スケッチブック 〜写真で綴るスローライフな日々2

写真を撮りながら、日々の暮らしや旅先で感じたことを書いています。
2016年からは撮った写真をイラスト化しています。

山中湖村 石割の湯

2009年06月29日 | 温泉
梅雨の間は爽やかな青空に出逢えることはないですね。気分も湿りがちになるとはこのことです。雨が降り出しそうで降ってこないお天気に、ちょっと寒さも感じる山中湖まで車でやってきました。何とか富士山は見えました。雪が少し残っていて夏の富士山にあと一歩といったところでしょうか。山中湖の湖面は標高981Mもあって、寒いと感じるのは当然かも知れません。避暑地としてもいい場所なので、あちらこちらには別荘や保養施設が乱立しています。観光のための飲食店や土産屋も目につきます。大学の運動部の合宿らしく、トレーニングでランニングをしている学生も見かけました。目指すは、湖畔の国道413号を抜けて山中湖の裏にあたる「石割の湯」です。観光施設に近いけど場所は目立たないように建っていて、隠れ湯ぽい演出が感じられます。新しい温泉施設だとは思いますが、建材の木の温もりが心地よく、こじんまりとした温泉です。日帰り専用で平日の夕方でもそれなりにお客はいました。入泉料は700円。高くもなく安くもない値段です。内湯も露天も広くはありません。開放感を楽しむ温泉ではないようです。最初に入って思ったのは特異な匂いでした。消毒剤かな?と疑ったのですが、どうやら鉱物臭のようです。強くないので分かりませんでしたが、後から硫黄臭を放つことがわかりました。ここの湯はアルカリ度が高いことが最大の特徴です。ペーハーはなんと10。といってもそれがなんだ。と返してしまいますけど。とにかく日本で一番アルカリ性の温泉だということです。それ以外は無色透明で温泉というよりは、ミネラル水に浸かってる印象です。さらりとして癖がありません。パンフレットを見るとマイルドな成分と書いてありました。増々地下水のような気がしてきます。露天は檜造りの四角い湯船がありますので、これがお勧めです。内湯のバブル・ジェットやサウナよりくつろげると思います。打たせ湯で右肩を癒した後にずっと入っていました。温度が低めでいくらでも入っていられそうです。木々の間を鳥影が素早く移動するのを確認すると、高原にしか住んでいないだろうと思われるさえずりが聞こえてきます。時折、キリギリスの鳴く声も聞こえました。リゾートの雰囲気を静かに楽しみながら湯汲みができるいい温泉です。湯上がりには富士山の天然水「富士山仙水」をごくりと飲んで喉を潤してみました。美味い!と思える一瞬です。

石割の湯 公式サイト
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スローミュージック SELECTION Vo.69

2009年06月27日 | スローミュージック
Michel Jackson/Dangerous

2009年6月26日(現地時間25日)、朝のラジオのミュースでマイケル・ジャクソンの死去を伝えるニュースを聞いた時は、思わず声が出ました。享年50歳、あまりにも突然で信じ難い出来事でした。特に大ファンというわけでもないけど、思い起こすと僕達は、若き日々の心の中に彼の音楽が当たり前のように刻まれていることに気付かされます。渋谷のパルコでスリラーのビデオでマイケルが着ていた真っ赤な革ジャケットが販売されているのを見て、東京は凄い所だと感慨深く感じたことも懐かしい思い出です。あまりにも有名過ぎて、そしてあまりにも音楽以外の私生活がスキャンダラスだったために、ミュージシャンはともかく音楽ファンや音楽に従事する関係者も、その音楽性に深く立ち入ることに興味を示すことをはばかるほどだったと思います。マイケルが逝ってしまうだなんて一体誰がわかっていたのでしょうか?今、はっきり感じることは残された彼のレコードが今までとは違って聴こえてしまうことです。もう僕達はマイケルの新譜を聴くことはないし、過去を振り返りながら彼の歌声を聴くことになるのです。僕の経験から言えば「OFF THE WALL」こそインパクトのあるアルバムですし、一番良く聴いた作品です。ショート・フィルムと自ら呼んだプロモーション・ビデオも傑作ぞろいでした。中でもマーティン・スコセッシ監督が手掛けた「BAD」は総時間16分の大作で、これを全編観た人はマイケル・ジャクソンのイメージを変えることになったでしょう。ラストのア・カペラは圧巻です。もちろん「THRILLER」も話題としては最高でしょうし、佳作が多い完成度の高いアルバムでプロデューサーのクインシー・ジョーズの味が生きています。それでも、一番のアルバムを一つに絞るとするなら、僕は「Dangerous」を選びます。映像の影響が大き過ぎるかも知れませんが、3曲目「In The Closet」5曲目「Remember The Time」8曲目「Black Or White」など今聴いても古くさくないし、飽きもこない名曲ばかりです。1991年に発表された気がしません。歌が上手い。ダンスが上手い。エンターテイナーの王道を行くスーパースターを、世界中の人々は無視することができなかったのです。距離を置いて付き合ってきた僕ですが、今はもっと素直に聴いておけばよかったと後悔しています。マイケルを理解できる人はおそらく数少ない人達でしょう。ミステリアスな一生を送ったマイケルは伝説になってしまったけど、これから彼の音楽は正しい評価を受けることになるような気がします。

