朝寝坊して起きてみたら、妻は仕事に出掛け、下の娘はこれから遊びに出るところでグルーミングをしていました。家に残った上の娘は学校の課題をしなてはならないので、出掛けるあてのない僕がお昼ご飯を作ってあげることになっていました。ま、いつものことですけど・・・。食材を買いに行く元気もないので、冷蔵庫の中にあるもので済ませることにしました。2人分の料理は作るのも楽なのでつい力が入り、魚と肉を同時に食べてしまうメニューとなり豪勢なランチになりました。冷蔵庫の扉を開けたら、「金目鯛」が2尾、目に留まったのでまずは魚。チルト室をあさると「唐揚げ用の鶏肉」があったのでこれもいただきます。お!「蛸」もある。というわけで3品に決定です。「金目鯛」は調理済みだったので少し凝って、じゃが芋のオーブン焼きにしました。ニンニクをつぶしエクストラ・バージン・オリーブオイルでアーリオ・オーリオをフライパンで作り、オニオンのスライスを加えて火が通ったらじゃが芋を一緒にして加熱します。この時、ハーブのローズマリーも入れます。じゃが芋は、いちょう切りにしてエクストラ・バージン・オリーブオイルと塩・コショーで下味をつけておきます。「金目鯛」も塩・コショーでしっかり下味をつけておいて、耐熱皿にじゃが芋と「金目鯛」を盛り付けてオーブンで30分ほど焼いたらできあがりです。オーブンで焼く前にも「金目鯛」にエクストラ・バージン・オリーブオイルをたっぷりかけておきます。オリーブオイルがたくさん必要な料理ですね。「鶏肉」は脂身と筋を取り去って塩・コショーをしておき、つぶしたニンニクをサラダオイルで加熱して香りを移した後に、フライパンでソテーします。ソースは残った焼き汁と赤ワインとバターを煮込んだものです。「蛸」はぶつ切りにして小麦粉をまぶしてサラダオイルで揚げるだけ。要は唐揚げですね。簡単なんだけど、3品も同時に作って更にサラダとか付け合わせとかも作っていたら、2時間もかかってしまいました。天気がいいので久しぶりにバルコニーに出て食事しました。そよ風がなびいて気持ちがいいです。贅沢なランチでしょう。どの料理も味はちゃんとまとまってくれたので、ご機嫌です。外食したらいくらかかるでしょうか?うん?レベルが違うから比べちゃいけないって?その通り。でも気分だけならリストランテです。赤ワインのソースはパンに付けるととても美味しいし、「金目鯛」も旨味がにじみ出て、じゃが芋と一緒に口に放り込むと味わいがあります。上の娘も満足そうでした。その娘が「ところでこの蛸、鶏肉と食感が似ているねえ。」とぽそりと言います。そう言われてみればそうですね。
今朝は京都で夜遅くまでお酒を飲んでいて、幾分遅い時間までホテルで寝ていました。夜遅いと言う表現は適切ではなく、今朝方まで飲んでいました。最後に飲んだギムレットはバーテンダーの腕も良かったみたいで、うんとドライな出来映えで、癖のあるジンの味がほんの少し残ったまま起床しました。京都御所近く今出川駅から歩けるホテル「レジーナ京都」はホテルが主体ではなく、スポーツジムやプールに飲食店、会議室、などが同居する総合施設です。ホテルに宿泊すればプールの使用料1000円のところが500円になるので、ついでがあっていいやと泊まってみたのです。ついでとは水泳のトレーニングのことです。朝食をとる時間ではなかったので、チェックアウトを済ませてすぐプールへ向かいました。場所が場所だけにご近所の方ばかりのような気がします。土曜日の午前でしたが子供はいませんでした。会員制をとらず、一見さんでもすんなり入れるシステムですが、混み過ぎることはないようで比較的空いているプールでした。コースも4コースとってありました。決まった休憩時間もなく(ほとんどのプールは強制的に休憩と準備体操があります。)自分のペースでトレーニングができました。今日はブレスト(平泳ぎ)のフォーム強化をテーマにメニューを組んでみました。アップ200M、キック50M 5本、ダッシュ25M 4本、ダウン100Mのショートプログラムで合計650Mです。