ジャケットを一目見て、江口寿史だとわかりました。そして同時に、これ、何だっけ?と思いました。久しぶりにタワーレコードでCDを物色していました。ネットで音楽配信が始まったにも関わらず、いまだに僕は野良犬が餌を探すようにショップを歩き回ってCDを求めています。古いタイプの人間なんでしょうが止める理由が見当たらないのでしばらく続きそうです。こんな生活を長年続けていると、音楽の内容は度外視して、ジャケットのデザインが気に入ったら買うスタイルーいわゆるジャケ買いが楽しみになります。家で聴いて当りを見つけると嬉しいものです。反対に期待を裏切るものだと損した気分にもなりますが、それだって運試しというかスリルがあって面白いと思ってるものだから懲りません。そこで江口寿史の描き下しイラストのジャケットですよ!迷わず購入しました。江口寿史と言えば、「ストップ!!ひばりくん!」が代表作ですが、「すすめ!!パイレーツ」も大好きでした。今ではイラストレーターというか画伯のようなアーティストになってしまいましたが、僕には第一級のギャグ漫画家のイメージがそのままです。ミュージシャンは、Shiggy.Jr.。見聞はゼロです。バンドは、ヴォーカルが紅一点の池田智子。ギター/コーラス担当、原田茂幸。ベース/コーラス担当、森夏彦。ドラムス担当、諸石和馬。の4人の若者で、今年メジャーデビュー。シンプルなポップバンドという売り文句です。こう言っては可哀想かも知れませんが、江口寿史をデビュー当時から愛する世代のオヤジにとって、青臭い林檎のような酸味を感じるストレートなポップソングに酔いしれたり、乳離れができていない歌詞に心奪われることはありません。だけど、バンドの音に足された打ち込みの音がやけにプロっぽくて、飽きがこないサウンドに耳を傾けてしまいました。(それとて、企業の戦術を想起し、ヤラセの匂いがしないでもないわけですが。)文句はこのくらいにして・・・結局このアルバムは当りでした。スマートフォンに移してバリバリ聴いています。歳をとると、ひねりもなく癖もない音楽を、わざわざ聴くほどでもないと敬遠しがちになるものです。縁があったんですねえ。元気があっていいじゃないのと素直になって聴きましょう。いい感じです。