デンジャラス
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フィットネスのために泳ぐということ 15

2009年06月25日 | スポーツ
このところプール通いが板についてきました。七日を空けずにプールに入ろうと思っています。市内大会(といってもぐだぐだの緊張感の無いレースなんですけどね。)に出ても、怪我をしないようにしておくためにコンディション作りに励んでいるところです。でも、泳ぐのはどちらかというとダイエットが目的になっています。朝夕は炭水化物を摂らないように食事を気を付けることにして食事制限も始めました。あと1kg痩せたいと思っているんだけど、壁が高いなあ。この1kgが落ちてくれません。今日は東山公園の前にある「千種スポーツセンター」で泳いできました。入り口には小枝を手にした少女のブロンズ像が立っているスポーツ施設です。案外空いていました。瞬発力を鍛えるトレーニングを意識してメニューを作ってみました。アップはクロールで200Mとブレストで200M、その後、25Mダッシュ折り返し25mスローダウンを4本とダウン100Mをブレストで泳ぎ、仕上げに100Mのダウンをクロールで泳ぎ合計800Mです。ダッシュ&スローダウンのインターバルは、たっぷりとってブレスを調えてから泳ぎました。空いているとは言え、50Mを自由に泳げるほどではありません。本当は50Mのダッシュをしたり、50mのタイムトライもしてみたかったのですけど。このところ無理にフォームを大きくすることは止めたら、ピッチのコントロールができるようになりました。スカーリング・プルの軌跡を大きくすると疲れが早く来て、後半にはフォームが崩れてしまうので、思い切って小さくしてリカバリーのスピードも落とさないやり方にしたのです。これが今のところいい結果になっているような気がします。スタート後の3ストロークくらいは、大きくストロークして、スピードに乗ったところでピッチを上げて、なるべく減速しないように泳ぐ方法です。25Mならトップスピードが維持できそうです。問題は後半の25Mでしょうか。市内大会は長水路で最低50Mのレースですから、後半のスタミナを考えてペース配分を設定しなければなりません。2年間プールを遠ざけてきましたから、よくここまでやれるようになったと自分を褒めてやりたい気分です。
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ボルボS80との別離