ストレッチで自分の身体の調子もわかりますが、それほどコンディションはよくありません。(そりゃそうだ二日酔いだもの)キックのフォームは、足首を回すイメージを持ってシャープに蹴ることを心掛けました。ダッシュは意外にもスピードにのってピッチが維持できたので、自信を持つことができました。ここは、採光も明るくてとても水の透明度も高いプールです。泳いでいて気持ちがいいです。水面に跳ね返った日光のねじれ模様が天井で揺れるのを眺めながら、荒くなった呼吸を整えることも楽しいくらいです。水?それにしても綺麗すぎます。トレーニング後ジャグジーに浸かりながら、監視員に尋ねてみました。どうやらこのプールは水が綺麗なことが特色のようで、毎夜「プールロボット」と呼ぶ無人の清掃マシンがプール内に潜り込み、掃除をしているそうです。消毒薬も最小限に抑えてあり、カルキ臭がほとんどしません。水道水を使ってると聞きましたが、それにしてもいい水です。京都で一番綺麗な水のプールなのだそうです。秘湯ならず秘プールと呼びましょうか。
横浜は、若い時からよく出掛けた街です。縁があるのか今でも仕事で時々やってきます。そして泊まる時は、中華街で夕食をとることが多いです。マンネリ気味なので他に何かないだろうかと思うのですが、結局中華街へ行ってしまいます。野毛界隈の飲屋街にある、焼き鳥屋や寿司屋も興味あるんですけどねえ。庶民的で下町の匂いがする小料理屋とか。横浜は元町のように上品な山の手ばかりじゃないところがまた魅力の一つです。さて、中華街のことですが、このところの中国産の食品疑惑の影響か人の出が少ないような気がしました。中には入り口に大きな張り紙がしてあって、農産物の産地をリストアップしてあるお店もありました。もちろんすべて国産です。中国産の野菜は我が家でも避けていますけど、ここ中華街でも問題になっているようです。今日は初めて訪れる「慶華飯店」で夕食をとりました。いつもの「香港路」に入らず「中華街大通り」から反対に向かい「広東路」に出たところにあります。中華料理店は派手で目立つことが当たり前ですが、この「慶華飯店」はモダンで落ち着いたデザインのお店で、カフェですか?と思いたくなるほどです。コンクリート打ちっ放しの壁にシックな椅子とテーブルで、最初はおっかなびっくりでした。お店に入ってメニューを眺め何にしようか迷っていると、中年女性のお店の人が「最初でしたらこちらが人気あります。」と勧めたのが、「海老雲呑」(630円)「叉焼飯」(630円)「海老と玉子炒め」(1680円)の3品です。下調べはしてあったので、「海老雲呑」は外しませんでした。同行者がいたので3品では少ないと思いましたが、お店の人は「2人でちょうどいいくらいだと思います。」とアドバイスをしてくれました。看板メニュー「海老雲呑」はあっさりしたスウプに大きな雲呑がいっぱい入っていて食べ応えあります。ほんと美味しい!小海老の出汁が詰まっていてジューシーです。「叉焼飯」も分量が多いです。オリジナルのタレと絡めるご飯がよかったです。よくサイドメニューで見かけますが、一線を画する一品でした。特筆しておきたいご飯は、お米が立っています。「海老と玉子炒め」も車海老とふわふわ玉子の相性が良く、脂っこくない食感で素晴らしい料理でした。お店の方の言う通りお腹がいっぱいになれました。食べた感想は中華をいただいたというより和食をいただいた感じです。それくらいどれもあっさりしています。これは新発見でした。横浜中華街にこんなお店があるなんて。お店の方も「毎日食べても太らないんだから。」なんてスマートな体型を自慢していました。ラストオーダー20時ですからご用心。
住所 横浜市中区山下町150
電話 045-641-0051
場所
住所 横浜市中区山下町150
電話 045-641-0051
場所
