
ヴォーリズ建築を探して見学をしたりしていますが、とうとう東京までやって来ました。ヴォーリズ建築東京編・・・ということなんですが。高輪にヴォーリズ建築があることがわかったので地図で調べてみるとJR品川駅から歩いて数分のところでした。意外にも意外。品川なんて随分前からうろうろしています。最近も用事が増えた場所です。僕にとっては馴染みある土地なんです。新幹線で帰る前にちょっと立ち寄れるじゃないですか。そこは「東芝山口記念会館」と今は呼ばれているところです。1925年大正14年に竣工しました。三井財閥の一員で、後に三越や朝日生命の社長だった朝吹常吉氏の邸宅だったもので、その後企業である東芝が迎賓館として利用していました。(今でもそうなのかな?)第一京浜国道15号線から路地に入り、住宅街をぬいながら洞坂を上ると辿り着きます。少し小高い土地をならして建てられた広い庭園付きの白い洋館です。塀や柵で中の様子がよくわかりませんが、非常に手入れが行き届き保存状態は良いことは確認できました。入り口はとても興味が湧く意匠です。駐車場には車が置いてあり、部屋の電気が付いていました。門へ廻ってみると扉が開いていましたから誰かいるのでしょう。(当然立ち入り禁止です。)白い壁に赤煉瓦の屋根。典型的なスパニッシュスタイルのヴォーリズ建築です。煙突のデザインもいいですねえ。失礼ながら盗み撮りのようなことになってしまいましたが、何とかカメラに収めてきました。ゆかりの滋賀県では朽ちて補修することができなくて困っている物件が多い中、一部上場企業が管理をして保存される好例とみていいでしょう。経費の無駄遣いだという意見もあるのでしょうけど、これなら賛同する価値はあると僕は思っています。日本にこのような建築遺産を残してくれたことに敬意はあってしかるべきだと思いませんか?意外な場所だったことに加えてもう一つ。この洋館はテレビで放映されたウルトラセブン第二話のロケ地だということも訪問した理由です。「緑の恐怖」(ワイアール星人登場)というタイトルで宇宙ステーションV3から帰還した地球防衛軍の石黒隊員の自宅の設定になったところです。ウルトラセブンは大好きでした。1960年代のSF特撮ドラマにヴォーリズのデザインがマッチしたのです。撮影に使われたと知るに何十年と月日が流れたことと仕事のロケーションとヴォーリズの三点が重なったことに胸が躍らないわけないでしょ?





なんとなく昭和っぽい、いいはなしですね。