2009年06月24日 | アイテム
とうとうボルボS80を廃棄することにしました。あまりに突然のことで、ショックだったけど。少し前に妻がエンジンのかかり具合が変だと言うのでディーラーに診てもらったら、スターターの不具合と同時にフライホイールまで損傷が見つかり、修理代が高くつくことを知らされて、泣く泣く手放すことにしました。この間、スロットル・バルブを交換したばかりなのに。しかも、タイヤも新品にしてほとんど走っていません。とほほ。エンジンオイルもフィルターもワイパー・ブレードだって2ヶ月前に交換したばかり・・・。神からの試練としか思えません。思えば運命的な車でした。ボルボに乗るこになったきっかけは、上の娘が交通事故に遭遇したことでした。道路に飛び出して走ってきた車に衝突し、弾みでボンネットに乗り上げて怪我をしたことがあったのです。事故当日は僕も気が気で無い状態で心配しましたが、幸いにして後遺症もなく現在に至っています。まさか自分の子が交通事故に遭うなんて。と受入れ難い気持ちでいっぱいでした。事故の様子を聞かされたり、治療で包帯巻き姿の娘を見て気落ちした経験は忘れられません。加害者の若い男性にも憤りを感じたりしました。ある日、その加害者の両親がお詫びに上がりたいと電話があり、僕の家まで頭を下げにやって来ました。その時、加害者のお父さんがこんな話をして帰りました。それは、息子には兄がいたのだけど勤務先の工場で起きた爆発事故で落命し、残った弟には死なれて欲しくないと願いボルボを買い与えたと言うのです。上の娘はそのボルボにはねられたのです。子供の命を守るために車はボルボにした。僕には、このことが強烈な訓示のような言葉に聞こえました。風水では鬼門の方角に鬼瓦を置く風習がありますが、ボルボにはボルボで。と考えるのは無理があるにしても家族を守ることを思うと安全な車にするのも大事な選択ではないかと思うに至りました。そこで娘には「世界で一番安全な車だ。」と言い切れるように当時のフラッグシップカーS80を購入しました。(中古ですけどね。)そんなこんなでしばらく愛車として乗り続けていました。まだまだ乗れるぞ。なんて思っていましたが、別れを惜しみつつさようならです。輸入車にある故障やトラブルはそれなりにありました。特にこの車種はボルボで初めてが多く、車載LAN、横置きストレート・シックス・エンジン、キャット・ウォーク・デザインなど四角いボルボを払拭するエポック・メイキングな車だったので尚更です。8年くらい乗ったので愛着もありました。グッド・バイS80。
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我が心のトムとジェリー

2009年06月21日 | 芸術/演劇
子供の頃、何度見ても飽きないアニメがありました。「トムとジェリー」です。本当に大好きでした。いつ頃からか夢中になって観てました。小学校の高学年になっても再放送されていたので、恥ずかしながらテレビの前で釘付けでした。この度、宝島社からDVDが発売されたので買ってもらいました。買ってもらいましたとは子供のおねだりみたいな表現になりましたが、実は妻から父の日の贈り物に村上春樹の「1Q84」を予約してもらい、そのついでに「トムとジェリー」のDVDも欲しいなあ。なんて指をくわえるように話してしまったからです。980円で30作品を発売し、その後34作品を収録して第2弾も発売されました。両方買っても2000円以内!お買い得です。著作権保護期間が終了したので安価に提供できるようになったとは言え、ファンには泣きたくなるような奉仕特価企画です。下の娘も大好きらしく、一緒に見入っていました。吹き替えではないのでちょっと雰囲気が違いますが、十分その魅力は味わうことができます。確かジェリーの声優役は一休さんと同じでしたよね。♪トムとジェリー!仲良く、喧嘩しな♪とエンディングテーマの歌もよく覚えています。ドタバタ喜劇の面白さもさることながら、アメリカ人の裕福な家庭環境も同時に知ることになり、子供ながらに贅沢な生活の一端を垣間見て憧れたものでした。トムがジェリーを探す時に観葉植物を根ごと持ち上げるシーンを見て、鉢植えの大きな植物なんか自分の家には無いよなあ。と思ったり。大きな冷蔵庫にはデザートを含め、御馳走がぎっしり保存されているのも驚きでした。細かい所を上手く使ってドタバタを演じるものだから、家財道具や調度品など生活様式の違いが何となく伝わってくるので、見ていて飽きが来ませんでした。ブラインド、ピクニック、芝刈り機、ステーキなんか印象的です。ゴルフやビリヤードを大人になって覚えましたけど、テレビを見ていた少年の僕が、将来同じことをするなんて夢にも思っていませんでした。そう言えばジェリーの大好物のチーズ。ネズミがチーズを好むとアメリカ人は考えていたらしいと思ってみたり、給食のチーズはどうして穴が空いてないのだろうと疑ってみたり文化の違いを発見できました。ネズミ捕りのデザインもこのアニメで知りましたが、本物は日本では売ってなかったような気がします。あったのかな?知らないだけかも。BGMはクラシック主体でマッチングが素晴らしかったです。リストのハンガリー狂詩曲なんて耳について離れませんでした。昔、友達との付き合いはトムとジェリーのように、仲良くしたり喧嘩したり入れ替わることだって当たり前だったような気がします。「トムとジェリー」は大人になった今でも、教えてくれるものがありそうです。

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鶏のムネ肉バター焼き 園芸風 ~鯛のバター焼き プロバンスサル風