実に久しぶりにフランス料理を作りました。シェフの古田佑二氏を迎えてお馴染みのメンバーと再会です。いつもより集まりが悪い日でしたが、ゲストも来てくれて楽しい会となりました。今回のお題は「豚ロース肉のトマト風味グラタン」と「アジのサラダ仕上げエリンギ添え」の2品です。作り方は難しくないので家で真似して作ってみたくなるメニューです。本当にいつもよりは手軽でした。豚ロース肉はトマトソースとチーズを載せてオーブンで焼くだけです。まず、オニオンを細かいみじん切りにしたものと、ナスのコンカッセしたものをそれぞれバターソテーします。同じ鍋に移してそこにトマトの水煮を加えて半分になるくらい煮詰めます。煮詰まったら白ワインを加え、塩・コショーで味を調え最後にバターで仕上げます。これでトマトソースができました。豚ロース肉は、叩いてから塩・コショーで下味をつけて、オイル・バターで軽くソテーします。焦げ目が付いたくらいで火から離し、先ほどのトマトソースを上に載せ、チーズをかぶせてオーブンで焼いたら出来上がりです。いたってシンプル。「アジのサラダ仕上げエリンギ添え」はフランス語のタイトルでは、「PLEUPOTTES」という単語を使っていて、エリンギではなく、「ヒラ茸」という茸になっていました。入手し辛いので代用品です。アジはシェフに上手に3枚おろしを施していただき、塩・コショーしてからポワレします。(オイル・バターで焼くことですが魚はポワレと呼ぶことが多いそうです。)更にオーブンで加熱します。皿にサラダホウレン草を敷き、その上に調理したアジを載せ、ベビーリーフで重ねます。その周りにはソテーしたエリンギを添えます。盛り付けができたら、レモン汁をふりかけ更に特製の「ビネグレ」をトッピングして完成です。「ビネグレ」とはサラダドレッシングみたいなものです。作り方は簡単です。エクストラ・ヴァージン・オリーブオイルとワインビネガーを2対1の割り合いで和えてホイップし、塩・コショーで味を調えたら、くるみと大葉(青じそ)のみじん切りを混ぜて完成です。今日は、人数が少ないこともあってか古田シェフは簡単なメニューを選んでくれたようです。いつもより早く作ってしまいました。でも作ることよりも、作った後の談話の方が本当のメインディッシュなんですよね。一同完食。
タンポポの綿帽子を見つけました。そこは野原でも里山でもありません。都会のど真ん中です。場所は、JR名古屋駅の新幹線出口付近です。タクシー乗り場や送迎の駐車スペースには車が往来し、駐輪の自転車やバイクををかき分け歩くビジネスマが大勢闊歩し、観光バスが外国人団体客を降ろし、予備校の生徒がたむろし、パチンコ店からはやかましい音楽が溢れるように鳴り響き、飲食店やホテルや大型家電販売店が軒並ぶ雑踏の中です。機能を優先する都市化のあるべき姿を成している空間で、花を咲かせた後、タンポポが綿帽子を作って高々と伸びていました。皮肉なことにタンポポが根付いた場所は、パンジーやカトレアが植え込んである花壇の中でした。そう、機能的過ぎる街の景観は工学の法則に基づき、幾何学的な線で構成されて冷たく無機質な印象を与えるために、緑化や環境改善が補填されることになり花が植えられているのです。道路の中央分離帯にも同じように花壇のスペースが施工されています。そんな咲かされているパンジーやカトレアの隙間には、どこからか飛んで来た種が芽を出し、タンポポが自分の意志で咲いているのです。おそらく西洋タンポポでしょう。強力な繁殖力で、人が用意した土の養分を分捕って、大きく茎を成長させたようです。最近街は綺麗になりました。花壇のお陰ではありません。ゴミ箱が無くなってゴミが捨て辛くなったからです。駅周辺は、テロ災害防止のためにゴミ箱を大幅に撤去したのです。加えて喫煙も禁止しました。ゴミ箱が減るとゴミが減ることはいいのですが、その分、キオスクの新聞や雑誌、飲料水の売り上げが下がったなんて話も聞いたことがあります。ゴミ箱一つでも経済の影響があるのです。結局、捨て辛いゴミはどうするのか。よく見ると花壇の中はゴミだらけでした。街を美しくするために造営された花壇は、人目につきにくくてゴミが捨て易いようです。花壇には立派な看板が立ち、そこにはボランティア団体のゴミ収集活動のことが告示がされていました。捨てられたゴミは分別の必要があるし、ゴミの入れ物も持ち込む必要があるし、範囲が点在して広いために専任のゴミ収集団体でないとゴミも拾えない状態なのです。世の中ややこしい。しょぼくれた感じのパンジーやカトレアに比べて、外来種のタンポポが、生き生きと素知らぬ顔で繁栄しているのかと思うと何だか複雑です。このタンポポの綿帽子は、風に吹かれてどこへ行くのやら。
