梅雨の間は爽やかな青空に出逢えることはないですね。気分も湿りがちになるとはこのことです。雨が降り出しそうで降ってこないお天気に、ちょっと寒さも感じる山中湖まで車でやってきました。何とか富士山は見えました。雪が少し残っていて夏の富士山にあと一歩といったところでしょうか。山中湖の湖面は標高981Mもあって、寒いと感じるのは当然かも知れません。避暑地としてもいい場所なので、あちらこちらには別荘や保養施設が乱立しています。観光のための飲食店や土産屋も目につきます。大学の運動部の合宿らしく、トレーニングでランニングをしている学生も見かけました。目指すは、湖畔の国道413号を抜けて山中湖の裏にあたる「石割の湯」です。観光施設に近いけど場所は目立たないように建っていて、隠れ湯ぽい演出が感じられます。新しい温泉施設だとは思いますが、建材の木の温もりが心地よく、こじんまりとした温泉です。日帰り専用で平日の夕方でもそれなりにお客はいました。入泉料は700円。高くもなく安くもない値段です。内湯も露天も広くはありません。開放感を楽しむ温泉ではないようです。最初に入って思ったのは特異な匂いでした。消毒剤かな?と疑ったのですが、どうやら鉱物臭のようです。強くないので分かりませんでしたが、後から硫黄臭を放つことがわかりました。ここの湯はアルカリ度が高いことが最大の特徴です。ペーハーはなんと10。といってもそれがなんだ。と返してしまいますけど。とにかく日本で一番アルカリ性の温泉だということです。それ以外は無色透明で温泉というよりは、ミネラル水に浸かってる印象です。さらりとして癖がありません。パンフレットを見るとマイルドな成分と書いてありました。増々地下水のような気がしてきます。露天は檜造りの四角い湯船がありますので、これがお勧めです。内湯のバブル・ジェットやサウナよりくつろげると思います。打たせ湯で右肩を癒した後にずっと入っていました。温度が低めでいくらでも入っていられそうです。木々の間を鳥影が素早く移動するのを確認すると、高原にしか住んでいないだろうと思われるさえずりが聞こえてきます。時折、キリギリスの鳴く声も聞こえました。リゾートの雰囲気を静かに楽しみながら湯汲みができるいい温泉です。湯上がりには富士山の天然水「富士山仙水」をごくりと飲んで喉を潤してみました。美味い!と思える一瞬です。
石割の湯 公式サイト
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