2009年06月20日 | 料理/グルメ
ジメジメする天気が続きます。空は曇り湿気を感じます。今日は、古田祐二氏を講師に招きフランス料理を作ってきました。お題の二品はいつもより早く完成できました。古田シェフが野菜の仕込みをしてから持ってきてくれたからです。さて、「鶏のムネ肉バター焼き 園芸風」ですが、これはシンプルな料理で焼いた鶏と野菜をたっぷりいただく料理です。フランス語で「Jardiniere」と書いて園芸風と訳しています。鶏のムネ肉は食べ易い大きさにスライスして塩・コショーで下味をつけておいてフライパンでオイル・バターのソテーにします。その後、オーブン皿に移し白ワインと小麦粉を振りまき、くし形にカットしたレッド・オニオンの炒めたものと一緒にオーブンで火を通します。ニンジン、カブ、いんげんは鍋で塩茹でしたら茹で汁を捨て、バターを絡めます。小松菜を別でオイル・ソテーをしておき、盛りつけるときに鶏肉の下に敷きます。調理が済んだら皿に盛りつけて焦がしバターのソースをかけます。この焦がしバターのソースが大好評で本当に美味しいソースでした。温度が下がっても固まったりしません。僕は何度もこのソースを作り損ねた経験があるので参考になりました。コツはバターを大量に使うことだったのです!カロリーは間違いなく高そうです。仕上げにバルサミコ酢をかけました。焦がしバターとバルサミコ酢の相性も良かったです。食べ応えのあるメニューです。「鯛のバター焼き プロバンスサル風」は夏向けの料理でした。鯛にラタトゥーユを添えるものだと考えると分かりやすいでしょう。ラタトゥーユはナスとズッキーニとパプリカとオニオンの角切りをオイル・ソテーしてガーリックと塩・コショーで味を調えてホールド・トマトのコンカッセを絡めたものです。カポナータにも近い料理です。鯛は三枚におろしてフィレは塩・コショーをしてからポワレします。バター少なめのオイル・ソテーですね。身が新鮮なので火を入れると反り返るので押さえながら加熱する必要がありました。皮を下にしてカリカリにしたらひっくり返します。おろした中落ちは鍋で煮詰めて出汁をとり、ソースにします。水と白ワインとホールド・トマトのジュースを煮詰めて裏ごしし、更に煮詰めて塩・コショーで仕上げます。食べる前にレモンスライスを載せてパセリのみじん切りを降り、さっぱりした涼感を演出して完成です。食欲が進んでお腹が膨れるメニューになりました。

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フィットネスのために泳ぐということ 14

2009年06月19日 | スポーツ
泳ぐぞー。と最近勢いついています。肩の痛みが減ってきて、ストレスなく泳げるようになってきたことが大きな理由ですが、水泳のシーズンも始まり市内水泳大会の出場を視野に入れていることも理由の一つです。でも週末の夜に時間が空くなんて、昨今の経済状況を考えれば誰もが頷けることでしょう。僕もご多分に漏れず、花の金曜日なのに自由な時間がありました。(ぐすん。)今日は「瑞穂運動場内温水プール」でトレーニングしてきました。ここは瑞穂公園内に愛知県の総合運動施設が集中しているところで、サッカーは名古屋グランパスのホームスタジアムがあり、野球やラグビーの専用スタジアムの他にも各種のスポーツ競技が可能です。プールに向かう途中に学校のクラブ活動やスポーツ選手の練習などでアスリート達の掛け声が聞こえてきますし、ジョギングや散歩する市民の姿も数多く見かけました。温水プールにやってくるスイマー達も心得のある人が多く、競泳のトレーニングには向いています。それでもコースは遊泳できるのは2コースだけだったので混み合っていました。ですから考えていたメニューはあきらめて、周りに合わせて泳ぐことにしました。アップ代わりにクロールで25Mを16本、ブレストで25Mを16本とダッシュ25Mを4本の合計900Mです。ブレストのフォームについてですが、今年はまた少し変えています。最近の流行はオーバーストロークにならないようにプルは小さめで肩の上げ下げも少なくして、慣性のスピードを殺さないようなものです。影響を受けて真似ています。エコフォームというか乳酸を溜めないようにして、ピッチを維持し易くながら泳いでいます。もちろんキックも膝から下を中心にして引き戻しすぎないように蹴っています。この方が僕にはタイミングがとり易いような気がしています。ブレストっていろんな理論があって、どれももっともらしい事を言うのものだから迷うんですよねえ。練習後の帰り道、瑞穂の公園内を歩いてみました。緑が多く落ち着いた雰囲気があるところですがプールの近くに何故か大きな椰子の木が植えられていて異様なムードです。外灯に照らさされる椰子の木がクールな景色でした。
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スローミュージック SELECTION Vo.68

