毎晩、カエルがケロケロと合唱を始めています。我が家は、住宅街の中で暮らしているので周囲は家ばかりです。戦後の宅地開発に沿って水田を埋め立ててきただろうと推察される住宅密集地帯です。ですから取り残された水田が住宅の間にまだ残っています。目の前には、広さにしてちょうどテニスコートくらいのが道路を挟んで1面づつあります。真四角の水田は、田植えの時期に入り水が張られ、冬眠から覚めたカエルが一斉に鳴き出しているのです。夏の風物詩と言えば情緒がありそうな響きですが、やかましいというのが正直なところです。そこへ毎年のように現れるのが合鴨のつがいです。毎年、餌を求めてやって来るようです。水田に合鴨がいると合鴨農法だとか無農薬だとか思われそうですが、この合鴨のつがいは、勝手にやって来る野生の合鴨です。断言はできませんが、妻が飛来してくるのを目撃しているので、農家が放したわけではいのは明白です。バルコニーから二面の水田全容が見渡せるので、僕は時折合鴨を探すのが楽しみでもあります。数日前は一羽しかいなかったのですが、今日は二羽になって餌をついばんでいました。今年もつがいで来てくれたんだと思うと嬉しくなってしまいます。別に我が家に来たわけでもないし、僕の所有する水田でもないので僕と合鴨の間に関係という関係はないので、意識することもないのですが。二つの水田を行き交いする時は、二羽そろって仲良くアスファルトの道路を歩いて渡るので、結構可愛い姿を見ることができます。ここへは、餌を食べたらどこかへ飛び去ってしまうのですが、様子を見ていると日没までいたので、今夜は宿泊するようです。ねぐらとするのは水がしっかり張った水田の方で、ちょうど真ん中あたりです。おそらく天敵を避けているのでしょう。猫は足が取られてまず入ってこれないでしょうね。カラスは多いので気になります。だけど、カラスが合鴨を襲っているシーンは見たことがないので大丈夫なのかなあ。猛禽類は周辺に全くいないので心配ないと思います。しかし、合鴨はもともと野生では存在しない鳥です。妻は渡り鳥ではないかと言い出していますが、それはマガモのことです。てっきりマガモが毎年やって来ると思ってたので、不思議に思いませんでしたが、合鴨がここへ来るのは何か訳がありそうですね。近所の他の水田で合鴨農法をしているなんて見かけたことないし、一体どこからやって来たんでしょうか。
