楽しいです。東京湾方面。東京スカイツリー。六本木、新新宿方面などのパノラマがいいですね。僕が上ったのは日没前だったので、時代は違うけど映画「三丁目の夕日」みたいでした。今でこそ、高層ビルや橋や塔が建ち並んで東京タワーが小さく感じますが、昭和三十三年にここへ来て東京の街を見渡した人達は感激したでしょうね。今年は東京スカイツリーに人気が集中して、東京タワーは見向きもされないのか、それともおこぼれで再燃したのか知りませんが、損はない景観でした。東京にはコイツが建っていてくれないと気分が出ませんよね。・・・気分って何か分からないけど。
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茅ヶ崎 サザン神社

2012年11月19日 | 文化/歴史/技術
茅ヶ崎へはもう何年も仕事で通っています。地元に住む人とも交流があるし、街の風景や看板など見慣れてきました。この街をいかに地元の人達が愛して止まないか何となくわかります。そして湘南という海を誇りに思っていることも。湘南を全国に広めた立役者であるサザンオールスターズはヒーローでもあります。カラオケで盛り上がるのはサザンの歌です。茅ヶ崎市民で居続ける桑田圭祐に敬意さえ感じている人もいることでしょう。そんな茅ヶ崎駅にほど近い場所にサザン・ストリートと呼ばれる商店街があります。歩けばわかりますが、どうってことない普通の商店街です。そこに、なんとサザン神社が現われたそうなので早速参拝してきました。いつできたの?と思います。「もちのろん」で洒落です。空いた店舗を改装してそれっぽくしただけの、言わば張りぼての神社です。洒落は少々キツい方が受けがいいようで、多くのサザンファンが訪れているそうです。しかし、よくやるなあ。と呆れながら僕としても是非供養したいものがあります。この神社、小学校にほど近い場所にありました。商店街には下校の途中小学生達が走り回り、元気の良い声が飛び交っていました。サザン神社は商業施設をそのまま利用しただけの小屋のような造りで、入り口に板で作った赤い鳥居が置いてあり、両脇には狛犬の代わりにサーフボードが置かれ、奥の壁に写真パネルの拝殿が張ってあり、コンパクトな賽銭箱と鈴がかろうじて取り付けられています。これで神社かよ。と突っ込みたくなる加減が作者の狙いなんでしょうね。横壁にはファンからのメッセージがいっぱい掲示されています。野暮とは言わず、ここは聖地なのですから神妙にして二礼二拍手一礼。ところで桑田圭祐が好きなのは僕の妻です。一人でコンサートに行ってしまいます。今年は手術後のツアーに行きたかったらしく、つい先日チケットを購入しようとしたのですが、あっと言う間に完売してしまい購入できませんでした。それで腹いせのつもりなのかポルノグラフティの先行予約を申し込んでいました。桑田圭祐のライブ・チケットは人気がありますからねえ。「ポルノグラフティのライブに行って、膝を悪くしたらどうするの?」って厭味を言ってやりましたが、そこは反省して妻の無念を供養してやりました。おみくじは、ガシャポンに入っています。一回100円。中身はやっぱりキツい洒落でした。

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堺 大鳥神社

2012年11月12日 | 文化/歴史/技術
仕事で堺市へ来たので神社参拝をしてみようと思いました。堺周辺は巨大古墳が残る古代の歴史を語る上で重要な地域です。大陸から日本に渡り、九州北部から瀬戸内海に入ると、波は穏やかで船の航行は安全になります。その行く先に大阪湾があり、海から陸に入り、和泉、河内、大和、と内陸に向かいながら日本の黎明期の歴史が生み出されていくのだなあと思いながら車で移動していました。和泉の国の一宮は、大鳥神社です。通り名としては大鳥大社の方が有名ですね。とても古い神社だそうです。伝説では大鳥は白鳥のことらしく、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が力尽きた地である伊勢から大和へ白鳥となって飛び立ち、その舞い降りた地が大鳥神社の場所だったとあります。(これには諸説あり。古事記と日本書紀とでは多少異なる。)ほらほら出てきました。古代ミステリー。この神社、街中にあり鎮守の杜が比較的広い面積を占めているので、本殿、拝殿などはとてもコンパクトに収められています。でも鎮守の杜と本殿にはまったく侵入できません。柵が防御しています。本殿は、大鳥造りと呼ばれる古い様式でとても珍しいものです。詳しく見学したかったのですが、遠目にしか眺めることができませんでした。千木が立派で大きいことが伺えます。大鳥造りは出入り口が中央にあるらしいのですが見えません。残念です。祈祷などの儀式も拝殿で行われるようで常に本殿には入ることはできないようでした。鎮守の杜はうっそうとした雑木林で、野鳥の鳴き声がけたたましく響くのを耳にすると、自然のままである様子がわかります。立て看板を読むと、この杜を「千種の森」(ちぐさのもり)と呼ぶそうです。そう言えば名古屋には千種区という地名があります。もう一つオマケに市内には白鳥という地名があり、そこには現在白鳥公園と言われる大きな公園があります。更に更に日本武尊が持つ草薙の剣は熱田神宮に祀ってあります。千種と白鳥と草薙の剣は日本武尊で結ばれるではありませんか。これは一体?和泉の国と尾張の国に同じ伝説があるのでしょうか?あれれ?と疑問が湧きました。現地へやって来ると、何か新しい発見がありますねえ。神社にも日本の歴史にもいい加減なことがいっぱいあって、そこは日本の日本らしいところではありますが、この謎は何とか納得のいく答えが欲しいものです。