GETZ/GILBERTO
無人島に一人移り住むならあなたはどのレコードを持って行きますか?なんて質問は今は昔。「ところでiPodの容量はいくつのモデルですか?」なんて言い返されかねません。電気のないところなんだからどっちにしろしょうがないだろうし。書物の選択ならまだしも・・・。えーとにかく僕が議題にしたかったのは、人生の供にしたい音楽を選ぶとするなら、何を思い浮かべますか?ということです。1963年にレコーディングされた名盤「GETZ/GILBERTO」は、必ずその選択にもれることはないでしょう。それほど気に入っているアルバムです。最初に聴いた時は、なんて素晴らしいんだ。こんな音楽に出会いたくてたまらなかったんだよ。と無条件に惚れ込んでしまいました。そして今尚その思いに迷いはありません。スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビンの名声を決定付けた名作であり、ボサ・ノヴァを世界に広めたエポック・メイキングなこのアルバムを僕が今更特筆することなんてありません。どのナンバーも素敵過ぎるので、聴かずに死ぬのは惜しいと本気で思っています。タイトルが2人の人名ではありますが、基本的にはジョアン・ジルベルトがギターを弾き歌い、スタン・ゲッツがテナーを吹いて、A.C.ジョビンがピアノを弾きます。曲は大方A.C.ジョビンが作曲していることから、3人の共同作品と考えても良いくらいです。代表作「イパネマの娘」は僕にとってのボサ・ノヴァの基準であり、ボサ・ノヴァを探し求める旅の出発点になりました。ジョアンが低く呟くようにポルトガル語で歌い出すと、僕はいつも童心を思い起こしてしまいます。ちょっぴり哀しげに。A.C.ジョビンのピアノがぽろろんと響いて泣かしてくれます。2コーラスからはアストラッドの声で英語歌詞を歌いあげ、ゲッツのテナーが暖かく全てを包み込むように奏でると自分の居場所を忘れてしまいます。「イパネマの娘」は数多くのミュージシャンがカバーしているので、レコード屋で見つけるとついつい買ってしまうほど好きです。名曲「コルコヴァド」『ソ・ダンソ・サンバ」など午後のカフェに似合い過ぎます。ブラジル音楽なんてよく知らないという人にも是非聴いて欲しいアルバムです。ボサ・ノヴァとは英語ならニュー・ウエイヴ。フランス語ならヌーベル・バーグ。つまり新しい波。当時の音楽シーンでは、前衛的なスタイルだったのでしょう。コラボレーションの妙、独創的な展開など斬新さもあったのでしょうが、その中にブラジルの伝統的な要素も取り入れたところにボサ・ノヴァの真髄を感じます。現代のコンピュータ音楽に馴染んだ耳で聴いても、今も風化せず尚かつ力強く優しい響きです。このアルバムの誕生にはいくつかのエピソードがありますが、それはここでは書きません。至宝の音楽とはこのような奇跡がつきもので、偶然出会った僕は幸せ者なんです。
Getz/Gilberto