2009年06月17日 | スローミュージック
The Melody At Night,With You/Keith Jarrett

僕にジャズを教えてくれた人は、キース・ジャレットのファンでした。若かった僕はキース・ジャレットの名前は知っていたけれども実際に聴いたことがなく、とても遠い世界の人のように感じていました。それ以来なのか、僕はキース・ジャレットを聴くほどジャズのことなどわかっていないと思い込んでしまって、未体験のままでした。恥ずかしながらこの「The Melody At Night,With you」を手にしてキース初体験となりました。夜のためのメロディをあなたのために。アルバムタイトルはこの作品のすべてを表していると素直に思いました。聴けばストレートに感じるとができます。インプロヴィゼイションこそキース・ジャレットの代名詞と言われるほど、彼の音楽活動はジャズ・ピアノのライヴが有名です。名演奏が多いその彼が、慢性疲労症候群を患い鍵盤を叩くことができなくなってしまったことは、ファンを大いに失望させたことでしょう。リハビリに苦しんでいる休業中の1998年12月、自宅のスタジオで自ら録音したソロ・ピアノ・スタンダード集としてこのアルバムが発表されたことは、奇跡のような出来事だったに違いありません。完成度の高さから、彼の代表作ともなった名盤です。僕は何も分かっていないリスナーの一人ですが、一度聴いただけで虜になりました。繰り返し聴くとその奥に潜む何かを、気配のように鼓膜から侵入するのを黙って受け入れています。晩年の彼が何を思いこのアルバムを作成したのか興味深い所ですが、僕のような「にわかファン」でも、心の安らぎや相手を気遣うことの意味を教えてくれる音楽です。収録曲はスタンダード・ナンバーがほとんどですけど、5曲目「My Wild Irish Rose」は妻のローズに捧げたナンバーで、まるでキース・ジャレットが長年連れ添って生きてきた妻に対する感謝の標のような優しさを感じるのは僕だけでしょうか?8曲目の「Be My Love」は劇場的で素敵な演奏です。僕はこれが好き。夜、一人で自分の過去を振り返り、今までの嘘や恥や怒りや怯えに向き合った時に初めて気付かされることがあるとしたら、きっとこのアルバムが水先案内人の役を担ってくれるでしょう。

メロディ・アット・ナイト、ウィズ・ユー

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靴のタンがソールに縫い込まれてしまった!