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VOLVO POLESTAR試乗リポート

2012年11月11日 | 文化/歴史/技術
ポールスターレーシングを知っている人はそんなにはいないのかな。僕も最近知った口ですけど。ボルボディーラーからポールスター仕様の試乗車案内が届きました。専用ボディーカラーであるレーベルブルーに身を包んだボルボはイギリスBBCで制作されている自動車番組「TOP GEAR」でも高い評価を得る特別仕様車です。販売はされないと聞いていたので、これはいいチャンスだと思って試乗して参りました。ボルボとポールスターレーシングの関係は、ベンツでいうAMG、BMWでいうアルピナ、フィアットでいうアバルト、日産でいうニスモのようなものです。60シリーズにポールスター仕様が用意されています。今回試乗できたのは、V60T6AWD RーDESIGNでボディーカラーは白。写真に収めたのはS60の展示車です。で、ポールスター仕様って何なの?と話を聞くと、エンジンも足回りも外装もいじるところは無し。20万円を余分に払うとエンジンプログラミングが変更され、パワーソースをチューンナップするといういたってシンプルな内容です。専用のリアエンブレムがかろうじて認識できる唯一のアイテムとなります。チップでチューンナップするのはセナが現役の頃はF1の世界だけの話でした。今では市販車で可能になったということです。試乗の希望者は多かったようで、雨の日曜日になって少し空いてきたと販売員は言っていました。さて、乗り心地をレポートしたいと思います。3リッター、ストレート6、ターボチャージャー付きのエンジンに235/40のタイヤは、ボルボの中ではハードな内容です。304psから329psへ出力アップされていますが、大きく変わるのは440Nmから480Nmに引き上げられたトルクの方でしょう。一般道で感じられるのはこの差だけです。つまり発進直後のスムーズな加速。これは今までのボルボにない感覚かも知れません。普段ストレート5のノーマルアスピレートのエンジンを乗り回していますが、ボルボ独特のもたつき感が全くありません。これがボルボなのか?と思うほどです。重い車重を感じさせない加速が味わえます。滑らかです。以前に乗っていた初代アリストを思い出します。高速道路でもいい走りをするでしょう。そうなると、どのスピードでも思った加速を得られ安全性も高い車が現われたことになりますが、果たして20万円を余分に払う価値はあるのでしょうか?僕は走らないボルボが気に入ってます。飛ばしたくなる気持ちを萎えさせる動力性能は安全性を高めてくれる機能だと信じていますから。
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ヴォーリズを探せ! ~ヴォーリズ記念病院 ツッカーハウスと礼拝堂

2012年11月07日 | 文化/歴史/技術
ヴォーリズ設計による建築物は日本全国に残存していますが、その中でもその才能の片鱗を僕のような素人でも垣間見ることができる作品があります。それがヴォーリズゆかりの地に建つツッカーハウスです。近江療養院本館というのが本来の名称だそうです。建てられたのは1918年(大正7年)で、ヴォーリズ記念病院として利用されたわけですが、現在は使用されず保存状態もよくありません。反対運動もあり解体と保存で揺れている建造物です。元々はサナトリウム(結核療養院)として開業したもので、周辺にはいくつか病院施設が建っていました。その一つが礼拝堂です。いつ取り壊しが始まるかわからないので早めに行った方がい良いということで出かけてみました。行ってみて驚いたのはここでは近代的な病棟が建ち並び、ケアハウスなどの施設を含め総合医療介護拠点となっていることです。その中にツッカーハウスは残されていていました。ツッカーハウスの敷地内は立ち入り禁止で遠巻きに眺めるしかできません。ガラスは破損してるし、壁も落ちかけているし、クモの巣もいっぱい張ってる状態なので、まるであばら屋でした。しかも、僕が立ち寄ったこの日、大勢の作業者が館内に出入りして中にある家財などを外に運び出しているではありませんか。解体作業が始まったのでしょうか。それとも清掃して傷みのあるところを補修するのでしょうか。とにかく進展があることが確認できました。保存活動をしている人達なんでしょう。中央に出入り口があり、両脇にドームらしいものがあるので東京駅舎のようでもあります。どことなく南欧風の面影も感じます。ツッカーの名は資金提供したツッカー女史に由来があります。ですが、この建築デザインには大きな意味があることを知りました。当時、不治の病と怖れられた結核患者を治療するために、患者が効果的に日光消毒できるようにガラスを多用して日差しを入りやすくするだけでなく、立地条件や建物の向きも計算され、冬至の日が短い時期にも最大限の太陽光を得られるように設計されている病棟なのです。ヴォーリズの並々ならない設計思想が今に伝えられていると僕は思いました。だからこの地に病院と介護施設が運営されているに違いありません。ヴォーリズという人はデザイナーだとばかり思っていましたが、宣教師的な力を持った人物だったのかも知れません。教会も数多く設計していますが、彼が単なるキリシタンであったなら、これほど多くの人の心をつかむことはなかったと思います。