無人島に一人移り住むならあなたはどのレコードを持って行きますか?なんて質問は今は昔。「ところでiPodの容量はいくつのモデルですか?」なんて言い返されかねません。電気のないところなんだからどっちにしろしょうがないだろうし。書物の選択ならまだしも・・・。えーとにかく僕が議題にしたかったのは、人生の供にしたい音楽を選ぶとするなら、何を思い浮かべますか?ということです。1963年にレコーディングされた名盤「GETZ/GILBERTO」は、必ずその選択にもれることはないでしょう。それほど気に入っているアルバムです。最初に聴いた時は、なんて素晴らしいんだ。こんな音楽に出会いたくてたまらなかったんだよ。と無条件に惚れ込んでしまいました。そして今尚その思いに迷いはありません。スタン・ゲッツ、ジョアン・ジルベルト、アントニオ・カルロス・ジョビンの名声を決定付けた名作であり、ボサ・ノヴァを世界に広めたエポック・メイキングなこのアルバムを僕が今更特筆することなんてありません。どのナンバーも素敵過ぎるので、聴かずに死ぬのは惜しいと本気で思っています。タイトルが2人の人名ではありますが、基本的にはジョアン・ジルベルトがギターを弾き歌い、スタン・ゲッツがテナーを吹いて、A.C.ジョビンがピアノを弾きます。曲は大方A.C.ジョビンが作曲していることから、3人の共同作品と考えても良いくらいです。代表作「イパネマの娘」は僕にとってのボサ・ノヴァの基準であり、ボサ・ノヴァを探し求める旅の出発点になりました。ジョアンが低く呟くようにポルトガル語で歌い出すと、僕はいつも童心を思い起こしてしまいます。ちょっぴり哀しげに。A.C.ジョビンのピアノがぽろろんと響いて泣かしてくれます。2コーラスからはアストラッドの声で英語歌詞を歌いあげ、ゲッツのテナーが暖かく全てを包み込むように奏でると自分の居場所を忘れてしまいます。「イパネマの娘」は数多くのミュージシャンがカバーしているので、レコード屋で見つけるとついつい買ってしまうほど好きです。名曲「コルコヴァド」『ソ・ダンソ・サンバ」など午後のカフェに似合い過ぎます。ブラジル音楽なんてよく知らないという人にも是非聴いて欲しいアルバムです。ボサ・ノヴァとは英語ならニュー・ウエイヴ。フランス語ならヌーベル・バーグ。つまり新しい波。当時の音楽シーンでは、前衛的なスタイルだったのでしょう。コラボレーションの妙、独創的な展開など斬新さもあったのでしょうが、その中にブラジルの伝統的な要素も取り入れたところにボサ・ノヴァの真髄を感じます。現代のコンピュータ音楽に馴染んだ耳で聴いても、今も風化せず尚かつ力強く優しい響きです。このアルバムの誕生にはいくつかのエピソードがありますが、それはここでは書きません。至宝の音楽とはこのような奇跡がつきもので、偶然出会った僕は幸せ者なんです。
Getz/Gilberto
活発な低気圧の移動で京都は雨が降っていました。せっかく桜を見物して帰ろうと思ってはみたものの、天気の様子をを見て一度は諦めました。午前中に仕事を終えて外に出ると雨が止んでいたので、思い直して出先から遠くはない「勝持寺」へ桜を観賞することにしました。大原野は京都の街外れにあるにもかかわらず、長閑な田舎風景が広がる景色の良いところです。洛西ニュータウンがすぐ近くにあり、道は狭いけど人里の匂いが充満しています。この辺りは路を曲がると場面の変化が著しく、たぬきに化かされたみたいな気分になれます。僕も見慣れた地域とは言え、住居と畑と竹薮と山が融合した「離れ」のムードが色濃い静かな風景は何度眺めても気持ちが良くなります。雨があがったかと思えば、時折ぱらぱらと小雨が降りるどんよりとした空の下、山に霞む雲の切れ端が煙の様に立ちこめて、これもまた美しいと感じました。「勝持寺」は別名「花の寺」と呼ばれるほど、桜の木が植えてあります。その数約400本。残念ながら、この雨で花が落ちてしまい、満開の桜ではありませんでした。しかし境内の桜はまだ残っていて、桜の愉しみを損なうことはありません。この天候なら観光客も少ないだろうと決め込んでいましたが、そこそこ人は来ていました。こじんまりとしたお寺なので、歩き疲れることもないので気軽に立ち寄れる花見になりました。このお寺は、バスが入れない細い道を抜けなくてならないので、小団体しか登って来れないところが穴場の秘密です。驚いたことに駐車所の手前の竹薮で野猿を発見しました。