こういう映画が見たかった。あまり人に見てもらいたくない。自分だけが知ってて、時々自分の秘密の引き出しからそっと取り出してみる、そんな映画だ。
プルーストの「失われた時を求めて」に関係するということで最初身構えたが全然そんな必要はない。確かにあのハーブおばさんはプルーストという名前だったが、、。
2歳で、あることが起こり失語症になってしまった青年の話です。画面は全編絵本です。それも映画とは思えないぐらい自由です。完全に絵本の世界です。
2歳の赤ん坊から見える映像がこれまたユニークでいい。おもに両親を見ているのだが、声といい視角といいまるで不思議の国の中にいる赤ちゃんのようです。恐らく赤ちゃんの視角はこんなものでしょう。よくぞこの映像が撮れた!
赤ちゃんの前で行われる夫婦プロレスシーンは映画史上、絶賛の愛すべきものでしょう。今でも思い出すと涙がこぼれます。ハイ。
プルーストおばさんががんで亡くなるというのは何か意味があるんでしょう。恐らく両親が死の国からプルーストおばさんの匂いを嗅いで、何かお願いしたのでしょう。と、僕は勝手な解釈をしています。
本年屈指の作品です。
冒頭にも告白しましたが、あまりこの作品を人に薦めたくありません。大事に大事に自分のために取っておきます。僕一人だけのものにしようと思っています。
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