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大阪 フラワーアート ミュージアム 2012

2012年11月05日 | 文化/歴史/技術
JR大阪駅の改装が済んで随分経ちました。大阪ステーションシティに生まれ変わり、駅の中は綺麗になってイメージも変わりました。以前は大阪駅に立ち寄るなんてことはあまり考えたことなかったのですが、今では何かやっているんじゃないかと期待することもあります。「フラワーアートミュージアム2012」は5Fの時空の広場で開催されていました。花は古今東西人を引き寄せる魔力があるのでしょう。僕だけでなく買い物客らしい人達が大勢花の観賞に来ていました。ノースゲートビルとサウスゲートビルの間は本来鉄道のプラットホームがあるだけですが、その上を横断するようにうねる形状の屋根がかけられ、その間の空間を時空の広場と呼んで活用しています。大阪駅は北口と南口の間を大きな橋を渡るように行き交いできるのです。各路線を見下ろせて鉄道ファンが喜びそうですし、駅を横断するのにとても便利です。このアイデアはいいですね。高い屋根が開放的な気分にしてくれます。その広場に建築家安藤忠雄氏の提案で期間限定の花壇ができました。企画がユニークで花壇の中に巨大なQRコードがあって、携帯電話のカメラで写してネットにつなぐと花言葉を教えてくれます。QRコードは誕生月別に用意されていて、誕生月にはそれぞれカラーが決まっているので、複数の花が備えられていながらカラーを統一しています。僕の誕生月のカラーはピンクなので花壇の花は全部ピンクのもでした。花の種類は、ニチニチソウ、サイネリア、ペンタス、ジニアプロフュージョン、ストック、キンギョソウ、ゼラニウムでした。これらが全部ピンクです。よく知らない花ばかりです。しかし、2万ポットの花が駅に設置されているんですからねえ。圧巻です。花言葉を調べることもせず、ただただ花を見ていました。ピンクの花の中ではサイネリアが気に入りました。原産国はカナリア諸島。花が咲く時期は1月から4月。温室で栽培されたものですね。花の写真をちょくちょく撮るようになりましたが、どうやって撮ればいいのか・・・。イベントもいろいろと催すようですが、通りすがりの僕は花を眺めて帰るのみです。

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黄昏の東京駅舎

2012年10月24日 | 文化/歴史/技術
長い間工事中だった東京駅舎がようやく完成しました。東京駅は新幹線で東京へ行くと乗り換える駅なので住んではいない僕でも愛着の湧く場所でもあります。そう思っている人は僕だけじゃないみたいです。皇居を目前として丸ビルが建っている場所に住所を持つ人も天皇家以外にそうはいないと思いますので、東京駅に愛着があるのは千代田区にお勤めの方々と全国から上京してきた人達です。丸の内側の改札口に細長く低い赤煉瓦造りの駅舎は100年前の1914年に竣工した様子を甦らせてくれました。ホテルもオープンしました。一度泊まってみたいと思いますね。レトロな気分が満喫できそうです。当然ですがすでに観光地になってしまい、駅舎前では常に大勢の人で賑わっていました。皆、カメラで記念撮影をしています。考えてみるとこんなに立派に再建された駅舎は他にないような気がします。名古屋へ帰る前に立ち寄ったのですが、ちょうど夕暮れだったので日没を狙ってライトアップ直後の東京駅舎を撮影することにしました。周囲は高くそびえる高層ビルですから、その対比も魅力の一つです。近代的なタクシー乗場にありふれたタクシーが乗り付け、時代を感じる駅舎と高層ビルが一つの視野に入ってきます。少し離れた高い場所から撮りたいけど、そんな場所どこにあるのか見当もつかないので、しかたなく周囲をぐるぐる廻って撮りました。いい場所は人が集まっています。見どころは北口と南口の内部から見上げるドームでしょう。真下には天井にレンズを向ける観光客で歩きにくいくらいでした。褐色煉瓦と黄色い塗装に白は花崗岩を使用してビクトリア調のデザインなのだそうです。つい見上げたくなる綺麗な意匠です。外観も角度を変えて見学すると中々味わいがありました。赤煉瓦の建物はライトアップすると美しさが引き立ちます。少し待って黄昏の東京駅舎を見ることができて良かったと思いました。この改修工事のために空中権を費用に充てたと公表されていますが、左右にビルが建ち、その後ろから月が昇ってきたので、暗くなり始めた空の色とライトアップで浮かび上がるような東京駅舎の洗練されたデザインが妙に合うなと見とれていました。横浜もレトロな建造物が多い街で好きですが、東京駅も好きになりそうです。

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