母親らしく2頭の小猿が竹を伝って降りてくるのを待っていました。こんなところに猿がいるなんて!里山ですね。嵐山にも猿が出没するので、ここまで活動範囲を延ばしているのでしょうか。竹に猿も悪くないけど、住んでいる人は迷惑なんでしょうね。名物「西行桜」は高い桜の木でした。それよりも奥に植えられた枝垂れ桜(多分)は見応えあります。誰もいないともっといいかもと想像してしまいますが、無理な相談かな。空が青くないし雪のように花弁が散ってゆく桜になってしまい、華やかさを感じるよりも侘びしさを感じる花見となってしまいました。でもこれもいいかな。
Macユーザーの僕は、家では代々オール・イン・ワン・タイプのMacを使用してきました。ノート型のPowerBook540cを仕事で触ったのがパソコンとの馴れ初めです。その後、感性に直結するGUIに惚れ惚れして以来、ずっとMac党の道を歩んできました。(仕事ではウインドウズを使用しています。)現在はiMacG5を使っています。家族で1台のパソコンを共用してるのですが、段々使う頻度が多くなり一人当りのパソコン利用の割り当てが窮屈になってきました。特に二人の娘の使い方が増えてきたので対策を立てる必要がでてきたのです。そこで思いついたのが、前のメインマシンiMac350を再利用することでした。新調した時に使わなくなったのですが、今でも動作は良好です。2台あればシェアができるので、少しは軽減されるはずです。今使っているiMacG5は、とても快適なので不満はありません。クロックパルス1.8GHz、メモリ512MBで動作は64ビットの性能なのでOS Tigirでもサクサクです。最初に手入れたのがLC575(ビンテージマックと呼ばれるパソコンです。)でクロックパルス33MHz、メモリ36MB(増設)、OS漢字TALK7.5でしたから技術革新には驚きを感じます。本当にパソコン環境は良くなったと思います。二番目に手に入れたiMac350は、当時ブレイクしたあの可愛いデザインのパソコンで手放す気にはなれませんでした。今でも大好きなパソコンで愛着があります。クロックパルスは350MHz、メモリは192MB(増設)、OS9のスペックは、今ではクラシックマックと呼ばれているけれど使用範囲を絞れば遜色ありません。インターネットがつながれば充分機能を果たします。現役復帰できます。G5は無線LANでネットにつなげています。iMac350の置き場所は電話回線に近いダイニングにあるので、ちょうど光通信側のルーターにイーサネットのケーブルでつなげることができました。iMac350を無線化するにはAirMacカードがあればいのですが、アップル社が販売を中止していて中古でも高値で取引される貴重品になってしまい入手困難です。有線で済んで助かりました。ファイルの共有化もスムースに設定できて無事2台のパソコンがLAN環境でつながりました。やったー。ブラウウザはネットスケープ7.0でもネットサーフィンが可能ですから、無理に改造しなくてもブログのアップくらいできそうです。そう、古いマシンでブログが書けたらいいなあと考えたのが今回の目的でした。追い出されるのはこの僕になりそうだからです。肩身が狭いよ。
お天気は上々、春爛漫のぽかぽか陽気です。春はどこに?どこにでもあるはずです。きっと。それでは春を探しに出掛けましょう。できるだけ身近な場所がいいでしょう。探査をするなら鼻が利く足の短いわんこも連れ出すのがいいでしょう。と準備万全で家を後に歩き出しました。目的地は割と新しくできた近くの公園です。大規模な線路工事が終わった跡地を利用した公園です。そこで春を探査してみてみることにしました。その一、桜。春の象徴と言えば桜です。ソメイヨシノはちょうど満開で、公園が華やかに見えます。ソメイヨシノはどんな場所にも植えられている桜ですが、この公園にもご多分に漏れずたくさん植えられていました。まだ若い樹木がほとんどです。ですから枝振りは細く、背丈も人と同じくらいのもまであります。