2009年06月14日 | アイテム
「はい。もしもし。はい。はい・・・・。えーと。そのー。言ってる意味がよくわかりませんが。」二週間前、僕は名鉄百貨店のシューケアスタジオから革靴のリペアの納期になって電話をもらいました。革靴のソールを革で張り替えるリペア(補修)を注文していたのでした。「左のタンをソールに縫い付けてしまったんです。」「タン?」僕はソールに何を縫い付けたのか最初さっぱりわかりませんでした。後から説明を受けて分かりましたが、ソールを縫い込む時に甲の部分にある革の部品を一緒に縫い込んでしまったみたいです。でも、どうして?僕が依頼した革靴はイタリア製の「ロベルト・ボッティチェリ」で色はネイビー・ブルーのちょっと特殊なデザインです。タイプもモンクストラップでバックルの意匠も凝っているし、ストラップの通しまで施されている珍しいデザインです。購入したのも随分前で、もう同じものは絶対に手に入りません。「タンは使えなくなったので同じタンを作ってみますから、もう二週間お時間をください。」と電話口では低い姿勢でお願いされました。「色が黒ではない上に、長年僕が同系色の靴墨で磨き込んでいるので、似たようにできますか?」と僕は心配しました。「右と左で違うものになるのも何ですし。」そうすると電話口では「その場合は、右も変えて同じように仕上げます。」と切り出すので、もう二週間待つことにしました。そして、とうとう今日、僕がリペアをお願いした革靴は戻ってきました。しかも自宅に責任者がやって来て、お詫びと菓子折りを持参してきたのです。これには僕の方が面食らいました。でき上がりを見せてもらって、またびっくりしました。完璧と言っていいほどの仕上がりではありませんか。もう一つ心配事だったコバの部分も新しくなって、変形になってしまうことは僕も頼む時に承認していましたが、剛性も高くなり見事にリペアができています。ミステイクを許せなかったのか、クレーム扱いで会社あげて対応しているのかわかりませんでしたが、悪い気はまったくしませんでした。シューケア用品までいただいて、対応の良さに感嘆してしまったという方が近いです。しかも、もう一度来店していただき、料金をお返ししたいと言うのです。ここまで言われると、「今後もリペアを頼みたい靴はいっぱいあるので、またお願いすることになると思います。」と訪問した責任者の方に言葉を返しておきました。上質なサービスの逸話を経験したような気分です。以前にも宅急便で青森に送ったゴルフバッグが沖縄に着いてしまって、宅急便業者からレンタルクラブとシューズの料金、新品のゴルフボールとグローブの全料金を賠償してもらったことがありました。他にも予約したホテルで、チェックイン直前に部屋の給湯システムが故障し使えなくなったことがあり、支配人に別の同格のホテルの予約をしてもらって、移動のタクシー代を負担してもらい、宿泊するはずだったホテルの無料宿泊券をもらったこともあります。僕はこういう腰の据わったお店やサービスが好きです。安心感があるからです。これならまた頼みたいという気になれますよね。僕はそう思うタイプです。今も部屋の中でリペアが済んだ靴を履きながら、この記事を書いています。

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フィットネスのために泳ぐということ 13

2009年06月12日 | スポーツ
梅雨に入り、少しじめじめしてきました。水泳もシーズンが始まり出したところです。仕事帰りにプールで泳ごうとして最近言行っていなかった「千種スポーツセンター」まで行ってみたら、金曜日は定休日だったことを忘れていました。あちゃ。すぐさま地下鉄沿線沿いで近くのプールはないかと思い直して「東スポーツセンター」があるのを思い出し、急遽場所を変更して泳いできました。でも情けないもんですねえ。気付かないなんて。気分を変えるためにプールを渡り歩いていると、定休日をうっかりすることもあります。さて、「東スポーツセンター」はナゴヤドームに隣接しているので地下鉄ナゴヤドーム前矢田駅を下車してナゴヤドームに向かう途中にあります。専用通路を通ることになり、そこはドラゴンズ・ロードと言って壁にドラゴンズの選手の紹介はもとより、歴代の名選手や監督の写真、優勝した時の新聞の見出しなどドラゴンズの歴史がいっぱいに展示しあるギャラリーでもあります。応援するファンはそれらを眺めなら気分を盛り上げることができるようになっています。マスコットのドアラも地元では大人気で、スーパーのテレビCMにも出演しているくらいです。到着して残り少ない時間、今日はどんなメニューをこなそうかと思案するまでもなくプールはとんでもないことに・・・。金曜日なので2コースは水中エアロビクスの講習が占拠していて、びっしり中高年の女性が入っていました。民営化の影響です。それにしても大音量のダンスミュージックとインストラクターのマイクパフォーマンスは圧巻です。水中歩行用の専用コースが固定化され、フリースペースも2コース与えられている今日の設定では、遊泳コースが1コースしかありませんでした。そこへ仕事帰りのスイマーが大勢押し掛けてきていて、もう芋洗い状態でした。やれやれ。スピードを出して泳ぐことは不可能です。あまりにも詰まり過ぎるので前を空けることができず、けのびでスタートして2ストロークか3ストロークで前の人に追いついてしまいます。あとはぶつからないように、進むのが精一杯でした。そんな中でも、アップをクロールで100M、ブレストで25Mを36本と25Mダッシュを2本泳ぎました。合計1050Mです。最後の25Mは、一旦フリースペースで水中歩行やビート板を使ったドリルをこなし、コースが空くのを待ってからやっと泳ぐことができました。製造業は稼働率が下がって一時帰休日を儲けている工場が多いためか、金曜日のプールは人が多いです。僕のようなスイマーには、民営化もワークシェアリングもちょっと考えものです。
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