そんなわけで芝生や遊具や噴水池もあるのに花見客はいませんでした。小さな子供がはしゃぎ、若い人達がひなたぼっこし、犬の散歩をする人が行き交うだけです。弾む声が響くだけの公園に静かに咲く桜も悪くありません。ゆっくり観賞できます。春に間違いありません。その二、クローバー。地面には所々クローバーが生えていました。クローバーと言えば四ツ葉のクローバー。ちょっと探してみるこにしました。これは種を撒いた訳ではないですねえ。芝生の隙間に割り込んで陣取っています。肝心の四ツ葉のクローバーは・・・ないよ。ない。簡単に見つからないから価値があのであって、そうそうあるもんじゃありません。相棒のミニチュアダックスは、真剣に探していてくれのかしきりに臭いを嗅いでいます。四ツ葉のクローバーって見つけ出したことあったっけ?いつだったでしょうか最後に探したのは。これも春に間違いありません。その三、柳の枝。何故だか大きな柳の木がありました。若葉が出揃い、枝も長く伸びて垂れ下がり風になびいています。柳の長い枝が揺れると涼しさも感じるくらいです。新緑の季節が始まろうとしていますね。これも春に間違いありません。その四、たんぽぽ。たんぽぽの花は春の実証見聞にはこの上ない証拠になります。敷き詰められたレンガの隙間から、力強くたんぽぽが咲いていました。低く踏む付けられても負けにような咲き方です。冬の間、ロゼッタになって寒さや乾燥に耐え凌ぎ、茎を伸ばさず花を咲かせます。やがて綿帽子になって種を飛ばすんでしょうねえ。子供の頃よくやりました。春に間違いありません。それでは無事任務完了、帰宅します。
晴れた春の朝、会社に出勤しようと駅に向かって歩いていると、一匹の猫がうずくまって何やら見つめていました。少しメタボリックな猫です。色は白と黒のブチ。十中八九、飼い猫だと思います。成熟しているし、猫としてはそれなりに経験を積んでいるのでしょう。獲物を狙っています。ターゲットは土鳩達です。気付かれないように注意深く身をかがめて前進しています。邪魔しないように見物していました。でもどう考えても土鳩達の方が有利です。視界は開けているし、猫との距離はしっかり間合いを見極め、用心している様子です。ブチ猫は自分の存在を消しているつもりかも知れませんけど、あっちはそんなことお見通しの余裕の態度です。それでもブチ猫は、本能の信じるままに狩りをしかけます。じりじりと詰め寄って、土鳩の油断を突いて一気に襲いかかる。そんなイメージで飛び出しました。だけど全然近づけていません。土鳩達はブチ猫が前に出た分だけひらりとジャンプして散らばり、ついさっきまでしていた地面の餌探しを続けています。僕の予想通りでした。土鳩に馬鹿にされたような気分のブチ猫君は、戻るのか進むのかわからない中途半端な中腰の姿勢でそのまま静止しています。「馬鹿なヤツだなあ。」と僕も笑ってやりました。飛び出す少し前に携帯電話のカメラで写真を撮ったときは、驚いて振り向いていたので、僕が集中力を削いでしまったのかも知れません。ハンティングの失敗は、僕にもあるのかしらん?直後、ブチ猫君は反対方向に引き返して一目散に走って逃げてゆきました。猫の面子を潰された屈辱感なのか、それとも急な用事を思い出したのかわかりませんが、獲物に飛びかかるスピードよりこっちの方が速いのではないかと、こちらが面食らいました。しかし土鳩ってどうしてこう小馬鹿にするような態度をとるんでしょうねえ。人間様に対しても同等です。餌をやれば、ギリギリまで近くによって懐いているような素振りをする癖に、いざ取っ捕まえてやろうと踏み込むと踏み込んだ分だけ離れていく。再び餌をやれば、餌をつつきながらまた近づいてくる。でも考えてみたら若い女性も同じことが言えますよね。食事に誘えば付いてくるけど、終電までにはさらりとかわして帰っちゃうあれ。いや僕のことじゃないですよ。よくそんな話、聞かされたりするでしょ。それそれ。あっー!と、こんなことしてたら会社に遅れちゃう。